近畿地方の石造物㉓:旧遊女塚宝篋印塔
名称:遊女塚宝篋印塔
伝承など:遊女の供養塔
所在地:兵庫県神戸市垂水区 西垂水墓地
JR神戸線の垂水駅から北方に五分ほど行った所にある西垂水墓地に、四メートルに迫る巨大な宝篋印塔が建っている。
古くから「遊女塚」と伝承され、垂水の沖で船から落ちて溺死した遊女の供養塔と言う伝説があるが、これは後付であろう。
基礎部の四面には銘文が残り、その中には建武四年の文字があり、この宝篋印塔が南北朝時代の初期に造立されたことがわかるが、石塔自体は鎌倉時代後期の遺風を残す雄大な塔である。
なお、元来この塔は山陽道沿いの丘の上に建っていたが、明治時代に鉄道が開通した際に現在の場所に移されたと言う。
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