無機質
今日は久しぶりに暑かった。
急に天候が変わるものだから身体によくない。
今年初めてリビングの冷房を入れた。
冷房の入っている部屋のドアを開けると、生温かい廊下のもわっとした空気に襲われた。毎年このにおいを嗅いであるのだが未だになれない。好きではないのだがどこか嫌いにはなれないようなよく分からない感じ。
あたしは夏が嫌いだ。不快な汗はかくしそのせいで身体は臭うし、冷房のせいで身体は冷えるし。とにかく過ごしづらいのがまずひとつ。
それともうひとつ、どことなく空気が好きになれない。なんとなく無機質であたし的にはなんとなく死を実感する。夏って死に近い季節なのではないかと思ってるくらい。
夏特有のこの無機質なにおいをひと夏に何回かふと感じとる。そのたびにそのときに見た景色と感情を記憶する。と同時に以前の記憶を思い出す。
そのにおいは決まって不思議と感傷的な感情を起こさせる。そのたびにどこか切なくなってしまってそれが記憶として残るのだろう。
小さい頃の、いや、べつに小さくなくてもいい。夏休み、この長い休みの期間が(たとえば学校という日常に対して)非日常であり、それにどこか特別を感じとっているのか。
正体はよく分からないけれど、今年もまた無機質な、どこか死を実感する夏がやってきた。今年は乗り越えることができるだろうか。
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