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最後のおばあちゃんが、これから亡くなる

今僕は、東京駅発の最終の新幹線に乗っています。

昨日妹から連絡がありました。
おばあちゃんがもうそろそろ危ないと。

何かの病気というわけではないのですが
もう食べ物を食べれなくなり、
血管も弱り点滴もできなくなってしまい、
もう死ぬのを待つだけみたいです。

僕の実家は神戸。
そして住んでいるのは東京。
「最後は見とれないのだろうな」
昨日はそんなふうに思っていました。

どんな人にも同じだと思いますが、
僕にもおじいちゃんとおばあちゃんが2人ずついます。

父方の祖父母、
そして母方の祖父はすでに亡くなりました。

でも僕は、
3人ともちゃんと看取ったことはありません。

特に父方の祖父母に至っては
両親が離婚して父とは疎遠になっていた時期があったため
おじいちゃんのこともおばあちゃんのことも
亡くなったのを知ったのは数か月後でした。

今日は金曜日、
昼休みにそんなことを考えていると、
自然と母に介護されているおばあちゃんのところに
「帰ろう」
という気持ちになってきました。


話は変わるのですが
僕は今、母と大喧嘩中なんです。

きっかけは僕の結婚でした。
結婚が決まって以来母は
「この日に籍を入れなさい」
「式場はここにしないさい」
「式はこの日にしなさい」
「指輪はここで買いなさい」

何かと高圧的に僕と婚約者の意向を無視して
命令するようになってきました。

徐々に要求がエスカレートしていき
最後には僕の実の父の存在を無視し、

「あんたにはお父さんはおらへんねんから
私の再婚相手に頭を下げてあいさつに来なさい。」
(母の再婚相手とは養子縁組はしていません。)

僕の母は自分の感情を押し通すなかなかのモンスターなんです。
そのせいもあり僕の父とは別れることになり、
実の父(僕のおじいちゃん)からは二度と家に来んといてくれ頼まれ、
妹(僕のおば)とは一切会わなくなっていました。

僕が成人した後に再婚した、僕にとっては他人の再婚相手に、実父の存在を無視して父親として頭を下げに来いという態度に我慢しきれない怒りを覚えたのと同時に、

母がこれまで家族を切り刻んできたように、
僕の新しい家族も切り刻んでいくのではないかという恐れから

「頭を下げに来い」
そう言われた瞬間から
僕もおばと同じように
母とは連絡を取らなくなっていました。


僕か母か、どちらが悪いかはわかりませんが
とりあえずそれが僕の言い分です。

母はおばあちゃんの最後を看取るといって
病院から引き取り
数週間前から付きっ切りで介護しているようです。

今ある母とのわだかまり、
そんな目の前のことに囚われていたら
最後のおばあちゃんまで見とれなくなってしまうんだろうな。

そう思うと仕事が終わってすぐに
荷物をまとめて最終の新幹線に乗っていました。

今帰省中なことは母にはまだ連絡していません。
おばあちゃんに、会えたらいいな。

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