見出し画像

高卒Jリーガー内定者数にみる誕生月の傾向を見て思うことを。

こういったのがあったのでまとめてみました。

※幼少期を日本で過ごしてなさそうと推測される選手および、高校1年生や2年生からの飛び級は除外しました。

画像1

ちなみにこっちは2019年版になります。

画像2

参考となる母数が少ないのですが、四半期で分けた際の1月〜3月(いわゆる早生まれ)が誕生月に該当する選手の割合が低いです。次いで10月〜12月生まれの選手が続きます。こういった結果は前々から言われていたことなので気になって調べてみたらやっぱりそうなんだなと改めて思いました。

年度初めに生まれると才能に恵まれていて、1月〜3月生まれだとそうじゃないなんてことは、一般的に考えて起こりにくいですよね。
そもそも出生数に月毎の偏りがあるのか調べてみました。

画像3

ほんの少しだけ年度末に向けて下がっている傾向にありますが、ほぼ一直線です。ではなぜこういった現象が起こり得るのでしょうか。

暦年齢による差。

暦年齢:生まれた日を起点として、こよみの上で数えた年齢。満年齢と数え年がある。生活年齢。
暦年齢(れきねんれい)とは - コトバンク

現在の社会システムだと、ほとんどが学年という括りで縛られます。学年には4月生まれも3月生まれも当然のように存在します。その差は当たり前ですが約1年になります。特に子どもにおける1年の体格差はかなり大きいですね。
※早熟や晩熟、才能といった考えはここでは一旦置いておきます。

スポーツ(サッカー)において、体の大きさや力強さというのはパフォーマンスに与える影響が大きいのはご承知のことだと思います。となると同じ学年内において4月生まれと3月生まれではどちらがより高いパフォーマンスを発揮しやすいのか。


スポーツとは本来楽しいものです。ですが、常に暦年齢による体格差を背負いプレーし、そのほとんどで同学年の相手にパフォーマンスで劣った場合、子どもはそのスポーツにどういった感情を抱くのでしょうか。それでも楽しむことができる子。違うスポーツに行ってしまう子。スポーツを辞めてしまう子。

これはあくまで例えなので、全てが暦年齢通りにはならないですし、才能も子どもによって様々ですし、体格差で劣るが故に工夫してプレーするようになるスーパーな子も生まれるかもしれません。

では、ここでさらにもう1つデータを引っ張ってきます。

画像4

これは弊社の中学生チームにおけるコンバイン(サッカーの入団セレクション)申込み者数を誕生月別にわけたものです。つまり小学6年生の数字です。
4年分の総数をグラフ化しており、年度ごとに申込み数は異なるので、その年度における割合をもとに算出しています。

繰り返しますが、これは申込み者数です。まだ合格にしたわけでもないですし、不合格にしたわけでもないです。弊社としては何も手を加えてない状態です。

四半期別に見ると1月〜3月生まれの割合がやはり低いです。Jリーグの内定者数と同様の傾向になっています。おそらくこれは、数百人が申込みをする都心のJクラブのセレクション等でも同様のことが起きているはずです。

つまりどういった理由にせよ、同学年において暦年齢が低ければ低いほど、サッカーというスポーツから離れる可能性が高いと推測されます。別のスポーツに転向するのはまだ良いと思います。でもスポーツそのものをやめてしまったら、それはスポーツ(サッカー)界からしたら普及、育成、強化等の面でもかなり大きな損失なのでは。

誕生月によって才能に差が生まれるなんてことはないはずなのに。。
ましてやサッカー界は2014年をピークに登録者数が下がってきています。

画像5

日本の総人口の減少により、今後は競技者数が減っていくことが予想されますが、そのなかで、普及、育成、強化をしてくのであれば、才能があったにも関わらず埋もれてしまった子たちを救済できるシステムができないと厳しいのだろうなと思います。

生物学的年齢での分け方。

身体の成熟度がどのくらいかを診断し、割り出された年齢のことです。
同じ小3なのに、身体の成熟年齢5歳と11歳の子がいる? 「うちの子小さくて」の前に知っておきたい生物学年齢とは

それがこの生物学的年齢という考え。そもそも仮に同じ日に産まれたとしても個人差があるのが当たり前な育成年代において、産まれてからの時間で括るのではなく、同じような身体形態の子どもたちでわける。そこには、学年が上の子もいれば下の子もいます。でも同じような体格であれば、パフォーマンスに与える影響は少なくなります。

つまり、成功と失敗の体験バランスがほどよく調整されるということです。
日本の社会システムが学年で括っているため、制限は大きいのですが弊社では上記の考えをもとに、身長別によるサッカーフェステバルを実施したり、

日々のトレーニングでもグループ分けに採用しています。

同じような身体形態やパフォーマンス(50m走)でわけることによって適したカテゴリーでプレーする機会を創出することを目指しています。

こういった活動で種まきしていくことによって、例えばコンバインの申込み割合いが月ごとに均等になるようにしたいですし、選手の流動生があがり頻繁に移籍ができるようになることであったり、その結果として選手が適したレベルで適したプレー機会を得られるようになることが理想なんだなと思います。

そのために今できることは、そういった考えを広めていくことです。
いわきサッカー協会とも協力し、指導者講習会も実施しています。

他競技の方も参加していただいたりと、少しずつでも広げていければと思いますので気になる方はぜひ。

万人に通用する育成プログラムなんてものはなくて、個別にみていかなきゃいけないので、各地域単位で協力して普及、育成、強化していかなきゃいけないのだと思います。

そんなことが書かれたアカデミーの育成システムがこちら。

いわきFCアカデミーシステム

いわき市からもっと優れたアスリートを輩出したいですし、そうして日本全体の競技レベルがあがっていくことが、スポーツの発展につながるようにしていきたいですね。

いただいたサポートは選手の育成/発展のために使わせていただきます。 こちら↓はいわきFCのファンクラブ会員募集ページです。 こちらもお願いします。 https://iwakifc.com/fanclub/?cid=slider_20funclub_20200130