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2.1.2 インド文明の形成 世界史の教科書を最初から最後まで

インドで最古の文明は、インダス川流域に栄えた前2600年ころ(今から4600年ほど前)のインダス文明だ。

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石器ではなく青銅器を使用し、排水溝やちゃんと区画された街路を持つ都市も建設された。
主要な遺跡は、インダス川上流のパンジャーブ地方にあるハラッパーと、下流のシンド地方にあるモエンジョ=ダーロ



体を清めるために使われたとみられる沐浴場(もくよくじょう)は、現在のヒンドゥー教の沐浴の習慣を彷彿とさせるね。

穀物倉(こくもつぐら)や住居がレンガでつくられ、同様の遺跡は広い範囲に見られる。


メソポタミアのように強力な王様がいたわけではなく、大きな王宮や王墓も見られていない。言語学者の長田俊樹さんによると、当時の南アジアには農民、牧畜民、商人、狩猟採集民などが、季節ごとに移動性の高い生活をしていて、彼らがさまざまな持ち込んで取引をした場所が、モエンジョ=ダーロのような大都市だったという。


言葉の通じない人どうしがコミュニケーションするために、印章が用いられた。ここにはインダス文字と呼ばれる象形文字が雌牛(めうし)の姿とともに彫られているけど、いまだ完全には解読されていない。

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商品に封をするときに使ったようだ。メソポタミア地方でも見つかっているから、取引があったことは確実だ。

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神の姿や雌牛の姿は、のちのヒンドゥー教とも関連するものと考えられている。

しかしながら、このインダス文明は前1800年ころ(今から3800年ほど前)までには衰退してしまう。
気圧配置が変わりモンスーン(季節風)の吹き方が変化したことで、洪水が多発したという説。
放牧や樹木の伐採によって環境が破壊されたという説。
大量の水を使った農業によって、土地が塩化してしまったという説などなど、その原因には諸説ある。


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