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学生寮に全てを変えられた話

寮に住むのは不安でいっぱいだった。初めての日本かつ初めての共同生活。この3年を終えて自分は心身共に大きく変化してたと思う。

結論から言うと、寮に住むのは大変おすすめです。
理由は沢山ありますが
1)設備が充実してる
2)様々な文化の人と出会う
3)生活に役立つスキルを身につけることができる

などなど数えきれないぐらいです。
そんな寮生活で特に印象深かったエピソードを何個か紹介します❗️❗️

1)ゼロから始めるラーメン制作

夏休みの期間、余暇を持て余した寮生は突発的に次郎ラーメンを作ろうとすることがある。
なぜかあった製麺機の助けもあり、先輩2人と白紙の状態からラーメンを作る決意をした。
灼熱の7月にチャリを漕ぎ続け、ラーメンに必要な、打ち粉、背脂、どんぶりなどを買い込んだ。
午後には調理に取り掛かり、豚ガラからダシを取り、煮卵やチャーシューを仕込み、麺も自分たちで打った。
先輩はなぜか途中からリゾットを作り始めた。

戦いは深夜まで続き、疲弊した我々は、面を先に寝かせるか、我々が先に寝るかのディスカッションを始め、決着がつく前にみんな寝ていた。
48時間をかけてなんやかんやラーメンが完成し、作り終えた頃には食欲も失せていた。
だが、一口食べてみるとその味は涙が出るほどの美味しさだった。引き締まった腰のあるちぢれ麺と、味の染みたチャーシュー。黄金色を包んだ味玉にインパクトのあるニンニクと背脂。正直全てが完璧だった。
努力の結晶に味があるとしたらこんな味なのかなと思った。
そんな体験だった。

人生を賭けたラーメン

2)流れない大便事件

朦朧としたまま目を覚まし、尿意を我慢できずふらつきながらトイレへと向かった朝のこと。
便器を覗くとそこには信じられないものがあった。
大きさが掘り立てのタケノコほどある大便が中央で鎮座していたのだ。このサイズを目の当たりにするのは初めだったので、衝撃で目が覚めてしまったが、
自分も流し忘れることがあったため、ここは見なかったことにして、そっと流すことにした。
ザザーっと水が流れる音がしたのはいいものの。
なぜか逆らうように、大便が堂々と残ったのだ。
「うそ。。だろ」
何度かトライするが、カピカピとなってしまった大便は巨大な山のように動くことをやめていた。
自分1人では解決できないため、忍びないが、
「どうしよう、、大便が」
と訳の分からない理由でルームメイトの先輩を起こし、一緒に見物しに行った。
「プハッ」と現物を目撃した先輩も吹き出してしまい、寮のグループラインに「犯人は掃除をするように」と警告をした。なんと数時間後には綺麗さっぱり無くなっており、大便事件は無事終わりを告げた。
かと思いきやその夜、先輩が
「なんであの便器にトイレットペーパーが入ってなかったんだろうね」と聞いてきた。
確かにそうだった。便器にはなぜか大便のみがソロデビューしており、名脇役のトイレットペーパーが捨てられていなかったのだ。
これ以上考えるのは怖かったので、とりあえずその日以降トイレに行くと必ず自分が流したか3回は確認するようになった。

3)多様性の暴力

多様性というのは時々予測不能な化学反応を起こすことがある。それを知るために寮に入ったのかもしれない。
とある夏終わりの飲み会。新学期が始まるので、数人メンバーが入れ替わることになり、キックアウトという送別会を企画した。

楽しそうなジンバブエの友人


序盤は焼き鳥を食べ、お酒をちびちび飲んでいたが、徐々にヒートアップし始め、自称ゲイの先輩が「私パリコレモデルなの」と言い放ち、廊下をランウェイと見立て、裸でモデルウォークを披露しはじめたのだ。
同時にジンバブエ出身の友達がいい感じに酔い始め、「Ni**as in Paris」というカニエのラップ曲を熱唱し始めた。正直情報量が溢れすぎていて自分は笑い転げて床にのたうち回るしかなかった。
だが、まさかこの後、この2人が世紀の衝突を起こすとは予想もしなかった。

ジンバブエの友人がゲイ先輩のことをゲイだと知らなかったらしく、本気で彼に向かって
「Why are you gay (君はなぜゲイなんだい)」と問いかけた。
そしたら先輩は
「Why are you Ni**a (君はなぜ○ガーなんだい)」と聞き返した。
その後のことはよく覚えていないが、自分は気を失うほど笑ったことを覚えている。
永遠と繰り返されるゲイへの問いかけと差別用語の濫用、世紀の一戦となった「ゲイvsNi**a」
正直ディアルガvsパルキアを彷彿とさせるようだった。
寮に住んでなかったらこれも見れなかったのかと思い、ここに住むと決意をした自分に感謝したくなった。
よく「みんな違ってみんないいよね」という多様性の決まり文句を聞くことがある。私からすればそれは多様性への放棄と無関心のようにしか聞こえない。自分とは違うことを認識し、「でもいいよね」で片付けて考えるのをやめているにすぎないのではないだろうか。
多様性って言うのは綺麗な虹色ではなく、こうやって様々な色が混じり合って、ぶつかり合ってできたドス黒い混沌の色なのかもしれない。
これだから寮はやめられない。

3年間本当に色んな経験をし、色んな人たちと出会うことができた。最高に楽しかった寮生活、別れるのは名残惜しいが、そろそろ旅立ちの日が来たようにも感じる。ありがとう

また会った時は、君たちが寮生活で何を感じたのか是非聞かせてほしい。

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