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保険診療では腰痛が改善できないワケ
原因とは「ある事象を引き起こす“もと”」のことです。
腰痛の原因といえば、
「姿勢が悪い」
「カラダが硬い」
「筋力不足」
「運動不足」
がよく挙げられます。
それぞれ一理はあるでしょうが、すべて「過程」です。まだまだ原因ではありません。
その証拠に、多くの腰痛は、繰り返されます。
原因が「在る」から、これまでもこれからも、その痛みは繰り返されるのです。
交通事故が起きた。これは結果。なぜ起きた?危険運転をしていたから。車の整備不良があったから。これは原因、ではなく過程。
交通事故(結果)
なぜ?⬇︎
危険運転(原因)
なぜ?⬇︎
焦り・判断力の低下(原因の原因)
なぜ?⬇︎
寝坊・寝不足(原因の原因の原因)
なぜ?⬇︎
昨晩の、もしくは習慣的な深酒(原因の原因の原因の原因)
なぜ?⬇︎
慢性的なストレス(原因の原因の原因の原因の原因)
なぜ?⬇︎
家庭・健康・経済・職場・男女問題(原因の原因の原因の原因の原因の原因)
なぜ?⬇︎
:
原因は簡単には見えません。
なぜ?を何度も何度も何度も何度も繰り返した先に、ようやく少しずつみえてきます。単純に、この作業、出来ていませんよね?だから治りません。何件通っても何年治療しても。
あなたが「対症療法」を求めるなら、痛み止めを飲めば良いし、マッサージや整体を受ければ良いでしょう。効かなければブロック注射を打てば良いし、それでもダメなら手術という手もありますね。
幸い日本医療は“ごまかし”に特化しています。医者も患者も誰も彼も“先送り”が好きです。ごまかせばいいんですよ。予後は悪いでしょうが。
そうではなくて、その場しのぎではなくて、根治‥つまり痛みをコントロールできる状態を目指すのならば原因の検査・検証による“もと”の究明が必要です。
MRIをとった。背骨が曲がっていた。ヘルニアが見つかった。で?だからなに?という話です。ヘルニア=腰痛?飛躍しすぎでしょう。
ヘルニアだろうが、背骨が物凄く曲がっていようが、100歳だろうが、痛みを感じない人はざらにいます。筋力不足で腰痛が起きていたら赤ん坊はどうなってしまうのでしょうか?
痛みと「年齢」「筋力」「診断(ヘルニア・脊柱管狭窄症・すべり症など)」は、必ずしも結びつくことではありません。
“診断”も考えものです。一般の方にとって診断は有益なアセスメントではなく「諦める理由」や「ほかの原因に目を向ける妨げ」になり、結果的に「改善を遠ざける因子」になるのではないかとすら思います。
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![](https://assets.st-note.com/img/1688702848008-9y30W1vTJV.jpg?width=1200)
-腰痛診療ガイドライン2019 改訂第2版より
僕の尊敬する先生は【検査8割、治療2割】とよく言います。
重要なのは、治療や施術ではありません。
「検査」や「問診」といわれるタイミングで行われるべき「原因の深堀り」です。むしろ最初に結果は決まります。ここが浅いんですよ。基本的に。
当院のお客様は「これまでの治療は、受けた手術は、一体なんだったんだろう」「人生が変わった」などと仰りますが、施術はたいそうなことはしていません。
運動学や解剖学の素養がないお客様からも「わかりやすい」と言って頂けてご自身でも再現できるレベルのことを行なっています。
実際、一度の施術で行う事は多くて2〜3個です。それを持ち帰ってもらって次までやってきてもらうだけです。
削ぎ落して、とにかく“わかりやすさ”を追求しています。
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原因や良くなる理由などを本人がわからなければ、身にはならない(再発を防げるようにならない)からです。
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原因を理解できるからこそ、向かうべき方向がわかるからこそ、頑張れるし、結果的に治るからです。
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保険診療は構造上、効率的に大量の患者を“回す”事が優先されます。
この前提を、受ける側もしっかりと認識しておく事は大切です。
ドクターはカラダに触れずPC画面をみながら原因を説明し、全員に「筋トレしましょう」と言うでしょうし、療法士は日毎に異なるスタッフが担当し、みんな少しずつ違うことを言うでしょう。
一通り説明や治療を受けて、結局なにをどうすれば良いか分からずに終わります。
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僕も、当院へお越しの方も、この既得権にまみれた歪な構造に組み込まれることを否定しています。不毛なイタチごっこは、もうお腹いっぱいなんですよ。
受け手にとって「治療の選択」が難しいのは間違いないでしょうが
“治らない治療”を受けた結果、治らないことに悩むひとが減ることを願うばかりです。
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