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風穴をあけろ!50歳まだヒットを狙うミュージシャンの軌跡⑯サービス精神と反骨精神(4話) SEiZI/晴志

俗に言う世の中の「普通」そんなもんは「多数」って意味でしかない。

普通を語る普通の人たちには「マイノリティ」「異常」にしか見えないだろうが、こちら側からすると「普通」=「異常」ではない「小さな世界」にしか見えない。
「小さな世界で生きていくことがある意味幸せなのかもしれない」
とさえ思う。

さて、前回の続きだ。

転校のプロとはいえ
怒涛の転校初日の次の日、俺は学校に行く。
なぜならあの当時「学校に行かない」という選択はなかったからだ。

正直、誰の顔もわからない。
方向音痴の俺は学校の自分の教室もわからない。

それでもなんとか教室に辿り着く。

「山ちゃんがいたからだ」

ここが俺の教室。

初日、誰も助けてくれなかったのに、他のクラスメートはめちゃくちゃ俺に優しかった。
席まで案内してくれて、聞いてないのに、いろいろ教えてくれた。

「ちょっと待て!山ちゃん以外は全員俺の的だからなぁ」
そう思いながら俺は違和感を感じながら我慢した。
お前らみんな見て見ぬ振りしたくせに!!

1限目の授業が始まった。
初日に見ることのなかった○木先生。

たしか、新任の先生だった。
最終的にはいい先生だったが、俺の好きだった千恵ちゃんと後々結婚するという(笑)このやろう!!(笑)
知ったのは47歳の時「山ちゃん」と再会してからなのだが・・・。

1限目が始まったすぐに、教室の扉が「コンコン」と鳴る。
俺は2組。隣のクラス1組の「K先生」
あのリンチを仕掛けてきた奴らの担任だ(後で知ることなんだが)。

ガラガラっと、入ってきた「k先生」典型的な昭和のおばちゃん先生。
転校生の俺を前に呼び出した。
「なんだ?なんだ??なんで???」

俺が前に出ると、その先生は、教室に奴らを招き入れた。
そう!!!
きのう俺をリンチした7人の生徒だ。
(新任の○木先生も、何も言えなかったんだろうなぁ、と今になって思う。)

「K先生」すごい勢いで俺に聞く。

「昨日、あんたをイジメたのはこいつらか!??」って。

「俺さらしもんじゃないか!!??俺はここからは這い上がってゆく計画たてたのに・・・」

なんだよ?何が始まるんだ?
やめてくれよ!!最悪じゃないか!!!???
転校二日目で更にこの仕打かよ・・・

人生過去最悪の転校二日目が始まった。

俺の前に7人が並ばされる。

コイツらで間違いないね?とK先生。

正直、俺、「全員は覚えてねぇよ!!」無言ながら心ではそう叫んだ。

クラスのみんなが口々に言う。
「そうだ!そいつらだ!!」

おいおい!まじか・・・。
だから覚えてねぇって・・・。
ってかお前ら、そんな勢いあるなら助けてくれよ!
みんな見て見ぬ振りしてたくせに!!

k先生が言う。
「よし、こいつら、一人ひとり好きにしていいから殴れ!!」

「ちょっとまってくれよ」
「一応、俺も武道を志してるし格闘技大好きだし、無抵抗の人を殴るなんて最低だ!俺にはできないよ。一人ひとりちゃんと試合させてくれ!

そんなこと言えるわけがなかった😭

最悪だよ!!本当に最悪だ!!無抵抗のやつを殴れるわけがない!!
そんな汚いことできるかよ。

もう逃げ出したかったよ。
なんだよ?これ。

クラスメートが「やってしまえ!!」「殴れ!」みんながまくしたてる。

俺が何かしないと収集がつかない状況。

仕方なく、早くこの状況から抜け出したくて
俺はみんなの前でひとりひとりの頭を順番に平手で叩いた。
一番でかいやつが、叩きやすいように頭を下げたのも、今となっては笑えるけども、そのときはとにかく「情けなかった」

「K先生」がこれで気が済んだか?と聞いてきた。
俺は仕方なく「うん」と答えた。
早くこの状況から逃れたかった。
「気が済むはずがないし、先生、あんたも的にしてやるからなぁ!」
心のなかでそう叫んだ。

*先生方はこれが最善の方法と思ったのだろうか?

どこまで考えたのだろうか?

俺はさらに傷ついたし、トラウマになった。

これって今の社会の縮図じゃないか?
悪いことした奴らは社会という団体にボコボコにされる。
社会から抹殺される。

その事件に関係ない奴らが、まるで当事者のように
悪を叩く。
面と向かって何も言えない奴らが、だ。

リンチした(悪いことした)奴らが、当事者(悪いことされたやつ)に関係ない奴ら(傍観者達)にリンチされる
これって当然の報いか?
俺は違うと思う。
こういうのを「目くそ鼻くそ」っていうんだよ。

見て見ぬ振りした奴らも同罪だよ。
お前らは当事者じゃない!先生もな!!


今となっては「先生って大変な仕事だなぁ」とは思うけどさ。

こういう教育を受けて来たとしたなら
今の世の中こうなってても仕方ない。
でも俺はそれは間違ってると思う。

俺はこの日から誰も信じられなくなった。
先生も親もクラスメイトも。
山ちゃん以外はね。

教育者ども!俺はあんたたちを一生恨むよ!
あと気安く「仲間」って言葉を使う奴らもな!!

でもね、学校に行かないという選択肢はなかった。
選びようがなかった。
登校拒否という選択があの時代なかったのだ。

このことを俺は親にも話すこともできず、ずっと心に抱えて生きてきたのだ。
「リンチされたことより、この事のほうが辛かった」

今でも思い出すと、心がムズムズする。

ま、しばらくして、リンチしたやつの中でも何人かとは仲良くなったし
友達もできるのだが。

全ては
「今に見てろよ!!みんな見返してやる!!」
って思いだけで、またここから這い上がって行ったんだよ。

でも、また転校するんだけどね・・・(笑)

今日はここまで。


「絶対に諦めない」そんなことをテーマにした曲「風穴」
ぜひ聞いてくださいね!







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