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マレーシアでの展覧会検閲事例「Ahmad Fuad Osmanの展覧会の場合」

コロナウイルス で東南アジアが揺れている昨今、こんなニュースが飛び込んできました。

こちらのAhmad Fuad Osmanさんの展覧会、「 At The End Of The Day Even Art Is Not Important (1990-2019)」は非常にエキサイティングな展覧会です。

Ahmad Fuad Osmanさんは1969年ケダ州産まれ(マハティール首相と一緒)。ケダ州はタイとの国境に面しているので様々な歴史にもまれた土地。

現在には住民には買い物に行くための特別な許可が与えられてるそうです。なのでタイとの行き来はとても頻繁。よって仏教の影響も強く受けてる模様。東南アジアでは歴史と宗教は密接に関係があります。

彼の現在の拠点はバリとクアラルンプール。マレーシアのシャーアラムにあるUniversiti Technologi MARA(UiTM)1991年に美術の学士号を取得しています。

彼の作品はアイデンティティと政治、権力などの社会テーマが多いです。そのテーマに対して様々な表現方法を使い多面的に表現を行っています。

私たちもこちらの展覧会伺いましたがとても興奮しました。。大迫力でした。

迫力ある作品の中にあるくすっと笑ってしまうようなユーモラスな視点。私のイメージする「マレーシアのユーモア」に満ち溢れたものです。現在ILHAM GALLERYで開催中の展覧会「The Body Politic and the body」でもかつての歴史的写真に「ちゃっかり入り込む」とてもユーモラスな作品を発表しています。

Ahmad Fuad Osmanさんの作品はシンガポールビエンナーレにも参加しています。シンガポール美術館のコレクションの一環でもあり横浜美術館も彼の作品をコレクションしています。

作品撤去要求は突然だったようです。2月10日に4つの作品が「政治的」という理由で撤去されました。最初に紹介した記事では「政治的」という理由のみで具体的な指摘があったようではなさそうです。1月21日にナショナルギャラリーから上層部からの苦情の結果、理事会で撤去が決定したとのことです。(なぜ今??)

ナショナルギャラリーからのリリースは(マレー語なのでGoogle翻訳様頼りですが)観客からのクレームから理事会での会議を経て撤去が決定したような説明があります。

ほぼ同じ時間に撤去についての記事がナショナルギャラリーからシェアされています。グーグル翻訳だとかなり中立的なないような感じがしますが、なぜこの記事がナショナルギャラリーからシェアされているのか不明です。。

このナショナルギャラリーでは今年の秋、クアラルンプールビエンナーレが開催される予定です。

実は、前回のビエンナーレでも検閲は行われていました。(しかし展示は網をかけられたまま最後まで残り、まるでそういう作品のようでした。)

今後の展開を随時追っていきたいと思います。