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”国際系” note まとめ

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This magazine curates notes relating to stuffs between globalness and localness.
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#インド

チベット仏教を学びにインド留学してきた。

気づいたらインド留学を終えてから4ヶ月も経ってしまいました。 時間が経つとともにだんだんと過ごしていた時間が消化されて、今アメリカの寮の部屋で振り返ると、本当にあの時間は本当だったんだろうかということが不思議に思える。 今後の自分自身のためにも、今まで説明をしていなかった知り合いの人々に向けても、なぜインドに留学したのか、どんな時間を過ごしたのか、何がTakeawayだったのかをある程度まとめておきたいと思います。かなり散文的になりますが、ご容赦ください。 目標はいくつか

「ロンドンに行ったらインド料理を喰え」

我が家の子供たちは、毎週土曜日にプールで水泳を習っています。 週末は妻が仕事でいないことが専らであるため基本的に私が電動自転車で送迎するのですが、坂が多いエリアに住んでいるため前後に子供2人を乗せると自分が重いこともあり正直結構タイヘン! でもこれも運動なので致し方なし、とエンジョイしています(たまに帰りに子供たちと3人でランチして帰ったりして、カロリー大幅超過してしまうこともあるんですけどね) ママやパパたちはレッスン中、プールの上層階から高みの見物?が出来るようにな

モモ【2】 インド化したモモ

その日、私はデリー市内にある巨大ショッピングモールのフードコートにいた。好調なインド経済を象徴するように、大勢の買い物客たちがさまざまな店でショッピングを楽しんでいる。もちろん、広大な席数を誇るフードコートも、昼時ともなれば大勢の食事客が集まり、下手をすると席の確保すら難しい。何とか確保した一席に座り、さて何を食べようかと居並ぶテナントの看板をぐるり見回した。すると黄色地に黒と赤で店名が書かれた、よく目立つテナントが目に入った。Wow!Momoである。 Wow!Momoはコ

インドでおなかを守る極意と、インド的「下請け文化」の考察-①

インドは、衛生環境の悪さで世界にその名をとどろかせている。 実際にインドに来たことのない人間でさえ、「インドは汚い国である」という認識を持っている。現場を知らない見解や偏見は最も避けるべきものだが、私も実際インドに住んでみた結果、残念ながら日本人の視点から見て「インドは汚い」という感覚は正しいと言わざるを得ない。もちろんデリーやムンバイなどの大都市には、極めて限られた小ぎれいな地域が存在するが、そういった大都市ですらお世辞にも衛生環境が良いとは言えない。ましてや、地方都市や農

【ニッポンの世界史】第9回:アジア・アフリカ会議の衝撃

 前回は飯塚浩二と上原専禄が、”公式”世界史に代わる世界史を構想しようとしていたのを確認しました。  では、2人をそこに駆り立てる動機となったものは一体何だったのか?  それは、当時同時代的に進行していたアジア・アフリカの植民地の独立であり、その立役者でもあったネルーです。 ネルーのインパクト  ジャハルワル・ネルー(1889〜1964)は、インド独立運動の指導者で、ケンブリッジ大学のトリニティ・カレッジで自然科学を修めたうえで、弁護士資格を取得したエリート中のエリート。

『はじめての王国ツアー』が生まれるまで〜バーフバリ生誕の地へ Vol.1

みなさんこんばんは。楽しいインド案内人アンジャリです。 さて私は、2018年6月に『はじめての王国ツアー』という企画で、ラモジ・フィルム・シティをはじめとするテルグ語映画の本拠地ハイデラバードを巡るツアーを開催、以後、同様のツアーを6シリーズ企画してきました。 このツアーが生まれたきっかけは。 2017年6月に『バーフバリ 王の凱旋』を観て大興奮した私は、寝ても覚めてもバーフバリのことを考える日が何か月も続いていました。ただしそのころはまだ日本では未公開。あまり語り合え

インド映画『RRR』を観て気付いたところをまとめてみたメモ。(ネタバレあり)

RRRを観て気付いたところをまとめたメモのあつまり。ツイートした小ネタとかもまとめた。以下の2つの記事とかぶるところもあるし、こっちは解説を省いているのでどちらも読んだあとに見てもらうとわかりやすいかもしれない。私はただの通りすがりのインドオタクなので解釈間違ってることもあるとおもうけどそれでもよければどうぞ。 RRR小ネタとか箇条書き。ネタバレ、オチバレあります!読む人はご注意を!!!DVVのロゴ いちばんはじめに登場するのはヴェンカテーシュワラ神。神様へのお祈りの歌だ

『古代インドの衣装』を出版しました。

古代インドが好きすぎて、『古代インドの衣装』という本を作ってしまった……気付いたら100ページになってた……というお話。 『古代インドの衣装』The Costumes of Ancient India古代インドが大好きなオタクがツイッターで古代インドのことを呟いていると、いろんな方から質問がきます。特に多いのが衣装についてです。 確かに古代インドの衣装を調べようとしても、ネットではほとんど引っかからない。じゃあ本で調べようにも、そもそも古代インドのどの時代なのかとか、もとに

アショーカ王の亡霊 "今"と"過去"をつなぐ世界史(7) 前400年〜前200年

インドの国会議事堂で、何が起きているのか?  今年2023年、インドの国会議事堂「サンサド・バヴァン」が改修された。そこで物議を醸したのが、モディ首相のお披露目した、ある壁画である。 壁画の名は「アカンド・バーラト」、英語ではUnbroken India、「分裂されていないインド」である(★1)。  モディ首相はBJP(インド人民党)出身で、ヒンドゥー教中心のインドを建設することに熱心だ。イスラーム教徒とイギリスの侵入する前のインドこそ、本当のインドである、というのが基

2023年印パ旅行記②(アムリトサル編)

 翌朝、インド国内線でアムリトサルへ向かう。空港に入るのに随分時間がかかったが、何とか間に合った。  1時間ほどのフライトを経て、無事アムリトサルに到着。ここからは事前にお願いしていたガイドさんと回ることになる。早速市街地に出ると、まずはヴィクトリア様式の建物がお出迎え。  アンベードカルについては学校で習った旨をガイドさんに伝えるとたいそう喜んでくれた。どこの国でも、自国の偉人について知ってもらえるのは嬉しいことなのかもしれない。ちなみにここに来るまでにスバス・チャンド

歴史のことば No.19 「今日の気候変動は別の意味で歴史の産物でもあるのだ。」

人新世という言葉が、だいぶ知られるようになった。 自然科学の用語なのだから定義がしっかりしているのかといえば、そういうわけではない。学術的には、かなり込み入った論争を含むやっかいな言葉でもある。 だが、「人間が地球におおきな影響を与える時代」という意味として、おおかた流通しているようだ。 すべての流行語がその道をたどるように、言葉の送り手と受け手のあいだで、必ずしも意味の一致をみないものの、それとなく流通している。そんな「言語ゲーム的状況」にあるのが、現状の「人新世」の使わ

「大航海時代」 新科目「世界史探究」をよむ 3.2.6 スペイン・ポルトガルの新航路開拓

「大航海時代」というネーミングは適切か? 「大航海時代」を辞書で引くと、次のようにある。 「大航海時代」と「発見の時代」。 ヨーロッパが大航海をした時代。 ヨーロッパが新航路と新大陸を発見した時代。 この二つの言葉の共通するのは、どちらも主語が「ヨーロッパ」にある点だ。 ヨーロッパ中心の歴史の見方をすれば、この用語は適切だろう。 しかし、ヨーロッパが進出した側から、ヨーロッパの進出を眺めた場合、果たしてこの用語は事態を正しく言い表していると言えるのだろうか? 乏しか

【🇮🇳ケララ旅 #11】 実際に行ってみた!テッカディのおすすめレストラン6選

魅力的なレストランが集まるテッカディ南インドケララ州「テッカディ」 自然豊かで毎日過ごしやすい気候 ほとんどのレストランやショップは全て徒歩圏内で1人旅でも非常に旅行しやすい。レストラン、お土産屋、観光案内所などとても充実しており、いつでもインド人観光客と外国人観光客で賑わっている。 ケララ州ではいくつもの街を訪れたが、特にテッカディは魅力的なレストランが数多く集まっていて、観光客でもいいお店が見つけやすい。 滞在中に私が実際に訪れたレストランをご紹介! ① ケララ料理名

『RRR』 爆発的なヒットの影で加速するヒンドゥーナショナリズム

『すずめの戸締まり』が興行を席巻し、爆発的なヒットを記録する影で話題を集めている映画がある。テルグ語インド映画『RRR』だ。2022年のインド映画における興行収入はNo.1。マーベル作品がひしめき合う全米興行ランキングでも初登場にして3位を記録。全世界での興行収入は1億6000万ドル(約220億円)を超える世界的大ヒット作となっている。監督を務めるのはS.S.ラージャマウリ。『バーフバリ』シリーズで知られ、日本でも大きな話題になったこのシリーズは応援上映も実施されるなど根強い