トキに癒され、時と向き合う。 〜トキの森公園・白山神社
佐渡旅行へ行っていました。
目的は「たらい舟」の宿根木ですが、それはまた後日。
まずは、両津港よりほど近い、「トキの森公園」へ。
全く無知識で行きましたが、施設の方が丁寧に説明してくださったので、かなり詳しくなれたと思います。
トキは日本や中国にしかいないと思っていましたが、意外にも韓国やロシアにもいたというのには驚きでしたね。
園内にはトキを描いた石が無数に散らばっていてなんか楽しい。
もちろん、本物のトキにも会えました。
ちょうど、食事のタイミングに重なり、間近で捕食シーンを見れたのは良かった。
動画の載せ方がわからないので、YouTubeで探してみました。
さてさて、そんな感じでトキに感動しつつも、やっぱり気になってしまうのが、文字なんですよね。
性分なので、お許し下さい。
キンについては園内の説明に、日本原生最後のトキとありました。
名前の由来もトキに生涯を捧げた方からつけたそうです。
碑文を書いた平山県知事も園内の説明でトキ復活に尽力した方だったと書いてあった記憶があります。記憶ですみません。。。
さて、公園の脇に神社がありました。
佐渡にはかなりの数の寺社があることで有名です。
こちらは白山神社。朱の鳥居が立派です。
境内社に弁財天がありました。佐渡国寺社帳には「他に熊野権現有之哉」と書かれているのを見つけましたが、由緒などは不明。
社号碑は塩谷末市氏の揮毫。氏は新潟県農会の書記を務めた人物であったようです。
狛犬も愛くるしい顔です。
画像が荒れましたが、口の中の玉は後から入れたのではないかと思うぐらい綺麗でした。
拝殿から屋根の上をみると珍しいオブジェがありました。
シャチホコですね。鱗の細部まで表現されています。尻上がりは縁起が良い。笑
それと、屋根の境目の辺り。なんというのかわかりませんが、この部分が興味を惹きます。
市松柄のようなものが横に一列。こういうのは珍しいのでは?
西洋チックな和洋折衷感があります。大正時代的な雰囲気ありますね。
欄間?に当たる部分に二双の龍が刻まれています。
この彫刻が素晴らしい。
ドラゴンボール(宝珠)を掴む爪の表現、舌の出し方。眼が今にも動き出すかのように生き生きしています。
立体的で奥行きのある表現。
新潟には石川雲蝶という有名な彫刻師がいますが、県全体で彫刻に関する造詣が深かったのでしょうか?気になります。
その欄間の上に額がありました。
通常こういうところにあるのは社名の額であることが多いのですが、これはどうも違うようで、「銀豪嵒」と書いてあるようです。
銀豪とは銀の両替店を意味するようで、銀が沢山とれる山が近くにあったことを指しているのでしょうか?
左下の落款印は「天和年間」「天下太平」とあり、1681年から1684年の間の額であると推測できます。
色彩鮮やかですが、近年塗り直しをしたと思われます。
そうなると、気になるのは現在の社殿の造営年月ですが、額にある通り、天和年間と推定できそうです。
となると、大正時代よりも石川雲蝶よりも古い時代にこれらの意匠が施されたということになります。
ちなみに、日光東照宮は1636年に現在の社殿が造営、名古屋城のシャチホコは1612年とあります。どちらも徳川家の関係があり、もしかしたら、関係者の子孫が作った可能性も?
先にちらっと話した社紋を調べると「本多立ち葵」と出てきました。
あれ?ってことは…。
拝殿を見回していたらかわいい小鳥も見つけました。
トキを見て、ついでに如何ですか?
アクセス
トキの森公園
〒952-0101 新潟県佐渡市新穂長畝383−2
参考文献
・『佐渡叢書 第15巻』「佐渡神社誌」著者 山本修之助 編 出版者 佐渡叢書刊行会 出版年月日 1974年
・『佐渡国寺社帳 巻下(社部)』 著者 度津神社々務所 編 出版者 度津神社々務所出版年月日 昭和5
・『新潟県年鑑 昭和16年版』 著者 新潟日報社 編 出版者 新潟日報社 出版年月日 昭和15-20
・「家紋のいろは」(https://irohakamon.com)
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