子峯/石碑巡遊

碑文やお墓などを巡り、先人達の筆跡を収集しています。 文字探検家/碑/掃苔/墓マイラー…

子峯/石碑巡遊

碑文やお墓などを巡り、先人達の筆跡を収集しています。 文字探検家/碑/掃苔/墓マイラー/神社仏閣/書家

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  • 石碑巡遊 〜新潟県

    新潟県内の石碑についてまとめました、

  • 石碑巡遊 〜埼玉県

    埼玉県内の石碑などの資料をまとめています。

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【全景公開】佐渡の文人輩出に貢献した人を語る〜諏方神社③

今回も佐渡の諏方神社にある碑についてです。今回で最後。 最後に碑文全文を載せていますので、興味ある方はご覧下さい。 前回までの投稿はこちら この神社には碑が2基あり、どちらも明治の大家、日下部鳴鶴の書です。 『佐渡碑文集』によると、元々は別のところにあった碑であるそうです。 今回は「溟北先生之碑」です。 篆額・本文ともに日下部鳴鶴の書です。 鳴鶴風のやや平べったい結構で、起筆を鋭く立ててするどい筆致で書かれています。 かの有名な大久保公神道碑よりも10年近く前の作

    • 黒石市を見守る神社にある碑 〜黒石神社①

      こんにちは。子峯です。 今回は青森県黒石市にある黒石神社を参拝。 年季の入った手書きの看板。こういうのたまらないですねー。笑 この由緒書によると とあるように、黒石市の基礎を築いた津軽十郎左衛門信英が祀られている神社であることがわかります。 その他、境内には多くの文化財があるようです。 明治天皇が巡幸された神社であり、その碑が建っていますが、それは次回ご紹介します。 では、早速、拝殿より。 「石」字に妙な一画がありますが、これは石の通俗的な書き方。 こういうのが

      • 明治天皇が泊まったお堂が現代に残る? 〜橋雲寺②

        前回の続き。 アイキャッチの写真はお寺の駐車スペースから撮ったもの。 頂上から降りてくる途中に石仏がならんだところがあり、観音像が並んでいる。 顔の雰囲気が良かったので、描いてみたくなってしまいました。 絵が下手なのはお許し下さい。笑 三十三観音を配しているようだが、詳細は不明。 麓には護摩堂があり、脇にその名のとおり、護摩堂碑なるものが立っている。 碑額の隷書は円みを帯びた筆致で、横画の太さが目立つ。恐らく石工が底を掬うことで深みを演出することを意図してこのよう

        • 桃山時代の雰囲気残す神社 〜橋雲寺①

          今回は青森県弘前市にある橋雲寺に参拝してきました。 存在感ある立派な寺号標です。 この標は大正3年、高山松堂の書です。 書道を教えていた人物であり『梅軒先生余影』を編集しています。 面白いものでは『修学旅行』という雑誌に修学旅行の思い出話が元生徒との対談で載っていました。 クジラの骨を拾って交代で持ちながら帰ったり、宿での思い出だったりと今では想像のつかない冒険談のような旅行記が載って、まさに学を修める旅行のようです。 さて、こちらのお寺は神仏混淆の名残を残すところ

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        【全景公開】佐渡の文人輩出に貢献した人を語る〜諏方神社③

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          石碑巡遊 〜佐渡市

          佐渡市内の石碑などの文字資料をまとめています。 並びは記事の更新順です。

          石碑巡遊 〜佐渡市

          国会開設に関与した翁の碑〜諏方神社②

          前回に引き続き、佐渡の諏方神社にある碑をみていきます。 前回の投稿はこちら この神社には碑が2基あり、どちらも明治の大家、日下部鳴鶴の書です。 『佐渡碑文集』によると、元々は別のところにあった碑であるそうです。 はじめに「朔汀若林翁碑」をみましょう。 本文は日下部鳴鶴の書です。 起筆を鋭く立てて書く筆法で表現されています。 鳴鶴先生らしい安定した結構で字粒が小さいながらも存在感があります。 大正7年の書ですので、だいぶ晩年の書になります。 もう一方の書がいか

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          国会開設に関与した翁の碑〜諏方神社②

          諏方or諏訪? 佐渡の玄関口近くにあるお宮には明治の書跡がずらりと並ぶ 〜諏方神社①

          さて、今回は佐渡の玄関口、両津港の近くにある諏方神社に参拝してきました。 境内にある由緒書によると とあります。 社号標は明治神宮宮司の書。 拝殿には幾つか社号が書かれた額が掛けられていました。 その一つが明治を代表する巌谷一六(本名:修)の書。 落款に「正四位」とありますので、楊守敬の来日によっていわゆる六朝楷書を取り入れたあとの書になります。 焼けたためか、墨の色が薄くなっているのが残念ですが、六朝楷書らしい力強さを表現した書風が全面に出ています。 写真で

          諏方or諏訪? 佐渡の玄関口近くにあるお宮には明治の書跡がずらりと並ぶ 〜諏方神社①

          のどかなたらい舟に揺られる集落に残る句碑 〜称光寺

          こんにちは。さて、前回の続きでようやく佐渡の宿根木にやってきました。 時間の流れがゆっくりなのどかな集落でした。 さて、最大の目的はもちろん、たらい舟です。 当日は風が強く、波が高い中での就航になったため、船頭さんはかなり大変そうでした。申し訳ないですね。 さて、そんな感じでたらい舟を堪能したあと、帰り道で神社とお寺を発見しました。 白山神社 拝殿には「白山姫神社」と書かれた額がありました。 筆者はおそらく久我建通氏。 氏は88歳頃亡くなっていますので、亡くな

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          有名な能舞台がある神社に掲げられた社額。金運アップになりそう?? 〜加茂神社(栗野江)

          こんにちは。 仕事が立て込んでいたのと、不意にコロナに罹ってしまったのとで、気付けば1ヶ月近く更新が途絶えていました。 前回に引き続き、佐渡旅行で集めた文字をご紹介。 今回は宿の近くにあった栗野江に鎮座する加茂神社です。 入り口のそばに立て看板があり、それによると永暦元年(1160)の創立。現地に社殿が造営されたのは永徳元年(1381)であるそうです。 また、能舞台としても有名でこちらを説明しているサイトの方がわかりやすかったので、転記すると とあるように、能舞台

          有名な能舞台がある神社に掲げられた社額。金運アップになりそう?? 〜加茂神社(栗野江)

          トキに癒され、時と向き合う。 〜トキの森公園・白山神社

          佐渡旅行へ行っていました。 目的は「たらい舟」の宿根木ですが、それはまた後日。 まずは、両津港よりほど近い、「トキの森公園」へ。 全く無知識で行きましたが、施設の方が丁寧に説明してくださったので、かなり詳しくなれたと思います。 トキは日本や中国にしかいないと思っていましたが、意外にも韓国やロシアにもいたというのには驚きでしたね。 園内にはトキを描いた石が無数に散らばっていてなんか楽しい。 もちろん、本物のトキにも会えました。 ちょうど、食事のタイミングに重なり、間

          トキに癒され、時と向き合う。 〜トキの森公園・白山神社

          【貴重】筆の持ち手に刻まれた文字に注目してみました。② 〜尚林堂

          こんにちは。子峯です。 以前、『町まちの文字』という本を読み、日常に溢れる書き文字(人の手により成る文字)って面白いなと思い、意識するようになりました。 画家が認識する文字の見方はとても勉強になりました。 そこで、日常に溢れる文字を探求したところ、自分の身近なところにいいものがありました。 それはズバリ、「筆」です。 筆者は中古筆を蒐集するのが趣味でして、それなりの数になってきています。 筆には持ち手になる「筆管」がありまして、ここに筆屋さんが丹精込めて作った筆の

          【貴重】筆の持ち手に刻まれた文字に注目してみました。② 〜尚林堂

          【名言】まけてのく 人を弱しと思うなよ 智慧の力の強き人なり。

          中山多七郎満足(1802-1854) の言葉です。 「負けて退いていく人を弱いと思わないことだ。優れた知恵を持った(無謀な戦いを避けた)人かもしれないのだから。」 と訳してみました。 この人物は柳剛流中山派を開いた人で、埼玉県川口市を中心に剣術を広めた人物です。 その人となりは剛毅果決(意志がしっかりとしていて、決断が早い)人物であったそうです。 祖父の代では「富豪」といわれるような家系であったようですが、父の代で自然災害により被災、大きな損害を被ったそうです。 そ

          【名言】まけてのく 人を弱しと思うなよ 智慧の力の強き人なり。

          荒れる川を39年間に渡り改修した人々の記録。夏目漱石の友人が筆を取る。 〜中山吉長頌徳碑

          ここは川口市と草加市の境。そこを流れる伝右川から撮った景色です。 川の水は濁っていますが、改善されてきている様子です。 さて、橋の脇にとても大きな碑がありました。 題額の書者は第二十五代内閣総理大臣の若槻禮次郎。 総理大臣が書いたってだけでなぞにテンション上がります。 線が太くしっかりとしてます。筆者の真面目さが伝わります。 本文は管虎雄の書です。 夏目漱石とも交流のあった人物。書家の側面もありますが、ドイツ語学者でもあったそうです。 本文はやや扁平の楷書体。 漢

          荒れる川を39年間に渡り改修した人々の記録。夏目漱石の友人が筆を取る。 〜中山吉長頌徳碑

          おいしい牛タンと迫力ある字と 〜牛タン匠

          こんばんは。 宮城に行ってました。 宮城と言ったら牛タンでしょ! ということで、「牛タン焼専門店 司」さんにお邪魔しました。 色々頂きましたが、どれも美味しかったです。牛タンの柔らかさは今まで食べた中でも1番かも。 シチューのホロホロ具合は最高でした! と、食事に集中している一方、どうしても気になるものが。 迫力ある字が店内を埋め尽くしていました。熱気溢れる店内にマッチしています。 聞けば、全て同じ人が書いていて石巻市の書家さんらしいです。 昔このお店で働いて

          おいしい牛タンと迫力ある字と 〜牛タン匠

          石碑巡遊 〜草加市

          草加市内の石碑などの文字資料をまとめています。 https://www.google.com/maps/d/u/1/edit?mid=1-dYbpi2U55upsrwaWbIBMKBWLTiTdUI&usp=sharing 並びは記事の更新順です。

          石碑巡遊 〜草加市

          いい表情してますね〜。お地蔵さんの絵額があるお堂 〜地蔵堂 

          田舎の山の奥ではこういった絡ませ方をする堂を見たことはありますが、住宅地でここまでとはなかなかの異世界感。 大きい鈴が目立ちますね。 お堂の詳細を調べてもあまり詳しくは出てこないようです。わかるのは「地蔵堂」という名称くらい。 お地蔵さんが祀られているのでしょう。 お堂の左上にある絵です。昭和14年奉納のもの。 「東京浅草区田町 吉澤」と奉納者の名前が見えます。 「奉納」の字は篆書で書かれています。江戸時代っぽい書き振りです。 お地蔵さんの表情に何か惹かれます。天

          いい表情してますね〜。お地蔵さんの絵額があるお堂 〜地蔵堂