2.3.1 東アジアの風土と人々 世界史の教科書を最初から最後まで
「東アジア」の“舞台設定”を確認していこう。
東アジアは、文字通り「アジアの東」。
中国と、中国の影響を強く受けた日本列島、朝鮮半島、ベトナム北部などユーラシア大陸東部の地域を指すことが多いね。
広い中国には、漢民族はじめとするシナ・チベット系の民族、
朝鮮半島にはツングース系の民族や、
朝鮮民族、
日本列島には現在の日本列島に住む日本人、アイヌ、琉球人、
それに、南方の台湾などには太平洋や東南アジアの人々に近い民族が分布しているよ。
モンスーン(季節風)の影響を強く受け、夏には雨が多く降りジメジメした気候になることが多いけど、場所によって風土にはバラエティがある。
①農業エリア
中国の大部分や朝鮮半島、日本列島、ベトナム北部では、気候に合わせて稲、雑穀、豆などが栽培される農業に適したエリアだ。
冬に寒くなる北方では粟(アワ)などの雑穀や小麦が、南のほうでは稲が栽培されることが多い。
中華料理でも、北京料理は餃子(チャオズ)や饅頭(マントウ)が、広東料理ではチャーハンが美味しいよ。
②遊牧エリア
中国の北方には、モンゴル高原やゴビ砂漠のように乾燥した草原地帯・砂漠地帯が広がっていて、農業には向かない。草や水場を求めて遊牧生活を送る人々が生活するエリアである。
定住生活をおこなっている人にとっては、想像を絶する環境だ。
③狩猟エリア
東北部の寒い森林(タイガ)地帯は、狩猟・採集メインにして暮らす人々の暮らすエリア。
④オアシス商業エリア
西部の乾燥地帯に点々と分布するオアシス(湧き水)エリアは、インドやイラン方面との交流の盛んなオアシス商業エリアである。
これら①農業エリア、②遊牧エリア、③狩猟エリア、④オアシス商業エリアに加え、南部の⑤港町エリアを合わせた5つのエリアが、東アジアの歴史の動く“舞台”となる。
この5つのエリアの人々が、①の農業エリアで発展した漢字、儒教、仏教といった共通の文化をベースにしつつ、互いに刺激を受けながら活動していくくことになるのだ。
「中国」の歴史の主人公は、必ずしも「①農業エリア」の「中国人」じゃない。
それが「中国の歴史」を理解する鍵なんだよ。
このたびはお読みくださり、どうもありがとうございます😊