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声優になれる!ADHD•発達障害のある私が、実際に声優になるまで。

こんにちは。
ADHDで声優のきままと申します。

私は小規模の声優事務所に所属し、
年に数回ほど作品に出演している声優です。

「ADHDだけど、声優になれるの?」
というお悩みを抱えている方のためにこの記事を書いていこうと思います。

結論を言うと、
ADHDでも声優になれます。

「本当なの?
ADHDの声優なんて聞いたことないよ!」

と思ってる方はいるかもしれません。

これに対して、
『公表してないだけで、いっぱいいる』
と、私は思っています。

今回は、ADHDで声優の私が、

  • どうやって声優になったのか

  • 気をつけないといけないこと

  • なぜADHDの声優が少ないのか

ということについてお伝えしていきます。


どうやって声優になったのか

どうやって声優になったのかというと
社会人→声優養成所→声優事務所へ

という流れです。詳しくお話していきます。

社会人時代

私は大学生のとき、どこにも内定を貰わずに卒業しました。

そして、卒業した2ヶ月後に、誰でも内定が貰えるようなところへ就職しました。正社員かと思ったのですが、派遣でブラックでした。

病んだので心療内科に行ってみたら、適応障害だと診断されたので、辞めることにしました。

その後、「自分が本当に興味が持てるような仕事でなければ続かない。
やりたいことをやりたい!」と思うように。

小さい頃から親に反対され続けた、『声優』を目指すことになりました。

私はアニメに出演したかったので、
「アニメに強い事務所に所属したい!」
と思いました。

アニメに強いところは、大手事務所ばかりだったので、大手事務所が経営する養成所に通うことにしました。

養成所時代

養成所はとても厳しかったです。
(ちゃんとした養成所ならどこも厳しいですが)

特に厳しかったのが、遅刻です。
この業界では、
遅刻=死
だったのです。

私は「とにかく、遅刻だけはしないでおこう!」と思い、授業がはじまる30分前には養成所の近くのカフェにいるように気をつけていました。

ところが…

気をつけていたのに、遅刻をしてしまったんです。
なぜ遅刻したのかというと、その日授業があることを忘れていたのです。

その日は、普段授業が入らない土曜日でした。

授業が無いと思って私がアルバイト先に行くと、上司に「今日シフト入ってないよ?」と言われ、家に帰ることに。

「おかしいな…。ま、まさか…」と思い、
学校が配布している分かりにく〜い予定表をチェックしていると…

「今日授業あった!」と、なんとか気づくことができ、授業開始の5分後に着くことができました。(しっかり遅刻してる…笑)

養成所の職員の方に、すごい形相で怒られて、「なんてことをしてしまったんだ〜」と、
落ち込みながら、その後の授業に参加することに。

それ以降、声優関係のスケジュールは、

『何があっても聞き漏らさない、
すぐメモする、
声優関係のスケジュールは、なによりも最優先する』

という考えが、自分の中に生まれ、遅刻はしないようになりました。

その後、某声優事務所の試験を受けたのですが、
結果は不合格。

ですが、ご縁があり、他の声優事務所に所属できることになりました。

事務所時代(いまココ!)

月に数回ほど仕事をいただけています。数回なので、もちろんそれだけでは生活できません。

月謝(事務所に収める所属料のようなもの。事務所によって無いところもあります)も払わなければならないので、お金が必要です。

ADHDのせいなのか、私個人のせいなのか分からないのですが、アルバイトが本当に続きません。

アルバイトを始める→やりたくなくなり病んでしまう→無職になる、を繰り返していくうちに、「何をやってもダメなんだ、生きている意味あるのかな?」と落ち込んでしまいます。

正直、これが一番辛いです。

ですが、声優以外にやりたいことがない、という理由だけで何とか生きています。

事務所の中には、私より仕事をしている後輩や、私以上に仕事がない先輩もいます。

私は夢ではなく、現実をみることにして、
「声優を続ける」ということを目標にしています。

気をつけないといけないこと

声優になってから、絶対に気をつけよう!と心がけていることがあります。それは…

・遅刻
・忘れ物
・報告・連絡・相談
・音響監督やクライアントに失礼な態度を取らない

です。

1、遅刻

遅刻をしないように、タイムスケジュールを逆算して、メモしておきます。

2、忘れ物

忘れ物をしないように、前日に必要なものをメモにリスト化して、バッグにつめておけばOK!

3、報告・連絡・相談

声優関係で事務所に報告すべきことは、何よりも優先するようにしています。(他のことは後回しをしてもいいけど、これだけは!と心に誓う

4、音響監督やクライアントに失礼な態度を取らない

どんな職業でもそうかもしれませんが、「いい人」と一緒に仕事したいですよね。人間性があまりよくないと、いくら実力があっても評価されないことがありすので、基本的なところはおさえておきましょう。

具体的には…

①明るく、笑顔で話す
②自分の話ばかりせず、相手の話を聞く
③「また呼んでください」「なんでもやります!」と言わない
④世間話をする

です。

① 明るく、笑顔で話す

私は養成所時代に先生から「元気がない」と言われていました。事務所に入りたてのころも、先輩から同じように言われました。

「元気がないって、印象がよく無くてダメなんだ」と自覚しました。

挨拶するときの自分の声や顔をスマホで録画し、見返したりして、今では普通ぐらいになりました。

明るい方が、「こいつを育てたい、また会いたい、仕事をふってやるか」と思ってもらえるそうです。

②自分の話ばかりせず、相手の話を聞く

ADHDの特徴かもしれませんが、自分の話をする時、話があちこちにいってしまい止まらなくなることがあります。

そうなると、会話のキャッチボールができず、相手から「収録の時にこれだと困るな」と思われてしまいます。

なので、相手に興味を持って会話のキャッチボールしましょう。

③「また呼んでください」「なんでもやります!」と言わない

一見、熱量があって良いのでは?と思いますよね。私も思っていました。

しかし、音響監督やクライアントからすると
「うざい」らしいです。

「また呼びたいか、なんでもできそうか、というのは、声優のあなたが決めることではなく、キャスティング側が決めることだよね?」という感じです。

もし音響監督が、「この人の演技下手だな、次は使わないな。」と思っているときに、声優が「また呼んでください!なんでもやります!」と言われたら、「下手なくせに何を言っているのか…。」となるそうです。そう考えると、うざいと思う気持ちがわかる気がします。辛い世界です。

④世間話をする

音響監督や関係者に自分のことを覚えてもらいたい、仲良くしたい!という場合、世間話をすると良いです。

一切何も話さずに現場からいなくなる人よりも、
一緒に雑談した人の方が印象に残りやすいですよね。

特に、音響監督の多くは、声優とコミュニケーションを取りたいと思っている人が多いです。
(私の周りだけかもしれませんが…)

また、キャスティングされる時、「このキャラって、普段の〇〇さんっぽいよね」と言う理由で、オーディション対象になることもあります。

(もちろん、演技、容姿、SNSフォロワーなど、総合的な判断な時もあります。)

なので、ガンガン世間話をしましょう。

ただし、政治・宗教・プライベートすぎる内容は避けたほうがいいです。

また、相手の話を遮ったり、話があちこち飛んでしまわないように気をつけましょう。意識するだけでもだいぶ違います。

なぜADHDの声優が少ないのか

これは以下の理由だと思います。

  • 結論、少なくないし実際にいると思う

  • 公表していないだけ

  • 公表するメリットがない

  • 公表しなくても仕事はもらえる(自分次第)

当たり前のことを言いますが、健常者と発達障害の人がいて、どちらも同じような人だった場合、健常者の人を選びますよね。

なので、公表していない人がほとんどで、必然的にADHDの声優が少なく感じるだけです。

私のように隠していても仕事はもらえます。
私の場合、大人になって、自分の扱い方を理解したので仕事がもらえたのかもしれません。

まとめ

いかがでしたか?
今回は

  • どうやって声優になったのか

  • 気をつけないといけないこと

  • なぜADHDの声優が少ないのか

についてお話ししました。

ADHDの私ですが、気をつけたことはごく一般的なものばかりです。

まず、声優になるために、養成所に通ったあと声優事務所に所属しました。

気をつけたことは、遅刻や忘れ物をしない、相手に失礼な態度を取らない、などです。

この業界にいると何となく分かるのですが「この人、私と同じADHDかな?」と思う人はたくさんいますので、ADHDでお悩みの方は安心していただければと思います。

ちなみに、マルチタスクであるマイクワークに不安を感じてしまう方に伝えたいことは、正直「慣れ」です。ひたすら家で練習して、集中できる方法を自分で見つけていくのがいいと思います。

以上です。
読んでいただきありがとうございました。

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