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Vol.5 終活で事務的にやることのリスト

資産を見直す

なかなかに自分の人生を振り返るのはパワーが必要なので、機械的に作業ができることから始めるのも一案です。事務処理はその代表格で、最近のインターネットを経由した契約の場合であれば、必要な資料やデータを自分あてのメールから探し出すことも容易にできるので、郵便物をひっくり返して探さなくても情報を整理することができます。

タンス預金は禁物

いわゆるタンス預金は注意が必要です。
特に法定相続の範囲内に身寄りがない方は、その扱いを遺言書なりで決めておかなければ後悔します。

4年前、ひとまわりほど年の離れた従兄が急逝しました。いつも通り年明けに年賀状は届いたのですが、実際は年末に自宅で亡くなっていたそうです。ご両親もすでに亡くなっており、兄弟は無く、結婚もしていなかったので子供もなく、まさにひとり身でした。昨今ではそれ自体は珍しいことではないと思いますが、ここからが問題でした。
実は自宅に2000万円ほどのタンス預金があったそうです。ところが従弟の立場から見ると、法定相続の範囲内に相続人がいないことになります。そのままでは葬儀費用も捻出できないので家庭裁判所に申し立てをしたのですが、結果的に葬儀と埋葬の費用だけは認められたものの、その労力に見合った遺留分も認められず、かかった経費以外の全てのお金は国庫に納められてしまいました。言い方は悪いですが、国に持っていかれた形になりました。
せっかく貯めておいたお金ですが、なんとも情けない終わり方ですよね。
しかしこれが現実なので法定相続の範囲に身寄りがいない方は、早めに対処をしておきましょう。

銀行口座

銀行口座は取引のある銀行全てを書き出しましょう。
それらの口座に紐づいた健康保険や公的年金などの振りこみ、公共料金の引き落とし情報なども、振り込まれる日や引き落とし日も含めて分かるようにしておきましょう。
使用している印鑑なども一緒に管理できるようにしておきましょう。

クレジットカード

クレジットカードは使用状況と引き落とし口座、引き落とし日の情報だけでなく、大きな使用金額も書き出しておきましょう。暗証番号などの情報も忘れずに分かるようにしておきましょう。
また、ある程度の年齢になったらカードの数を減らすことをお勧めします。
用途別に数多くのクレジットカードを使っていたとは思いますが、使う場面が少なくなってきたら3枚程度に集約するのが整理も分かりやすくて良いでしょう。

金融商品口座

自分の持っている金融商品を全て書き出して、扱っている証券会社のログイン情報などを書き出して、暗証番号も分かるようにする。

生命保険

同様に加入している保険の一覧も重要な情報です。相続財産にも関わってきますので、正確に整理しましょう。例えばクレジットカードの付帯した無料の保険などの情報も全て網羅しておくことが重要です。
生命保険
傷害保険
介護保険
その他にも「保険」と名の付くものはピックアップして整理しておくことをお勧めします。

ここに挙げたものは特別に知恵を巡らせる必要のない単なる情報です。
しかしながら、残された家族にとっては口座の有無そのものが貴重な情報ですから蔑ろにしないで整理しておきましょう。

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