スペイン巡礼2018回想記(40)バスでフィステーラへ
2018年6月14日。スペイン巡礼終了後のボーナスタイム2日目。
今日は、サンティアゴ・デ・コンポステラからバスに乗ってフィステーラに向かう。
フィステーラ(フィニステレ岬)は、「地の果て」を意味する岬の街で、ここを巡礼の最終目的地として、サンティアゴからさらに歩いていく巡礼者も多い。
しかし私は、サンティアゴに着いた時点で「ここまでだな」という体感があった。これ以上歩いたら体を壊しそうとかではなく、「今回はこれで終わった」という感覚である。それで、気楽にバスでフィステーラへ観光に行くことにした。
ちなみに、同じ位置づけの街として、ムシアという街もある。やはり歩いていく巡礼者も多い。私は今回は欲ばらないことにして、ムシアはパス。スペイン巡礼リピーターになる気まんまんだったので、また次に来ればいいと思った。
(ホテルの窓から)
疲れも残っていたので、朝はのんびり起床。
朝食は、例によってトリップアドバイザー頼みだ。朝食を出すバルで評価の高い店を検索し、そこまで歩いていった。
(野菜はないけどオシャレな朝食 with 生搾りレモネード。今もときどきこのホワイトホットチョコレートが懐かしくなって、自分でつくって飲んでいる)
(ホテルの入り口のところ。隣はバルだが今回は利用しなかった)
昼前の便のバスに間に合うように宿をチェックアウトし、バスターミナルまで歩く。出発まで余裕があったので、軽く昼食をとった。
(ハムとチーズの簡単サンドイッチことボカディージョは、スペイン巡礼ではおなじみのメニューだが、ものによるだろうがわりと無味乾燥な代物で、個人的にはあまり楽しくない)
バスは同じようにバスで行く巡礼者で満席だった。
二階建てのバスにぎゅうぎゅうに詰めこまれ、特に乗り物酔い体質でもないのだが、ちょっと気持ち悪くなった(混んでいて酸素が薄いし)。
このごろずっと歩いてきたから、久々にバスに乗るとその速さに驚いてしまう。窓の外を見ると、ときどき徒歩でフィステーラに向かう巡礼者が歩いていくのが見えた。
少しうらやましくも思ったが、自分は今回はこちらを選んだのだと、自分に言い聞かせる。
1時間ほどで、バスの外は目を疑う光景に変わった。
リゾート地じゃん??? 「地の果て」はどこ??? と思いつつ、バスを降りると、私は自動的にバルに吸いこまれてしまった。リゾート地で! ビールが飲みたい!
食べきれなかったムール貝とイカのフリッターを抱えて、ホテルに向かう。
今日の宿オテル・ルスティコ・スパ・フィニステレでは、独自のフィステーラ巡礼証明書を発行しており、チェックイン時に証明書をくれる笑。バスでさらっとやってきてしまったので巡礼していないのだが、ありがたく頂戴した。
それはそうと、ホテル自体もかなりリゾートムードが漂っており、私は完全にリゾート気分になっていた。部屋に入るとさっそく短パンに着替え、屋根裏式の窓から海を眺めたり、ベッドでゴロゴロしたり。
とはいえ、フィステーラに来た目的は達成しなければならない。
私はなんとかリゾート気分に鞭を入れ、「地の果て」フィニステレ岬をめざして歩きはじめた。
市街地は、やはりかなりのリゾートムード。
(巡礼を経てこのリゾート感を見ると、順応できず呆然としてしまう)
が、フィニステレ岬に近づくにつれ、あたりの雰囲気が変わっていった。
(岬への道を進みつつ、街を振り返る)
(この日は風が強く、雲がすごい勢いで流れていく)
風に吹かれながら岬に到着すると、周囲は雲と海の境目がわからない不思議な状態。
海のすぐそばなのに、山の上のように雲が駆け抜けていく。
(0km地点の道標。巡礼路の終わり)
岬には、バル併設のホテルがあった(ここに来るまで存在を知らなかった)。
泊まったホテルもいいところだけれど、なんというロマンあふれる立地……! 次来るときは絶対ここに泊まろうと心に決める。
せっかくなのでバルに入り、ポンフェラーダ以来お気に入りのジントニックを注文した。あまりにも風が強かったので、グラスしっかり押さえてね! とスタッフさんに言われたほど。しっかり押さえてねというか、安定したかたちのグラスはないものか。
(グラスとストローを全力で押さえながらジントニックを飲む私)
「地の果て」の光景を満喫し、私はホテルに帰った。
(帰り道。19時台だったと思うが、例によってスペインの6月は日が沈むのが遅い。ましてやここは「西の果て」である)
(ふたたび市街地方面へ)
夕食はホテルの部屋で、イカとムール貝の残りを、近くのスーパーで調達したワインなどとともに。なお、イカとムール貝は、2回に分けて食べてもなお食べきることができなかった。
(スペイン巡礼2018回想記(41)に続きます)
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