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スペイン巡礼2018回想記(38)サルセダ〜サンティアゴ

 2018年6月12日。
 この日はサルセダを出て、サンティアゴ・デ・コンポステラまでの約30kmの行程。とうとうスペイン巡礼としては最終日である(回想記としては、あともうちょっとだけ続く)。

 今日はもうサンティアゴ・デ・コンポステラに到着してしまう。
 かつて前職在職中、あれだけサンティアゴ・デ・コンポステラサンティアゴ・デ・コンポステラ言っていた、あのサンティアゴ・デ・コンポステラに。
「スペイン巡礼というのがありまして、フランス側からスペイン側のサンティアゴ・デ・コンポステラまで約800km歩きつづけるんですよ」と言っていたあのサンティアゴ・デ・コンポステラ、あのころはまったく実現できるとは思っていなかった、あのサンティアゴ・デ・コンポステラに。

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 今日も、宿の食堂でしっかりと朝食をとり、ゆっくり準備をしてきっちりトイレに行って、トレッキングシューズの靴紐を結び、当初12kg程度あったザックを背負い(備蓄食料を食べたりして多少減ったと思われる)、手袋をはめてストックを手首にかけ、目的地にむけて歩きはじめた。
 34日間で確立した巡礼生活のルーチン。最終日も、同じルーチンにのっとって回していく。

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 今日も、ガリシアのみずみずしい風景のなか、ときどき現れる動物などに気をとられつつ進んでいく。

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 今日もいつもどおり。
 いつからサンティアゴに入るのだろうか。終わりの瞬間とは、どこで訪れるのだろうか。

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 曇り空の下を、飛行機が横切る。サンティアゴ・デ・コンポステラには空港があるのだ。いよいよという感がある。

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 有名なモンテ・ド・ゴソ(歓喜の丘)まで来た。サンティアゴの街が見渡せるという話だが、曇っているのもあってよくわからない。

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 続いて、スペイン巡礼映画にサンティアゴのアルベルゲとして登場したアルベルゲが見えてきたが、それらしい町並みはまだ全然見えない。

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 新しい感じの街に入っていく。もうサンティアゴ内らしいが、まったく実感がない。

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 徐々に旧市街らしい町並みへ。

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 気が逸って、昼食を抜いたまま街を突き進んでいく。ここまで来たら、もう歩き抜くまで止まれない。

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 トンネルのような建物内を通り抜ける。

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 そこが、サンティアゴ・デ・コンポステラ大聖堂だった。

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 天気があまりよくないのもあって、感動していいのか悪いのかよくわからなかった。全力で工事中だし。しかしとにかく客観的にはスペイン巡礼の最終目的地に着いたのだ。

 正直頭がついてこなかったが、とにかく到着した感動の瞬間は今しかないわけで。ならば、やることはひとつである。私には巡礼仲間は誰ひとりいないが、記念写真というか証拠写真を撮らねばならぬ。
 そのへんにいて到着を喜んでいる人のなかから、親切そうなあんちゃんを捕まえ、iPhoneを渡して撮影を頼んだ。にっこり、オフコ〜ス! と言ってくれた彼は、撮影してくれたうえ、通りすがりなのに一緒にハイタッチして到着を喜びあってくれた。ありがとな!

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 この旅でいちばん交流したおじさんたちが今ここにいればなぁ、と思わなくもなかったが、私は途中バスやタクシーでだいぶスキップしているので、きっちり毎日歩いていた彼らとはペースがずれてしまったのだろう。
 当然といえば当然だが、結局、おじさんたちと会う機会はなかった。

 さて、ともかくサンティアゴ・デ・コンポステラだ。無事悲願を達成したのだから、ごほうびが必要だ。すなわち本日、パラドール泊である。

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 大聖堂の広場に面した場所にパラドールはある。さっそくチェックインして部屋へ。おお、ロマンチックな部屋だ……! 今回、パラドールは3回泊まったけれど、ちょっとレベルがちがうクオリティ。

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 思わず、部屋のミニバーのビールとスナックでひとり打ち上げを実施。そのあとベッドにダウンした私は、そのまま気絶した。

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(夕焼け色の大聖堂)

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 昼食を抜いたまま寝てしまったので、夕食は何か食べねば……ということで、なんとか起きだしてパラドール内のカジュアルなレストランへ向かう。

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 ここのイワシとピーマンのフリッターは最高に美味だった。ちなみに、日本に帰ったあと、一時ここの味を懐かしみながらシシトウや甘トウガラシをオリーブオイルで炒めて食べるのにハマる私。
 イワシのほうも、くだんのMさんが(回想記(36)参照)サンセバスチャンのイワシが最高だという話をしていて、またまたMさんを偲びながら食べていた。Mさんとは生前スペインの食の話ばかりしていたため、当該メニューを食べるたびにMさんを偲んでいる。

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(夜の大聖堂)

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 夕食後、疲労でふらふらしつつ、パラドール付近と内部を少し散策した。

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(パラドール内の中庭)


 巡礼が終わったという事実をまだ受けとめきれず頭が大混乱しており、かつサンティアゴの町並みとパラドール内があまりにも美しすぎて圧倒されてしまい、写真をどう撮ったらいいのかわからないという有様だった。
 が、パラドール宿泊は若干高額で、2泊以上する勇気はない。よって、パラドールで過ごせる夜は今夜だけなのだ。私はヨロヨロしながら、よさそうなカットを後悔しない程度に撮影し、部屋に戻った。

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 せっかくのパラドール泊だというのに夜は寒く、私は立派なベッドの上で寝袋にくるまって就寝した。

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(スペイン巡礼2018回想記(39)に続きます)


(リアルタイムで更新していたインスタ、この日は2回に分けて)


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