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なぜ周りに人がいても孤独を感じるのか

5人家族に生まれても、36人のクラスを卒業しても、大学のサークルに部員が200人いても、LINEの友達の数が400を超えても、500枚発注した名刺が切れても、孤独が消えない。

その一方でうつ病をきっかけに人間を避けて小説を貪り始めると、どうにも今まで埋められなかったポッカリ穴が塞がる感触があった。

「西加奈子の本に触れているとなんでこんなに安心するんだー!」
人と会っている時より孤独感が薄れる気分になることもあり、孤独とは何かが気になった。

そしてこの本に出会う。まだ4分の1程度しか読めていないがすごく面白い。
せっかくなので自分的に興奮したポイントを抜き出しながらいくつかnoteを書けたらと思う。

まずは孤独の定義について。
この本で孤独度をチェックするときに使用しているアンケートがある。UCLA孤独感尺度というものだ。
気になる人は以下のURLからアクセスできるのでぜひ試してみてほしい。

https://www-user.yokohama-cu.ac.jp/~ycu_chn/wp/wp-content/uploads/2018/06/UCLA-LS3-j.pdf

僕が衝撃を受けたのはその質問項目で、始めはなんとなく
「週に何人と会話をしますか?」
「1日でメールをする人の数は?」
「土日で誰かと会話をする機会はありますか?」
などなど、人生で関わる人間の数を問われると思っていた。
しかし実際に問われる質問項目は

「自分は周りの人たちの中になじんでいると感じますか?」
「自分は誰とも親しくしていないと感じることはありますか」
「自分を本当に理解している人がいると感じますか」
「周りの人たちと一体感がもてないと感じることがありますか」

日本語版 UCLA 孤独感尺度(第3版)

といったように、単に関わる人数というわけではなく、人との関わりをどう感じているか、自分のことを理解してくれているかどうか、関わる人たちとの一体感の有無が問われる点だった。

なるほど!!

これには目から鱗が落ちた。通りでどれだけ多くの人間に出会おうとも孤独感がなくならないわけだ。誰かと分かり合えた感覚を持ったことが本当にないし誰と話していてもつまらない。どのグループにいても疎外感を感じていて、いのちの居場所がどこにもなくて困っている。

人間と会話する時よりも本を読んでいるときの方が孤独感が薄まることも説明できそうな気がしてきた。小説を読んでいると本と会話しているような気になり、「なんでこの主人公はこんなに僕のことを分かっているんだ!まるで僕の生まれ変わりじゃないか、この人と友達になりたい!恋人になりたい!」と思うことがよくある。

たぶんこんな感覚を人間同士でも持てる稀有で幸運な人たちがお泊まりドライブの写真をインスタにあげているのだろう。

この本を読み始めて、孤独とは関わる人間の数ではなく、その関わりの中でどう感じているかの方が重要ということがわかってきた。
自分の孤独感の正体に一歩近づくことができて嬉しい。続きを読むのが楽しみだ。

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