長男ー妊娠期ー#2
こんにちは、アブラハムママンです。
今回も20年以上前の妊娠時期のことを書いていきたいと思います~。
「無理だ、ごめん。そしたら死ぬ。」
私は涙声で言った。
お腹の命を諦めようと当時の彼氏(現夫)と抱き合いながら泣いていた時に、
『この子をコロしたら、私もシぬ!』
と嘘でも大袈裟でもなく思った私は、そう告げた。
彼氏「え?それはやだ。」
私「うん、だから産む。」
私の中では簡単な方程式だった。
でも彼の中では違ったみたい…。
彼は、その後も2度3度と命を諦めるよう私に話した。
でも無理、これだけは引けない。
私だって私の命は大事なのだ、これはもう母性本能ではなく生存本能だ。この子はおろせない。
そんな中、病院でエコーの診察があった。
今では珍しくなく診察で毎回のように行われるが、当時は特別で部屋も別に用意されていた。
エコーがある日は病院側も、夫や他家族と見れる様声がけや配慮をしてくれた。
私もそんなことを言われていたが、今だに堕胎を勧めていた彼が来るとは思えず、エコーのことはおろか病院の話も一切していなかった。
エコー室へ案内され、自分の順番を待つ。
名前が呼ばれ立つと「…ひとりですか?」と確認された。
「…はい。」
私はもしかしたら、少しムッとした顔をしていたかもしれない…。
◇
これは妊娠したことある人でも、想像できる人とできない人がいるだろう。
妊娠がわかった時の今後の心配や相手に伝える時の反応の不安。
これらは、伝えた時に相手が喜んでくれたらくれただけ、この上なく嬉しく幸せな気持ちになる。
今までの心配不安があればある程、それに反比例して見る間に軽くなり、この人と一緒にいて良かった、これからも頑張っていこうと思えるものだ。
では、逆は…?
気持ちも逆、真っ逆さま。
相手に対しての信頼の喪失、人によっては今までの行動の後悔、伴ってお腹にいる命に対しての申し訳なさ…。もうそれは絶望にどんどん近づいていく感覚だ…。
◇
そんな真っ逆さま真っ最中な私。
『産む』と決めたものの不安はもちろん、自分の行動が正解か不正解かも分からなかった。
ただあったのは『産む』と言う気持ちだけ。
その気持ちも未来への不安で陰っていく。
そんな中のエコー診察。
簡易的なベッドに横になり、膨らんできたお腹を出し、冷たいジェルを塗り、機械をお腹につける…。
「これ、心臓ですね。ここが顔。目と鼻と…これ、脳みそですね。」
そんな説明を聞きながら、初めてみる陰影のみの我が子。
「お猿みたいな顔だなぁ。」
つい言ったら顔を下に向けた。
「あら、お母さんがそんなこと言うから下向いちゃったわ。」
え?そんなにすぐ反応するんだ…。
今考えるとあたりまえなことを思ったものだ。
それでも、我が子はただただ可愛かった…。
子犬や子猫に対しての可愛さではない、ただただ命が可愛かった…。
いてくれてありがとう、なんてことも思ったくらいだ。
散々、その命を脅かすことを考えておいて、本当に勝手なものである。
何があっても産もう。
初めて見た我が子のエコーを見ながら、もう一度決意をした。
はい、今日はここまで。
また数日のうちに#3は出したいと思ってます。
ではでは、アブラハムママンでした。
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