育成年代の夏休みの過ごし方と、身長成長量の関係性。
今回も自チーム選手のデータを元にした考察を書いていこうと思います。
いわきFCのアカデミーでは夏休み期間は活動をOFFにしています。
目的としてはおおまかにこちら。
・成長量を最大化すること
・家族や友人と過ごす時間を大切にすること
・心身ともにリフレッシュすること
それぞれについて触れていきます。
食べたエネルギーは何に使われるのか。
動物は食べることによってエネルギーを蓄え、そのエネルギーを利用して活動したり成長したりしています。エネルギーというのは基本的には食事からしか得ることができません。
ではこのエネルギーが運動スポーツばかりに使われるとしたら、発育するためのエネルギーはどうなるのでしょうか。
ご想像の通り発育用のエネルギーは不足します。
そういった状況になってしまうと、
思うように身長が伸びなかったりするのです。
下記は約1年間の成長量のデータです。
年代としては中学1年生と2年生です。どちらも15人程度の参考人数です。
※平日の練習は負荷管理を目的に、練習前後で身長を測定しています。
【表作成の際に考慮したこと】
・入団時期やカテゴリーごとに活動が異なるため測定期間が異なる。
・夏休み期間が2カテゴリーとも28日(約1ヶ月)だったため、
そこに合わせて比較対象とした。
【注意事項】
これらのデータももちろん個人差があるので、
実際のところ全く伸びていない選手もいれば、
1センチ以上伸びている選手もおります。
【測定環境につきまして】
測定は選手自身で実施しており、誤差は0ではないと思われます。
測定時間/場所につきましては、練習前のクラブハウスで統一しているので
影響は少ないかと思います。
見ていただきたいのは赤字のところです。全て28日あたりの数値です。
そもそも単位が小さいのと、参考となる数が少ないのですが
活動をしていなかった期間の方が成長量が高くなっています。
特にU13の方は顕著で、0.1cm以上差が出る結果となっています。
これはエネルギーが発育用に利用されたとして考えられます。
活動期間中も気をつけてることなのですが、
やたらむやみに追い込むということはしないようにしています。
大会の運営上やむを得ない場合など理解しておりますが、
なるべくなら土日の連戦を避けたいですし、
1日あたりの試合出場時間も考慮しています。
成長に欠かせないテストステロンとは。
僕もこのようなことを考えたことがあります。
食事の量を増やして、体内に取り込むエネルギー量を増やせば活動や成長にも必要な分のエネルギーを賄えるのではと。
難しい話なので割愛しますが、テストステロンというホルモンが成長に大きく関与しています。結論からいうと偏った食事や「食べ過ぎ」は結果的に成長ホルモンの分泌を低下させてしまいます。
※気になる方は下記のリンクから。
大切なことは、
・バランスの良い食事
・適度な運動
・良質な睡眠
です。
なので僕らは夏休みは活動自体はOFFなのですが、
任意で集まって朝から宿題を一緒にやったり、
グラウンド解放して体を動かしたり(サッカー以外の遊び)
プール行ったり。笑
人生はサッカーだけではないし、サッカー以外から学ぶことの方がたくさんあります。家族と旅行することや友達と遊ぶことは生活していくなかで重要なことだと捉えているため、むしろ推奨しています。
余談になりますが、、
約1ヶ月間サッカーをせず大丈夫なのかという話が保護者の方からも最初はありました。
ですが肌感覚的には、下手になったということはないですし、
1ヶ月サッカーをしなかったことによるおかげか、休み明けのトレーニングは誰もがエネルギッシュに取り組みます。
サッカーにおいてもポジティブな変化が起きていると感じています。何事もメリハリです。
最後に。
リーグ戦や大会の日程もあり、夏休みを1ヶ月取ることは正直なかなか簡単ではありません。コンディションのことを考慮すると、公式戦の2週間くらい前には練習を再開したりなど、休み明けにいきなり試合ということは僕らも避けるように考えています。
また大会の大小にもよりますが、このような理由で活動をOFFにするため、公式戦の日程を考慮していただける運営側の理解も正直かなり助かっています。
夏休み期間のフェスティバルに参加することによって普段試合できない対戦相手や宿舎等での共同生活から得られるものがあることも理解しています。
ですので何が正解かというのもありませんし、あくまで参考程度までに。
大事にすべきは目的で、子どもたちに何を獲得してもらいたいか。
その軸が定まっているなかで、試行錯誤していくことを続けていければと思います。
特に今はコロナウイルスの影響もあり、チームでサッカーができていません。
夏休みにどうなっているかもわかりませんが、形式的にするのではなく、その状況において何をすることが良いのか最適解を探し続けることが良いのかと思います。
何においても、起点は子どもの成長から考え始めることは変わらない軸です。
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