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「COVID-19 」がインフルやデング熱と違って恐ろしい理由を東南アジア生活者目線で語ってみる。

私は5年前に、父を亡くしている。父の命日は1月中旬。その日は実母の家に母の姉妹が実母の住む横浜の家に集まりおいしいものを食べるのと聞いていた。素晴らしいこと。そして、私はその日の夜、久しぶりに実家に電話をした。

私「お母さん。私だけどさ、最近出かける時マスクしてる?手を洗ってる?中華街とかしばらく避けたほうがいいと思うんだけど。。」
「インフルでしょ。大丈夫よ。私インフルかかったことないから」
私「違うよ。今、新型肺炎が中国を中心に流行り始めてるんだよ。もうすぐ春節っていう中国の御正月休みがあるんだけど、そこで多くの中国の人が大移動するの。そこでその新型肺炎のウイルスが運ばれちゃう可能性があるの。日本は中国の人の最高の旅行先なの。みんな1年前からVISA取ってるから絶対行くの。しかも新型肺炎は自覚症状がなかなか出ないらしいの。」
私「だから中華街とか、横浜駅とかに長くいないようにしてね。もし買い物が必要な場合は私がネットで買ってお母さんの家に遅れるから。後何か、調子がおかしいなって思ったら連絡してね」
「わかったわよ(うるさいなあ)」

これが1月中旬の会話。その後の展開はご存知の通り。母は、私の情報の速さに驚いていた。

「COVID-19 」やばいんだってと言ってもどうも日本の人には響かないのが不思議でならなかった。よく言われるのが

「インフルのほうが人死んでるじゃん」
「東南アジアはデング熱ってあるでしょ」

そう、確かにそうだ。インフルなんてアメリカはすごいことになってる。

しかし、インフルに関しては当地はあまり騒ぎになってない模様。ちなみにマレーシアでも12月はインフルエンザの記事がやっと出てきていた。去年すごく流行ったけどあまりにニュースになっていないので驚いたことをよく覚えている。

そしてデング熱。こちらは東南アジアでは非常にポピュラー。常に気をつけてるはずだがそれでも発生する。シンガポールでは「COVID-19 」もやばいけどデングもやばいっていう記事が出ている。

しかし、こちらも例年のことなので皆対策をとっている。マレーシアでも熱が出るとデングもインフルの検査もしてくれる。

「COVID-19 」って高齢者や疾患がなければ重症化しないケースも多いんでしょ?大丈夫なんじゃないの?と言う意見も聞く。専門家の意見では咳や発熱が5日ほど続いた後に良くなる人と、肺炎に行く人に分かれるとのこと。

じゃあそこで見てればいいんじゃない?みんな手洗いすればいいじゃん。と思う人はここから話す怖い話を聞いてほしい。

「COVID-19 」の本当に怖い点は「経済と密接に結びついていること」だ。筆者は2月7日の週にクアラルンプールからシンガポールに所用で出かけていた。シンガポールには3年半居住していたし、クアラルンプールに転居してからも月1回近く訪星していたが、こんなに緊張した訪星は初めての経験だった。飛行機から降りると多くのスタッフが待ち構えサーモグラフィーで体温を検知。そして少しでも具合が悪そうな人がいたら即検温。筆者は基本生きててすみません体質の人なので、あの場を通過するだけで本当に土下座したくなるような緊張感を感じた。

もちろん水際対策は大事だ。素晴らしいと思う。そして水際対策を含め、様々な対策が経済を鈍化、いや、一部停止に追い込むのだなと実感した。例えば、ビジネスで商談の予定があったとする。ここでもし入国拒否となったら全ての事前設定(ホテルや会食の予約)が無駄になる。だったら出張をやめよう、オンラインで会議しようとなる。そしてオンラインの状況に対応できない企業は脱落する。

シンガポールやマレーシアは華人と言われる中国にルーツを持つ人が国民に多い。それ故、中国本土との経済交流も盛んに行われている。今回のこの「COVID-19 の感染防止対策では様々な対応策が打たれている。なぜなら、マレーシアもシンガポールも中国と経済的にも人事交流的にも密接に結びついているから。対応しないとやっていけないから。この「COVID-19 と経済の結びつきをどれだけ意識してるか。そこに対応の差が見える。日本が「COVID-19 」と経済の結びつきを意識してるのかどうか、外から見てると疑問に感じる報道が多すぎる。

えー中国なんて関係ないしーなんて今は言えない。今、世界で出回る多くの汎用製品で中国に全く関係してない製品を探すほうが難しい。その製品の生産が止まっている。つまり、生産ができない。そして生産ができたとしても運べない。だって渡航が制限されてるから。ドローンで勝手に運ばれてくるわけではない。製品を生産したら、運ぶ人が必要だ。全てが鈍化している。

生産だけじゃない。人の集まりも制限されている。でもそれは当然の対応。Yahooも集会制限を開始。

テレワークを実験的に始める企業の動きは歓迎したい。この時の経験はこれからの働き方に従軟性を持たせることができるはず。

そのような状態の中、行政の考え方には危機感を感じる点が多い。

中止しない!ありきではなく、現状を的確に把握し、どう対応していくか。ここに柔軟性を持たせないと経済が止まるどころのでの騒ぎではなくなってしまう。現在の経済は信頼性とも密接に結びついている。危険性を回避できてるという状況を提供できてないと感じられる情報が発信されてしまったらそれは「経済の死」につながる。

あと、この対応には目を疑った。あのね、中国は必ず復活するの。っていうかこんなメンツを潰すような対応したら復活後全く相手にしてもらえなくなる。心配なら素直に中止すべき。

でも記事を読むと「入国できない中国からの参加者の参加権を来年に繰り越し」って対応措置ちゃんと取ってるのになんでNHKはこんなタイトルにしたんだろう。こっちの方が正しく伝えてる。

なんか、意識して変なタイトルつけてませんか・・?

そしてすごく不安に感じる点がある。日本国内から見えないのかもしれないけど、日本は世界第2位の感染国として危機感を世界中に振りまいてるのが現状。しかも二次感染が全国的に広がり始めている。

外と中は見えてる世界が違うという意見はすごくわかる。筆者自身も日本から「大丈夫か」と言われることがあるがクアラルンプールもシンガポールも「生活圏は至って普通の生活」(2月15日現在)。

だからこそ、先手先手に対応を行い、できることから実施するのが大切なのにこんな記事を読むとマジで脱力する。

まずは的確な現状把握と期日を決めてのリスク管理。その点ではCP+2020の中止を決定したのは英断。

日々こちらを確認しながら、人混みを避け、出かけたら手を洗い、家で筋トレして体力を整え、3月下旬まで静かに過ごす所存です。

筋トレはええでー。