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冷静にチャレンジと向き合って自分を成長させる

前回の記事では「「危機回避の習性」を自覚すると行動を変えることができる」というお話をしました。そして最後に「次回は、冷静に行動を選択することを支援するツールをご紹介したいと思います」と締めました。危機回避の習性を自覚しているだけでも以前より冷静になれると思いますが、ツールという実践法を使うと取り組みやすくなると思いますのでぜひご活用ください。

ではさっそくツールの話をしたいと思います。皆さんにとって不安や恐怖心を感じるようなチャレンジなことを目の前にしたときに、「成功したときに得られること」「上手く行かなかったときに失うこと」「結果に関わらず得られること、成長につながること」を次の図のシートに書いてみる、それが今回紹介するツールになります。

1-5_チャレンジで得られること・失うこと

未来の話ですので確実なことだけ書こうとすると難しいと思いますので、「〇〇かも」と可能性があることも書いてみてください。

具体例があった方が分かりやすいと思いますので、私自身がスクー授業への登壇の話を初めて頂いた時のことを例として紹介します。

1-5_チャレンジで得られること・失うこと(例)

頭の中にあることを整理して書き出してみること、そしてそれを客観的に見ることがとても大事です。それによって冷静になることができ、欲しい未来をイメージしながら目の前のチャレンジを分析できるようになります。

「成功したときに得られること」と「上手く行かなかったときに失うこと」を書くことでチャレンジするか否かを冷静に考えることができます。前回の記事でも書いた通り人は危機回避のスペシャリストなのでネガティブな結果を強くイメージしがちですが、書くことで「あれ? 上手く行かなくても失うことって思っていたより大したことないや」と感じることがよくあります。さらに「結果に関わらず得られること、成長につながること」を書いてください。前々回の記事に書いた通り失敗と上手に付き合うことが人を成長させます。例え上手く行かなくてもチャレンジすることで成長につながることは多くあります。これを書くことでチャレンジするか否か多角的に検討できると思います。

また書くことで、対策をしっかり立てれば失敗の可能性を大きく減らせることに気づくこともあります。このシートには無いですが考えられる対策を書き出すこともお勧めします。私自身が初めてスクー授業に登壇したときは、日本ポジティブ心理学協会の理事の1人に作成したスライドの事前チェックをお願いしました。また緊張した状態でもしっかり話ができるように嫁さんに付き合ってもらって通し練習を6回も行いました。

さて、ペンシルベニア大学ウォートン校のアダム・グラント教授が著書『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』で次の研究結果を書いています。
長期的に見て私たちが後悔するのは、「行動を起こしたうえでの失敗」ではなく、「行動を起こさなかったための失敗」であると。

どんなに高い壁でもチャレンジすべきとは私は考えていません。ただし人は不安や恐怖心に圧倒されて乗り越えられる壁でも避けてしまうことがあります。大切なのは不安や恐怖心といったネガティブな感情に圧倒されずに冷静に分析して、欲しい未来に近づくための行動を選択することです。後悔しないように、自分を成長させることができるチャレンジを積極的に積み重ねていきたい、私自身はそう思います。
皆さんはいかがでしょうか?

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