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息子に「なぜ、ジョブ型雇用以外が通用するの?」と聞かれて気がついたこと。

私たちは6年前に日本を離れた。そう、気がつくともう6年以上日本を離れている。転居時は「仕事」という概念が全くなかった息子も現在は「自分の将来を見据えて進路を決める」という段階に入っている。

彼の進路を決める際の様々な情報収集を背後で見ていて思うのは「彼の世界では#ジョブ型雇用以外の選択肢はそもそも存在しない」ということだ。

「ジョブ型雇用」と対になる日本式雇用は「メンバーシップ型雇用」というらしい。日本企業でこれまで一般的だった、終身雇用と年功序列を前提に職務や勤務地を限定せずに働くスタイルである。

この「メンバーシップ型雇用」は昭和、平成の日本社会の基本スタイルであったと言えるだろう。これは雇用だけではなく日本の団体活動としてはボランティアでも多く見られる。この団体から必ず参加してください。個々のスキル関係なく参加がメインなのだ。


一方、インターナショナルスクールや背景が違う人たちが集まる地元のコミュニティは違った。こちらはボランティアもジョブ型である。私も日本を出てからいくつかボランティアプロジェクトにジョブ型参加をした。あくまで「自分のスキルを活かしての参加」である。

例えばPTA。東南アジアのインターナショナルスクールのPTAはあくまでもジョブ型参加。「このスキルがあるからこのイベントにスキルを活かして参加する」スタイル。私もカメラのスキルから子供の学校の子供たちのパーティーの撮影をしたことがある。すごく、楽しかった。


そう、ジョブ型は基本楽しい。

だって、自分が自信がある分野で自信を持って参加できるから。
だって、自分が出来ることで参加の扉が開くから。
だって、自分が加わる際に前向きな気持ちを持つことができるから。


ちなみに息子は9月から高校課程に突入(カリキュラムの関係で日本より早く開始)。最近は大学課程に関しての話題も多い。大学に関しては「やりたい仕事をやりたい場所で行うために必要な証明(学歴)を得るためにはどうしたらいいか」という考え方で逆算して考えている。


そう、ここには「#ジョブ型雇用 」しか存在しない。彼らのように「やりたいこと」が明確になっているとジョブ型しか選ばない。「メンバーシップ型」はそもそも選択肢にないのだ。


息子に「憧れの会社とかないの?」と聞いたことがある。しかし彼の答えは


「会社はいつ無くなるか分からないのに何で会社で選ぶの?やりたい仕事って自分はこれができます!って言って自分で売り込んでやるものじゃないの?」


そう、会社は無くなる。新型肺炎はその現実をすべての層に突きつけている。


新型肺炎が世界を混乱させるこの状況において「会社」は明日あるかどうか分からないものと捉えているべきなのだろう。そして同時に「ジョブ型雇用以外あり得なくね?」という思考の世代が多数派になるのは時間の問題であると実感している。


彼らは同じ場所にずっと留まることを前提としていない。インターナショナルスクールの生徒は転校が非常に多いし、大学なども出身国で選ぶという概念がそもそもない。その考え方は仕事でも同じ。そう、彼らは仕事を1つの場所にとどまって行う「終身雇用」という考え方は、そもそもないのだ。


「#ジョブ型雇用」が浸透して変わること、それは「#ジョブ型雇用」しか認めない層が確実に増加、そして「メンバーシップ型雇用の消滅」であろう。この流れは止められないと息子世代を見てると強く感じるのであった。