スペイン巡礼2018回想記(39)サンティアゴ休憩日
2018年6月13日。
34日間にわたる巡礼路歩きを終え、サンティアゴ・デ・コンポステラに到着した翌日。本日、サンティアゴにて休憩日である。
前回の記事でサンティアゴに到着したが、この回想記はスペイン巡礼の旅全50日間の記録なので、もうちょっと続く。
残りの日程は、帰国の飛行機に乗るまでのボーナスタイムである。
まずは、パラドールでの朝食から一日をスタート。
パラドールの朝食、ちょっとレベルが高すぎる。この巡礼の旅では何回かパラドールに宿泊しているが、ここサンティアゴのパラドールは圧倒的だった。もちろん野菜も果物もたっぷり用意されている。
中でもお気に入りなのが、スペイン・スイーツではおなじみのチュロスとチョコラーデだ。甘さ控えめですばらしい。
マドリードの有名店でおぇっとなった私でも飲み干せる、大変上品なチョコラーデ。正直、おかわりした。
朝食後は、時間の許す限りパラドール内を探索した。泣いてもわめいても、パラドールとはチェックアウトとともにお別れなのである。
サンティアゴにはもう少し滞在する予定なので、機会はなくもなかったが、宿泊者限定のスペースもあるだろうし、基本的には宿泊者の身分で見学するほうが大手を振って見学できる気がする(小心者だからである)。
ひと晩経って、とうとうスペイン巡礼が終わってしまったことによる頭の混乱は若干おさまっていた。
しかし、回廊がいくつも連なるつくりに幻惑され、この朝も私は混乱していた(方向音痴だからである)。
あとでパンフレットを確認したところ、回廊は4つあったようなのだが、どこがどれだったのかさっぱりだった。
とはいえ、とにかくパラドール内はどこを見ても美しい。後悔のないようパラドールの空間を堪能した。
チェックアウト後は、まず今夜の宿に荷物を移してから、本題の巡礼事務所へ向かう。
(この日の宿ポサダス・デ・コンポステーラ・ホテル・アイラスヌネスは、こぢんまりとしてかわいい宿)
(左のアーケード入ってすぐのところに宿がある。この立地がたまらない)
(巡礼事務所入り口)
巡礼事務所は、ハイシーズン中なだけあり、多くの巡礼者でごった返していた。1時間半ほど行列に並んで、無事、巡礼証明書を手に入れた。
(巡礼証明書をもらいに行列する巡礼者たち)
途中をバスとタクシーでスキップした私は、実際には計算上650km程度歩いたことになると思う。巡礼事務所ではそこまで細かく確認されず、サン・ジャン・ピエ・ド・ポーから歩いたということで全行程788kmを完歩したという証明書をもらった。
やるべきことを終えたら、お待ちかね、ラーメン屋へ。
たびたび書いたように、このスペイン巡礼の旅ではしばしば日本食が強烈に恋しくなり、巡礼の終盤はサンティアゴでラーメンを食べることばかり考えながら歩いていたのだった。
そんなわけで、念願のラーメン。煮干し系あっさり味が、油に飽きた体に沁みた。
午後は、少しだけサンティアゴを散歩。午前中のパラドールがあまりにも充実しすぎていたため、すでに観光はお腹いっぱい。頭の中はてんこ盛りの美しい風景でもうギュウギュウ、これ以上はむりという感があった。
(いちばん見晴らしのいいところから)
(今日の聖堂は完璧な空の色!)
夕食は、せっかくなのでおいしいものを食べようと決意し、トリップアドバイザーで宿から遠くない評価の高い創作和食の店に目星をつけて突撃。
(相席テーブルだったので、気楽な店かと思ってしまったのが運のつき)
店のことをよく知らないまま、「全部で30ユーロぐらいでお願いしたいんですが(※金額はうろ覚え)」などとウェイターさんにお願いしてしまったのだが、実はあとでミシュラン一つ星の店だと判明。大変なご無礼をいたしました……!
細かい金額は忘れたが、当然本来もう少々値段が張るものを、ウェイターさんは私のわがままに合わせておまかせコースを用意してくださった(しかも超感じがよかった)。当然、ディナーとしては量が少なめにはなったが、スペインでは食事を残すことがほとんどなので、むしろちょうどよかった。
そして、味がめちゃくちゃいい。それはもう、人生トップ10に余裕で入るぐらいおいしかった。
(値段が本来より低く設定されたおまかせコースだったのに、すてきなデザートつき。……女子?の心を「わかって」ますね!)
私は深い満足感に包まれて、巡礼後初日を終えた。
次にサンティアゴに行くときには、ぜひともあの店で正しい金額を払って食事したいものである。いや、する。ミシュランがついているような店で意図せず値切ってしまった私は、あとでたいそう恥じ入ったのである……。
(スペイン巡礼2018回想記(40)に続きます)
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