青空文庫(著作権が消滅した作品や著者が許諾した作品のテキストを公開しているインターネット上の電子図書館)から、歴史総合や日本史探究・世界史探究で使えそうな史料をピックアップしてみました。これら新科目は、ともすれば文字優位となりがちですが、ビジュアル資料と組み合わせたり、適宜言い換えたり、さらに「やさしい日本語」化することも含め、ものは使いよう。一貫性はありませんが、結構いろいろあるぞ、ということで、今後も追記していきます。
1. アルベルト・アインスタイン(石原純・訳)『相対性理論』
2. 芥川 竜之介『上海游記』
最近NHKが映像化しています。
3.浅沼稲次郎の三つの代表的演説
「逆コース」の文言が登場します。
4.鮎川義介「革命を待つ心―今の實業家、昔の實業家」
鮎川は新興財閥日産コンツェルンの創設者。戦後、『文藝春秋』に寄せた小論より。
初出:「文藝春秋 昭和二十八年十一月號」文藝春秋新社
1953(昭和28)年11月1日発行
5.石原莞爾『最終戦争論』
来るべき「最終戦争」とは何か、端的な説明の中に、総力戦(石原はそれをも超える最終決戦を証立てようとしていたわけですが)の特徴を読み取ることができます。
6.エレン・ケイ(伊藤野枝・訳)「恋愛と道徳」
青空文庫には、女性の書き手が多く掲載されています。
7.伊波普猷「進化論より見たる沖縄の廃藩置県」
伊波は「沖縄学の父」とされる言語学者、民俗学者。社会進化論的な立論が垣間見えます。
8.ヘンリック・イブセン(島村抱月・訳)『人形の家』
9.植木枝盛「東洋大日本国国憲案」(日本国国憲案)
植木枝盛は土佐藩出身の自由民権思想家。
9.サッフォ(上田敏・訳)「君のねがひ」
サッフォーの上田敏訳がありました。
10.内村鑑三「基督信徒のなぐさめ」
11.マルクス、エンゲルス(堺利彦・訳、幸徳秋水訳)『共産黨宣言』
12.ジョージ・オーウェル『あなたと原子爆弾』
新訳はKindle Unlimitedでも読むことができます。
13. ジョージ・オーウェル 『象を撃つ』
私がもっとも好きなエッセイの一つ。オーウェルは、1922年~1927年の期間のおよそ5年間、植民地ビルマ駐在の警察官として植民地に関わった経験を持ちます。
14.ジョージ・オーウェル「ナショナリズムについての覚書」
15. ジョージ・オーウェル「ファシズムとは何か」
16.大隈重信「憲政に於ける輿論の勢力」
初出:「憲政ニ於ケル輿論ノ勢力」日本蓄音器商会、1915(大正4)年3月2日
17.大隈重信「東亜の平和を論ず」
底本の親本:「大隈伯演説集」早稲田大学出版部、1907(明治40)年10月22日発行
初出:「外交時報 第八四号」、1904(明治37)年11月
18.ピョートル・アレクセーヴィッチ・クロポトキン(大杉栄・訳)『革命の研究』
19. 岡倉覚三(村岡博・訳)『茶の本』
岡倉覚三とは明治・大正の美術運動の指導者、岡倉天心(1862〜1913)のことだ。1904年(明治37)には大観と春草を伴ってアメリカに渡り、ボストン美術館で勤務をはじめ、1905年同館の東洋部長となった。『茶の本』をニューヨークで出版したのは1906年のことである。
ここで岡倉が崩そうとこころみているのは、西洋こそが文明とみる単一的な価値観だ。
20.加藤弘之「進化學より見たる哲學」
21.龜井勝一郎「君臣相念」
22.河合栄治郎「二・二六事件に就て」
23.河上肇「小国寡民」
24. 河口慧海『チベット旅行記』
25. マハトマ・ガンジー「日本の全ての方々へ」
26.マハトマ・ガンジー「非暴力」
27.菊池寛「マスク」
28.菊池寛「二千六百年史抄」
29.北一輝「日本改造法案大綱」
30.清澤洌『暗黒日記』
31.陸羯南『近時政論考』
https://www.aozora.gr.jp/cards/000253/files/1401_24296.html
32.桑原 隲蔵「蒲寿庚の事蹟」
33.幸徳秋水「ドレフュー大疑獄とエミール・ゾーラ」
https://www.aozora.gr.jp/cards/000261/files/2946_20729.html
34.河本大作「私が張作霖を殺した」
初出:「文藝春秋」文藝春秋、1954(昭和29)年12月号
35. 小林 一三「宝塚生い立ちの記」l
36.小林 多喜二『蟹工船』
37.齋藤茂吉「愛國百人一首評釋」
38.高群逸枝「女性史研究の立場から」
https://www.aozora.gr.jp/cards/001780/files/56792_55501.html
39.田中正造「直訴状」
40.ラビンドラナート・タゴール『ギタンジャリ』
41. ダンテ『神曲』
42. 知里幸恵「手紙」
43. 知里幸惠・編訳『アイヌ神謡集』
44. 陳寿「魏志倭人伝」
45. 中島 敦「環礁―ミクロネシヤ巡島記抄」
https://www.aozora.gr.jp/cards/000119/card46429.html
46.夏目漱石「從軍行」
47.西田幾多郎「世界新秩序の原理」
48. オマル・ハイヤーム『ルバイヤート』
49.オノレ・ド・バルザック『ゴリオ爺さん』
50. モンテーニュ『随想録』
51.柳宗悦「朝鮮の友に贈る書」
初出:「改造」、1920(大正9)年6月号
52.山本実彦「十五年」
53.ビクトル・ユーゴー『レ・ミゼラブル』
54.寺田寅彦「震災日記より」