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エッセイのほう

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野蛮で図々しくてくだらないことを書いています。400字~2000字くらいでしょうか。
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#癌

『ほう』

「ほう」と感心してみましょう。 何ごとも「ほう」から始めてみましょう。「ほう」には含みが持たせてあります。一例をあげましょう。「ほう」と言いながら、その間に脳をフル回転させて見ましょう。二の句が出てこない時の時間稼ぎの「ほう」です。そのわずかな時間で失言も防げるでしょう。 また、よりよい対人関係づくりの為の一歩だと思って、毎日トーンを変えて「ほう」の練習を心掛けてみましょう。リラックスして反響する風呂場がいいのではないでしょうか。そこから、メロディーが出てきたら儲けものです。

『休薬期間中。がんかわいがり75日目』

湯治の、『がんかわいがり』は順調だ。 今日の天気は怪しい。思い出したことがある。私は『無理しない湯治ツーリング』の最中だった。それを忘れて、初日にバイクをコカしたではないか。リスク回避は重要だ。元気なので、いくつかの病気を抱えていることを忘れてしまう。今日は籠もるか。午前中に散歩でもしたいが、『熊注意』がやたら目につく。昨年から、特に。立地は最高なのだが、ツキノワグマとはいえ。闘ったら、身体に傷がつく。私は互角の勝負ができると思っているが。 ヒグマなら完敗だ。私は潔く食べら

『2024年の春の陣』

2時間早く起きる事にした。 睡眠時間を暇な『ガンかわいがり点滴中』の昼寝にあてる為だ。 思えば『2023年の夏の陣』のときの私は徳川方であった。 いまの私は『2024年の春の陣』の大阪方。極めて形勢は不利だ。 「いったいコイツは、なんの話をしているのだ」、私の頭はいつもどおりなので安心をば。 『2023年の夏の陣』など、所詮は盲腸癌のステージ2。敵は大阪城から飛び出た出城『真田がん』のみ。多少手こずったものの、徳川方(私)の圧勝に終わった。 此処である事件が起こった。『真

『スウィート•タン』

順調にゆけば、明日から2クール目の『ガンかわいがり』がはじまる。 血液検査の結果次第。もしくは、MSI検査(DNA)の結果次第となる。 MSI検査で解ることは、遺伝性のがんであるかどうか。遺伝性のがんであった場合に効果的な薬の適応があるかどうか。簡単にいうとこんな説明でいいと思う。 この3週間で私の食生活は激変した。 ほぼ、和食になった。ほぼ、野菜になった。ほぼ、味覚異常の副作用で料理の甘みが3割増しになった。甘加減のバグり。『甘の舌』、『スウィート•タン』だ。 私がいま関

『春うらららん』

土日の『ファスティングフェス』をすっぽかしてしまった。 完全に忘れていた。春の陽気のせいだ。 『春うらら』では心もとない。足りない。 これは、『春うらららん』でいいでしょう。よい風だ。 久しぶりに布団からでて文章を書いている。 白状すると、この冬はずっと布団の中から文章を書いていた。身体が悪いからでもない。身体はたしかに悪いはず、なのだが、なにせ自覚症状も『ガンかわいがり』の副作用も、ほぼない。ただただ寒かっただけだ。 「だったら暖房をつければいいじゃないか」という声が聞こ

『春のがん走り』

本日の文章は大変悪趣味なものであり、がん罹患者。その家族におかれましては、あらぬ誤解をうむ可能性があります。当然、愚弄するものではありません。私とがんの付き合い方のひとつのあらわれではありますが、人によっては読むに値しません。ですから、他者様のマガジンには載せません。 二十年程前に『さわやかにかけぬけるようにあきらめる』という言葉が、ぱっと私の頭のなかで花開いたことがありました。その、『さわやかにかけぬけるようにあきらめる』の灰汁(悪汁)だけををすくいとったような文章になって

『せいのほう語辞苑』

私は言葉を知らない。 だから、造語に逃げている。私のエッセイには『せいのほう語』があふれている。だから、ここらで『せいのほう語辞苑』をつくろうと思う。 ひとまず、思い出せるところから書き出していこう。これからもどんどん追記していく事になるでしょう。めんどくさい。何を書いたか忘れているし。いつの間にか『エッセイのほう』が100本を超えていた。 アーガ秘水。新潟の山奥の山村でうまれた、秘水。癌が治るとの噂も。後にその正体が判明。ヤマブドウ酒。ノブドウ酒。ドクブドウ酒。ブスブドウ

『早起きができた』

早起きができた。 というより、腹が減って朝4時に目が覚めた。いいファスティング効果だ。 ファスティング二日目が予定より早くはじまった。ぐうっと腹が鳴り、腹がくのじに凹んでくれたらいいな。 『手足がかさかさになる』、これは、もっとも一般的な抗がん剤治療の副作用のひとつです。手のケアは万全で『すべすべつるつる』で、抗がん剤治療前よりいいくらいになった。踵はケア不足のようで『からからがさがさ』だ。ヒビ割れたらつらいので早急に水分とクリームを踵に入れよう。 最近は、日記のようにほ

『ドミノ』

抗がん剤治療8日目。 身体はすこぶる調子がいい。副作用も僅かしかない。しかし、明日もすこぶる調子がいいとは限らない。この手の薬には波がある事を忘れてはならない。私は半年前にそれを学んだのだ。 抗がん剤治療とは、ひとつひとつドミノを慎重に並べていくようなものなのかも知れない。ちょっとした気の緩みでどどどどどどどっと、これまで積み重ねてきた治療効果がドミノ倒しのように悪い方へ崩れていくこともある。 いま、私はバイクで遠出に行きたくてうずうずしている。けれど、1,2週目の抗がん剤

『長い一日』

朝の8時から夕方16時半まで病院にいた。 今日は3週間で1クールの抗がん剤治療の初日だった。1クールの初日は抗がん剤の点滴を入れる日になる。それから、別の抗がん剤を2週間内服する。そして、必ず3週目には抗がん剤を持ち越さない。7日間の回復期間が設けてあるからだ。それで、2クール目に入ることができる。もし、抗がん剤を飲み忘れても、最終週には決して内服してはいけない事になっている。 これが、何クールつづくのかはわからない。なるようになるだろう、としか言えない。 で、早速副作用が

『お餅腹痛』

正月にお餅を食べ過ぎたせいか、お腹が出てきた。 と、同時に、すこし腹が痛い。その場所は右の下腹で、丁度半年前にステージ2の盲腸癌があったところでもある。手術は成功している。完全に癌細胞は切り取ったはずだ。ステージ2の盲腸癌の5年以内の生存率は80%はあるのだ。しかし、術後、かなり早い段階で再発する事もあるようだ。 それに加えて、私は再発予防の抗がん剤治療を5日間で止めた。 私なりの判断で『癌の再発』の可能性と、抗がん剤の副作用だと考えられる『鬱々不安頭』を両天秤にかけた結果