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朝ごとに髪を百くしけずらなば目も明らかに気血めぐらん - 養生やまと歌 025

櫛による頭皮の刺激は、さまざまな養生書に見られ、「気血の通りをよくする」「毛根を堅くする」「頭痛予防」などの効果があると考えられています※1。湿気が多く頭が重くどんよりしやすい今の季節にもよいですよ。使用する櫛(くし)のタイプや、やり方は以下の通りです。

【時間】
歌の中では朝にブラッシングするとなっていますが、あまりこだわる必要はありません。『達生録』という明代の養生書には「凡そ夜臥すとき髪を披(ひら)きて梳(くしけず)ること百通すれば、平日頭風少なし」と記載され、頭痛などの予防のために就寝前にやるとあります。僕も夜にすることが多いです。

【くしについて】
つげの櫛などの、木製のもので、目が荒く先端が丸みを帯びているものを使いましょう。頭皮を傷めないように、とがっている櫛でしないようご注意を。参考までに僕の愛用の櫛の画像もあげておきます。

画像1

【櫛を寝かせてブラッシングする】
ブラッシングの際は、刺激をソフトにするために、櫛を突き立てるようにせず、頭皮に対して45度以下の角度で寝かせ、軽く行います。角度が垂直に近いほど強刺激になると考えてください。

【回数や場所】
回数は合計100回とありますが、50回程度でも十分な気がします。場所は頭皮全体をまんべんなくです。頭に数本の線をイメージして順番に行ってもよいでしょう。


※1『医心方』巻二十七、養形(半井家本)には様々な養生書の櫛による頭皮刺激の効果などが引用されている。

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養生やまと歌とは
和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。

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養生やまと歌凡例
凡例や参考文献は第一首目の下部に掲載されておりますので、以下のリンク先からご覧ください。
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