喜びのある人生を送るために
立ち直る力、というものに昔から強い興味があります。
キャリアデザイナーとして日々「どうしたらよく生きられるか」を考えているのですが、私自身の根が小心者なので、「苦難を乗り越えるには」に目がいきがちなのだと思います。
過ちや失敗は誰にでもある。
それだけではなく、時にはどうしようもない不公平・不公正・不条理にさらされる時もある。それを好機や挑戦と捉えられるか、絶望して身を任せてしまうかは、「よく生きられるか」と繋がっているのではないか。
そんなことを思って本を読みました。
元FacebookCOOのシェリル・サンドバーグが、最愛の夫を突然失ってしまった時に書いた本です。人生の絶望から立ち直るための、回復までの具体的なステップについて解説されています。
人が苦難から抜け出せない理由
「同じことをぐるぐる考えて気が沈んでしまう」というときは、だいたいこの3つのPが絡んでいると思います。特に、真面目なひとほど、自分に責をおかないことを”逃げ”だと感じがちです。
世の中はどうしようもないことがある。それは全く逃げではない。「ここで逃げたら、今後ずっと逃げるのではないか」ということも全くない。そんなことは決まってないのです。
自分をゆるして、相手をゆるして、何度でも這い上がることができます。
「ボタン」があることが救いになる
本の中に、ストレスに関する実験が紹介されていました。
・ランダムな感覚で発される不快な騒音を聞かせる
・集中力が求められるパズルなどの課題に取り組む
・騒音のせいで集中が途切れてミスを連発される
・参加者の一部に、騒音を止められるボタンを渡す
・ボタンを与えられた参加者は冷静を保ち、ミスもなく、いらだちもみせなくなる
・なんと、実際にボタンを押した参加者は一人もいなかった
つまり、「自分でコントロールができる」という認識自体が、ストレスから救ってくれるのです。
私自身も、大きな失敗やプレッシャーで眠れない夜があります。でも年々、その眠れなさは短くなっています。
30歳になって初めて、母親に「仕事で不安なことがあるから聞いてほしい」と自分から電話をしました。
これまで大学も就職もすべて自分で意思決定してきて、仕事に没頭する姿を見せてきたから、”こんな私を見せたら、逆にすごく心配させてしまうのではないか…”という気負いもあったけど、とても親身に、かつ気丈に相談に乗ってくれました。(「大丈夫」「でもその仕事を選んだのはあなただから」と諭してくれた。)
この経験で、私はボタンを手に入れました。「助けをもとめていい」という経験は、人生において重要なボタンです。
今も気持ちが落ち着かない時、周りにとても助けられています。過密スケジュールの中「いつでも助けるから!」といってくれる上司、気遣ってLINEをくれる同僚、見守ってくれる家族や友人たち。「ボタン」をくれる存在は、身の回りにいます。
喜びのある人生を送るために
つらいことがあると、「喜び」自体を感じることに罪悪感を感じてしまいます。でも、人間である限り、「喜び」はとても大事なものです。
「自分は喜びを求めていいんだ」と思うことから、物事は始まっていきます。苦難にうちひしがれる時間を短くして、前をむく勇気を持つ。その先に、刹那的な快楽じゃなく、難しい現実と共存してこそ得られる、充実した喜びというものがあるのかなと思います。
前を向くヒントがほしい、と思うときに、ぜひこの本を読んでみてくださいね。
おわり
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