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瀬戸内のアートに触れる旅 #2|南瓜へ想いを偲ばせる

宮浦港周辺と本村エリアのアートスポット

高松を出発したフェリーが直島に到着したのは、50分ほどした後。島の西部にある宮浦港に到着する。

宮浦港からは、フェリーの到着時刻に合わせて町営バスが発車しているのだけれど、直後に出発するバスは見送ることにする。というのも、直島のシンボルといっても過言ではない草間彌生さんの「赤かぼちゃ」を写真に収めたかったから。

直島に着く頃には小雨に変わっていて、ただ、残念ながら青い空を背景に、というわけにはいかなかったけれど、高松からのフェリー「あさひ」をバックに、赤かぼちゃに向けてシャッターを切る。

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それから、宮浦港のもう一つのシンボル、藤本壮介さんの直島パヴィリオンに向かう。徒歩で2,3分の距離だけれども、ちょっとだけ時間がかかるので、直後に出発するバスは諦めることにしたんですよね。

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次のバスを待つ30分ほどの間、道の駅「なおしま」(こちらも、SANAAのデザインであり、おしゃれな外観をしている)にてお土産を見たり、近くの大衆銭湯「I ♡ 湯」の外観を拝んだりして、時間を過ごす。

バスに乗り、宿泊先のある島東部の本村エリアへと向かう。まずは家プロジェクトとして展開されている各所の施設を中心に、本村エリアをめぐる。

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杉本博司|護王神社
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SANNA|直島港ターミナル

ベネッセハウスミュージアム

そして昼過ぎからは、1日目のメインとしていたベネッセハウスミュージアムへ。2泊滞在するにあたって、あまり美術館巡りを詰め込んでも体も頭も疲れてしまうかなーと思っていて、地中美術館や李禹煥美術館は、翌日に訪れることにした。ある程度時間を持て余すことにはなったけれど、個々の作品の消化するためには、最終的にこの判断で良かったと思っている。

再び町営バスに乗って、終点のつつじ荘に向かい(ところどころで雨が予想されていたため、レンタサイクルの利用は見送った)、道すがらの屋外のアート作品も見て回るため、徒歩でミュージアムまで向かう。

写真の上から順に、
・草間彌生「南瓜」
・ジョージ・リッキー「三枚の正方形」
・ウォルター・デ・マリア「見えて/見えず 知って/知れず」
・大竹伸朗「シップヤード・ワークス 切断された船首」

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草間彌生さんの「南瓜」は、2021年の台風9号で破損してしまったことが非常に残念であるが、いつか修復して戻ってきてほしい。

それとともに、巨大なアート作品は果たしてサステナブルなのだろうか?という問いが沸いたりもした。「シップヤード・ワークス 切断された船首」の一部は、海風の影響も受けてサビなどの浸食が進んでしまっているように感じられたが、とはいえ、解体とか撤収するわけにもいかんのだろうか、などと。

ウォルター・デ・マリアさんは、この時にはまだ地中美術館にも彼の作品が展示されていることを認識しておらず、翌日に大きな衝撃を受けるのでした。

カフェにて昼食

ミュージアムに到着すると、まずはカフェにて昼食をとることにする。

チケットを購入してからの道すがら、眼下に広がる展示室に息を飲みつつも、エレベーターで2Fへ。窓際の席に腰かけ、イカ墨カレー瀬戸内レモンコーラを注文。

レモンコーラの爽やかさが、少し歩き疲れた身体に染みわたる。そして、イカ墨カレーは多分人生で初めて食べたのだけれど、その味の濃いこと・深いこと。

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ちょうど目の前に、ここでも大竹伸朗さんの作品が眺められたのですよね。で、食べ終わった後に外に出られたので以下の写真も撮ったのですが、この頃には晴れ模様に変わっていて、瀬戸内の気候はこんなにも変わりやすいのだなと実感する。

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展示スペースに戻ると、せっかくのこの晴れ間に見ておきたい!と思い、まず、屋外展示である杉本博司さんの「タイム・エクスポーズド」へと向かう。

写真自体は、他で見たことのある「海景」シリーズと大きく変わることはないかもしれない。ただ、瀬戸内海を背景にしたり、無機質なコンクリートの壁に並べて展示されていたり、というそのロケーションとの関係が相まって、印象的な空間を作り上げているのでした。

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参考:https://benesse-artsite.jp/art/benessehouse-museum.html

杉本博司さんの作品は、ベネッセハウスの宿泊者限定で公開されているものも存在しているようなので、それを拝めなかったのは残念ですが。。

それから一通りの展示を見て回る。ジョナサン・ボロフスキー「3人のおしゃべりする人」の声が館内に不気味に響いていたこと、柳幸典さんの「バンザイ・コーナー96」でまさかの両手を挙げたウルトラマンフィギュアが大量に並んでいたことなんかが印象的だっただろうか。

(日本人の名前には「さん」を付けたい気分になるが、例えば外国人の名前に「ボロフスキーさん」とつけるのはなんか違和感があって難しい。)

ブルース・ナウマン「100生きて死ね」では、作品の前に観賞用の椅子が並べられていて、きっと、Vitraの「.03 / ゼロスリー」のグレーに違いないと思うのだけれど、やっぱりこの椅子が好き。

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https://www.vitra.com/ja-jp/product/03

硬そうに見えて、不思議と弾力があって座り心地がよい。その他、地中美術館のチケットセンターでも同様にこの椅子が使用されていたと思う。

作品を見たいのか椅子に座っていたいのかが半分分からなくなりつつも笑、贅沢に時間を過ごしたのでした。

今日の一曲

南瓜 → かぼちゃの馬車 → シンデレラ → シャングリラ、という苦し紛れの連想。

チャットモンチー - シャングリラ


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