うちの犬の認知症問題を考える
すべての愛犬に訪れる「老い」にどう備えるか。
17歳の超高齢犬・未来(柴犬・メス)との“ますます愛しくなる介護”をユーモラスにつづったエッセイ。
愛犬がいる方は必読です!
※発売日はAmazonなどのWEB書店に準じます。
<5月22日発売>
『うちの犬が認知症になりまして 』
著:今西乃子
1冊の壮大な物語を読んだかのような、そんな読後感とでも言えばいいのでしょうか。
語り口こそ軽快で読みやすいのに、老いること、共に生きること、そして命について、深く考えずにはいられなくなります。
一方で、それはそれは幸せな安堵の気持ちで満たされます。
この本の主人公は動物愛護センターから引き取った柴犬の未来、17歳。生後2ヵ月(推定)の収容当時、右目負傷、右後ろ脚の足首から下が切断、左後ろ脚も指から先が切られていてありませんでした。傷の状態から虐待だと想定されています。
犬の寿命が14年といわれている中で、障がいがありながらもすこぶる健康に迎えた15歳。ですが、やはり未来にも老いの兆しが。
16歳を過ぎたころから、今までできたことができなくなり、介助が必要となり、認知機能が衰え、徘徊や夜泣きが始まるように。
17歳を過ぎると介助ではなく「介護」が必要に。
たとえ主人公が老犬とその飼い主であったとしても、誰もが逃れられない「老い」がテーマになっているからこそ、これまでの人生やこれからに思いを馳せてしまうのかもしれません。
そもそも、私には犬を飼う経験も、介護をして誰かを見送ったという経験もありません。それでも、胸に迫るものがあります。
犬を飼っている方、介護まっただ中の方からすれば、どれほど共感し、参考になる情報だろうと思います。
とはいえ、過酷な介護の現状を描きつつも、この本には未来への愛と感謝に溢れています。
わんこ大好きなマンガ家・あたちたちさんの描き下ろし4コママンガも掲載されています。ぜひ読んでみてくださいね。