ポジティブと優しさ

うつ病をきっかけに、優しさについて考え直してみる事にした。
最初の経緯はここに。

初回はポジティブについて考えたかった。
ポジティブとネガティブ。おそらく半々くらいどちらもいるはずなのにネガティブを下に見る傾向があること感じている。
そし僕の違和感は、部活や会社など、組織の中で必ずと言っていいほどポジティブな発言を促す人間がいること。どうにかならないだろうか。

自分の会社もそうだった。退職者が連続し数ヶ月で仕事量が倍増しているという中だったが、仕事を振られても「なんとか頑張ってみます!」と若手らしく返していた。それでも、
「聖矢、頑張るんじゃない。楽しむんだ!」これが上司の口癖だった。

毎日毎日言質をとるように、ネガティブな発言が出るたびにポジティブ変換させられることに段々と僕の心は疲弊し、ある日ついに上司に聞いてみた。
「いつもポジティブ強要してきますけどあれなんなんですか?」と。

そして上司の言う事には、
①言霊的な価値。プラスの発言は状況を好転させる。
②ネガティブな発言は組織の士気を下げる。
これらが理由らしい。加えて
「だって俺みたいな人がこうやって辛い状況でも笑っているだけでなんとなく士気が上がるのはお前も感じているだろ?」とのことだった。
これに対して僕に許されている発言は「確かにそうですね。」
しか残されていないので上司にはマイナス1ポイントを処す。

上司のポジティブ推奨の理由は別に否定するものでもなかった。
言霊があるのかはわからないけどそれを信じている人がいても別にいいし、
ネガティブな発言で嫌な気持ちになる人がいることがいるのもわかる。

しかしだ、ネガティブ発言者としての言い分もある。
心の実態”と”口から出る言葉”の距離=心理的ダメージと言う方程式だ。
例えば心では本当に仕事が辛いと感じているとする。
もちろん口では「まだまだ元気です!仕事楽しいです!」と言うことはできる。これが心と言葉の距離が離れている状態だ。これが自分にとってはかなりしんどい。

なので、上司の言い分もわかるのだが、
ポジティブな人はポジティブな声掛けで組織を活性。
・ネガティブな人は士気を下げないように静かにしておく。
このくらいで妥協し合うのはどうだろう。僕はこれがポジティブな人とネガティブな人が同じ組織内で活動する際の納得解ではないかと感じている。

最後に、一番重要な問題点について。
ポジティブハラスメントする人たちってポジティブな人ではなくて、根はネガティブだけど頑張ってポジティブに振る舞ってる人なのではないか問題。
僕はこれが厄介だと思う。ネガティブな人が「ポジティブに振る舞うべきだ!」みたいな感じで頑張っているとネガティブなまま生きようとしている人が鼻につくのではないかという。日常に溢れる「私は我慢しているのに何であなたは我慢しないの!」と言う怒りのポジティブネガティブ版だ。

実際に僕の上司も気を抜くと普通に「あぁ〜、もう無理だ、、。」とか普通に言っていた。そのあと大きめの声で「まぁまだまだ楽勝だけどなー!」とポジティブでネガティブをコーティングしようとしていた。

だから、ネガティブだけどポジティブに振る舞っている人へ。
もういいんじゃないだろうか。もちろんそのまま頑張ってもらってもいいと思うけど、誰かのネガティブを許せなくなるようなポジティブは却ってあなたにストレスを招いているように見える。あなたがネガティブな人だとしても嫌いになることもない。ネガティブなことは聞きたくないと言う人の前では少し気を遣えばいいだけだと思う。それにネガティブが本当に悪いものなのかもわからない。僕としてはむしろチームのみんなで辛い感情を分かち合う時間もとっても好きだし、辛い時間を共有していた人は後になっても信頼できることが多い。もっとみんなでネガティブを楽しもう。そうすれば人に対して少し優しくなれる瞬間が増えるのではないだろうか。


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