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養生やまと歌 - 江戸の養生書を読む 03

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和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。
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#頭痛

聤耳にみみもつぶれつ蝉も鳴き音の失れるは聴会の穴 - 養生やまと歌087

‪耳鳴りや耳閉感などの、耳の症状の治療によく使います。指圧刺激ですとそこまで効きがよくないですが、軽めの症状でしたら対処できるでしょう。‬⠀ ⠀ ‪片頭痛の応急処置的なツボとしてもオススメです。‬⠀ ⠀ ‪なお、聴会のみ押すよりも、以前紹介した中渚とセットで刺激するとより効果的。以下中渚の場所と押し方です…⠀⠀ ‪【耳の症状・片頭痛に】‬⠀ ‪押す順序も重要で、先に聴会を押し、その後に中渚を押します。押し方は以下のようにします。‬⠀ ⠀ ‪押す順序:聴会→中渚‬⠀ ⠀ ‪1

はじかみは傷寒頭痛からえづき鼻ふさがりて息の臭きに - 養生やまと歌 053

ショウガは風邪で頭痛がしたり、鼻がつまったりする時や、吐き気止めに用いられます。 体を温めるために、毎日大量に摂る方もいらっしゃるようですが、次のような歌もあるので、過剰摂取は控えましょう。 生姜は上気をば去り過食して智恵をへらして気を破る也(『宜禁本草集要歌』) どんな食材も適量が大事です。 ******* 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書、経穴書から、養生のキホンが学べる100首を厳選し、イラストを付けてご紹介していきます。 Twitter と

首うなじ引つりすくみまわりかね腰せな痛風池成けり - 養生やまと歌 051

風池は首の不調や頭痛だけでなく、眼や鼻にもよいツボです。押し方にちょっとコツが必要なので、イラストをご参考にどうぞ。⠀ 【押し方のコツ】⠀ 首をまっすぐにしたまま押すと、奥に潜んだコリに届きづらいので、首をやや傾け、風池付近の皮膚をつっぱらせます。こうすることで、浅めの刺激でもコリに届き、効果的な刺激ができます。⠀ ⠀ 寝る前にすると、朝起きたときの首や眼の疲れが全然違ってきますので、ぜひお試しください。⠀ ******* 養生やまと歌とは 和歌形式の養生書、食物本草書

酒過し頭痛んで裂くごとくまたは鼻血も出ば顖会 - 養生やまと歌 033

顖会(しんえ)は、頭痛だけでなく、顔が腫れぼったい時や、鼻がつまる時にもオススメです。また、集中力が落ちている時に押すと、瞬間的に頭がスッキリしたりします。 以下押し方です。 【 顖会の押し方 】 1.一点を垂直に押す。グリグリこねるように押さない。 2.押し込んだたまま5秒保持して、指の力をゆっくり緩める。1箇所につき5回から10回を限度に押す。 また、のぼせ傾向のある方は、次も追加で行ってください。 【のぼせやすい方は曲池や三里も刺激 】 のぼせ傾向のある方は、顖

茶こそただ少し冷えもの小便を通じて眠りさますものなり - 養生やまと歌 026

お茶には利尿作用があり、眠気覚ましによいというのは、誰もがご存じのことですね。他に「頭痛の薬」とも歌われ、昔の人がカフェインの作用を、すでに明確に知っていたことに驚かされます。 こういった古人の知恵の集積が本草学なわけで、現代人も有効に活用したいところです。古典はだいじ。 ちなみに、お茶を「頭痛の薬」とする歌は、『和歌食物本草』にあります。オマケで以下にご紹介します。 「茶こそただ 白痢(なめ)赤腹を止むるなり 頭痛の薬 熱さますもの」 ******* 養生やまと歌

朝ごとに髪を百くしけずらなば目も明らかに気血めぐらん - 養生やまと歌 025

櫛による頭皮の刺激は、さまざまな養生書に見られ、「気血の通りをよくする」「毛根を堅くする」「頭痛予防」などの効果があると考えられています※1。湿気が多く頭が重くどんよりしやすい今の季節にもよいですよ。使用する櫛(くし)のタイプや、やり方は以下の通りです。 【時間】 歌の中では朝にブラッシングするとなっていますが、あまりこだわる必要はありません。『達生録』という明代の養生書には「凡そ夜臥すとき髪を披(ひら)きて梳(くしけず)ること百通すれば、平日頭風少なし」と記載され、頭痛な