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ひとり旅の必需品(改訂版):Geographica、旅行、ロービジ


 私の、ひの必需品とり旅のスタイルは、「歩いてじっくり、街を自分の一部に!」でしたね。そのために必要なおすすめのアイテムを紹介しましょう。

一 スマホ用アプリ

 私が、ひとりで旅に出ることができるのは、スマホがあるから、と言っても過言ではありません。年齢とともに視力が低下し、細かな地図やパンフレットを見ることが難しい状態では、見知らぬ土地を訪れた瞬間、お手上げになるかもしれませんね。
 スマホは、そのような時に最も、力になってくれるアイテムなのです。以下に、私が利用しているオススメのアプリを紹介したいと思います。

Geographica
 Geographica は、登山用のアプリです。山用のナビですが、街中を歩く際も、大いに実力を発揮してくれます。山用のナビにも、いろいろあるのですが、私は以前からこのアプリをお主に使っています。その理由は以下のとおりです。
・音声でさまざまな情報を教えてくれる
 最近はほとんどの山用ナビに音声出力機能が備わりましたが、私が使い始めた頃は、音声通知をしてくれるのはこの Geographica だけでした。
「午後三時になりました。道迷いに注意してください」「時速五・四キロで移動しています」「標高百二十メートルになりました」等々、歩いて移動している際に、スマホを見なくても状況が理解できます。
・画面が見やすく、捜査が簡単
・移動した軌跡の表示がわかりやすい
 表示される地形図は、国土地理院の二万五千分の一と五万分の一の地図が使用されています。そして、歩いて移動した後が、画面の地図上に赤い線として表示されるのです。歩いた軌跡が明確なので、道を迷っても、どこで間違えたのか、すぐにわかります。
・圏外の場所でも使えます
 あらかじめ、これから行くところの周辺を地図上で確認しておくだけで、地図がスマオ上にダウンロードされます。もし、圏外となる場所に行ってしまっても大丈夫、GPS通信ができるので、このアプリを継続して利用することができるのです。
 圏外になると、Google Map は使えなくなりますが、この Geographica は、問題なく使えますので心丈夫ですね。
 登山用に開発されたアプリなので、当然、旅行の時に、低山や遊歩道の奥まで踏み込んだ場合も安心です。
・無料でも利用できます
 制限付利用であれば、無料で利用できるのも魅力の一つですね。使ってみて、気に入れば購入すれば良いでしょう。

Google Map
 Geographica は、登山用のナビなので、街中で詳しい案内はできません。従って、Google Map と併用することで怖いものなしのツールとなるのです。
 例えば、「○○博物館」に行く場合は、Google Map の検索欄に、目的地を入力して、ナビを開始します。その後は、音声ナビの指示に従って足を進めましょう。その時も、Ggeographica は、常に起動しておくことを忘れないようにしてくださいね。この二つのアプリがあれば、知らない街に行ってもまったく問題ありません。
 Google Map では、徒歩のモードに設定し、詳しい音声案内をオンにしておくことをお忘れなく。

乗換案内
 私は、公共交通機関を利用して移動するので、この乗換案内のアプリは必須です。バスの時刻や、のりばなどの情報は、事前に調べておく方が無難です。
 旅先では、アクシデントも多く、予定どおりにならないことも少なくありません。臨機応変に対応するためには、この乗換案内は、なくてはならないツールと言えるでしょう。

Envision ・ Seeing AI
 これは、スマホのカメラ機能を利用した、読み上げアプリです。博物館に行くと、展示品の横に詳しい解説文が表示されていますね。でも小さな文字で書かれているので読みにくく感じたことはありませんか?
 Envision は、これらをスマホでかざすだけで、文字情報を読み取り、音声で読み上げてくれるアプリです。片耳にイヤホンを装着することにより、周囲の人に迷惑をかけることなく解説を聞くことができます。どちらも無料で利用できますので見えにくい方は、スマホにインストールしておくことをお勧めします。

+メッセージ・ライン
 ひとり旅に出る時は、安否確認をこまめに発信するようにしましょう。私は、ラインで、訪れた駅、ミュージアム、史跡、街の風景などを、こまめに撮影して、簡単な感想とともに妻に送信することにしています。そうすることにより、詳細な旅の記録として残ります。
 また、あってはならないことですが、もし行方不明になった時にも、どの場所で消息を絶ったのかが明確になりますので、捜索の際にも有用です。親しい人とは、お互いに連絡を取り合うようにしておきましょう。

二 iPad と軽量バッグ

 iPad に、旅のパンフレットやマップなど、すべての情報を入れて準備することは、前項で紹介しました。もちろん、スマホだけですべての情報を管理することも可能ですが、私はロービジョンですので、iPad の大きな画面と指ひとつで拡大できる機能を好んで使っています。
 また、高齢者の方も、見えにくいようであれば、iPad と併用することで、快適に利用できると思います。見る情報は、iPad で、音声情報はスマホで、という風に使い分けると便利です。
 そのような理由で、iPad を持ち歩くわけですが、ちょくちょく見るので、すぐに取り出せて、しかも携帯する時に、かさぶらないようにする工夫が必要ですね。
 iPad が丁度入る大きさの、超軽量バックが、モンベルから発売されています。それを首から肩に斜めに掛て使用します。ファスナーで開閉でき、簡単に出し入れできるので、各種入場券やパンフレットなどを入れるのにも便利です。

三 多機能ベスト

 登山用品店に行くと、ポケットがたくさん付いた、さまざまなタイプのベストが販売されています。すべてメッシュ地のもの、ファスナーで、背面の布を着脱できるもの、防寒着を兼ねたものなど、使用する季節に合わせて使い分けると良いでしょう。
 最近は、iPad も入れられる大きなポケットを装備したベストもあります。
 私は、旅にでる季節に合わせてさまざまなベストを使用していますが、主にコロンビアのベストを多用しています。ポケットには、財布、コインケース、スマホ、単眼鏡、ルーペ、ICレコーダー、手帳、ハンカチとティッシュ、マスクなど、さまざまな物を収納します。選ぶ目安としては、
・軽量で、気温に合わせて、メッシュ地になるもの
・不要な時は、折りたたんでザックに入れるため、コンパクトに収納できるもの
・貴重品を入れるのでポケットはファスナーで閉めることができるもの
・ファスナーの開閉が滑らかなもの
 などがあげられるでしょう。以前、安価な品物を買ったら、ファスナー開閉時に、引っ掛かりがあり、だんだんストレスに感じるようになって使わなくなったことがあります。ファスナーの質や、物を出し入れする際の、ポケットの位置は、自分の体との相性もありますので、実際に着用してみてから購入することをお勧めします。
 また、スマホはザックの方ベルトに取り付けています。これらのツールは登山用品店
で入手できます。

四 ザック

 街を歩いていると、かばんを手でぶら下げたり、片方の肩に掛けたりしている人を見かけます。非対称的な重量刺激は、脊柱や体幹の筋肉に過大なストレスが加わるため、疲れ易くなったり、痛みの原因になることがあります。
 特に、長距離を歩く時は、避けた方が良いでしょう。
 ザックは、登山用のしっかりしたものを使いましょうね。全然疲労度や使い心地が違いますよ。
 ザックを選ぶポイントとしては、
・サイズ
 旅にでる日数や季節に合わせてザックの大きさを決めましょう。
 二・三日の旅であれば、三十リットル程度のデイバッグで十分です。一週間、もしくは、それ以上の長旅の場合は、五十リットル前後の大型ザックと二十リットル程度の小型ザックを組み合わせて使う方法が便利です。
 宿泊地を移動するような、大移動の際は、小型ザックは、大型ザックの中に収納し、大型ザックを背負って移動します。宿泊地に落ち着いて、その周辺を散策する際には、小型ザックを取り出して軽装で歩くようにすると疲れにくく機能的です。
。最近は、超軽量、超コンパクト収納可能な小型ザックが販売されていますので、ご自分の体形に合ったものを見つけましょう。
・重量
 できるだけ軽い方が良いのは言うまでもありませんが、背中に当たる部分や肩のベルトの部分には、十分なクッション性が必要です。また、同部分は、汗をかきますので、蒸れないような工夫がされている物が良いでしょう。
 背中部分の生地が薄いと、ザックの中に入れている物が背中に当たって不愉快です。
 肩ベルトは、十分な幅とクッション性がないと、方全体に痛みや凝りが発生しますので要注意です。
 同じ重量の荷物を入れていても、ザックをお尻の方まで下げて背負っていては重く感じます。できるだけ背面にしっかり固定しましょう。
 最近、ザックを、ずっと下まで下ろした状態で利用している若い人が多いのですが、長距離を歩くときは禁物です。
 以前、同じ職場の若い女性の職員に聞いたことがありました。
「どうして、デイバッグを、あんなに下げて背負うの?」
「あの方がかっこいいからです」
「でもああすると、重く感じるでしょう」
「そうなんですけど……」
 とのことで、普通に上にあげてしっかり背負った方が、楽なのは知っているんだけど、ファッション性の理由で、あの背負い方になっているとのことでした。
・ポケット
 サイドポケットは、飲み物を入れたり、ストックを折りたたんで固定するために必須です。
 また、最近は、腰ベルトにポケットが付いているものがありますが、ポケットティッシュやレジ袋など、素早く取り出したい物を入れておくと便利です。
・ザックカバー
 雨が降って来たときには、ザックが濡れないように、すみやかにザックカバーで覆います。 最近は、ザックの下部や上部に収納しているタイプの者も多く、これはいざというとき役立ちます。街中では、そこまでは必要ないかもしれませんが、長距離を歩いている途中で強い雨に遭遇することもありますので、ザックカバー一体型をオススメします。
 メイン収納スペース内の、ファスナー付きポケットは、貴重品や予備のお金などを収納するのに便利です。表面のポケットには、貴重品は入れないようにしましょう。
 ザックの全面にも、いくつかポケットがあると機能性がアップします。予備のモバイルバッテリーや、LEDライト、常備薬やカットバン、予備のマスクやティッシュ、ハンカチ、ナイロン袋、携帯食などすぐに取り出したいものを入れるのに便利です。
・肩ハーネス(肩ベルト)用ポーチ
 ザックの肩ベルトの胸のところに取り付けるポーチが、超便利でオススメです。私は、スマホやICレコーダー、Bluetooth イヤホン、単眼鏡、ルーペなどを入れています。すぐに取り出せるし、ポーチの前ポケットに挿すと、そのまま動画の録画、録音ができます。さまざまな、大きさやタイプの製品がありますので、ご自分の目的に合ったものを探してみてください。 私は、この肩ベルト用のポーチ探しが楽しくって、ホームセンターに行ったら必ず新製品が出ていないか確かめています。普段もよく使うので、劣化するのも早いのです。

五 靴と靴下

 私は、ひとり旅に出る時は、軽登山靴を履いています。最近の軽登山靴は、足のくるぶし上部まであるタイプでも軽いので、長距離を歩いても重く感じません。足関節を保護しているので、凹凸のある道を歩く時、捻挫するリスクも少なくなり安心して歩けます。
 また、悪天候の際にも、軽登山靴は威力を発揮します。内側にゴアテックスの透湿性防水シートが張られているので、雨天の際にも足が濡れることはありません。ゴム長靴をはいているようなものですね。
 それから、靴下も重要です。登山用のしっかりした靴下を履くようにしましょう。踵部や中足骨頭部への衝撃が緩和されるため、疲労しにくくなりますのでオススメです。
 また、長距離を歩く方は、インソールも自分に合ったものを選びましょう。足づくりは、歩き旅の基本です。
 
六 衣類と帽子

 ひとり旅の時は、いつも登山用の服装で出かけています。夏季は、薄い生地のズボンとTシャツ、超軽量ウインドブレーカー。冬季は、やや厚手のズボンとTシャツにミドルシャツ、行先の気温に合わせて、軽量のアウター(ダウンやゴアテックス)といったとろでしょうか。
 歩いて移動しますので、汗や雨で濡れても乾きやすいように、速乾性素材かつ軽いもので、そろえるようにしましょう。気温に合わせて重ね着をして調節するのがポイントです。
 最近は、衣類を圧縮して収納できる袋が、登山用品店で販売されています。ビニール袋に入れて空気を抜いて収納する方法もありますので、いろいろ試してみてください。
 帽子は、季節に合わせて選びましょう。冬季は、防寒目的が主になりますので、寒い時には耳も覆えるようなデザインの物を持っていきます。それ以外の時期は、紫外線予防が主たる目的になりますので、蒸れにくく、コンパクトに収納できるタイプの帽子を選択しましょう。
 登山用品店に、軽量でそれぞれの目的に合った、さまざまなデザイン、素材の者が販売されていますので、目的に合わせて選択してください。

七 杖・ストック

 私は、ブラックダイヤモンドのトレッキングポールを、愛用しています。超軽量で、折りたたむと超コンパクトになるスグレモノです。
 普段は、ストック専用の袋に収納し、ザックのサイドポケットに入れて固定しています。不安定な道に差し掛かるとすぐに取り出して利用します。ノルディックウォーキングのように左右二本一緒に使うことで歩行は、とても安定します。
 杖やストックは、重さや折りたたんだ際の長さが、製品によってかなり異なりますので、軽くコンパクトなものを選ぶことがポイントです。

八 単眼鏡

 私は、博物館などで使う室内用と遠くの景色や時刻表などを見るための屋外用単眼鏡の二種類を常にベストのポケットに入れています。
 単眼鏡を選ぶ際のポイントは以下のとおりです。
・最短焦点距離
 最短焦点距離というのは、最も近づいてピントが合う対象物との距離のことです。
 博物館や美術館では、対象物との距離が近いので、最短焦点距離の短い機種を選ぶようにしましょう。
・倍率
 倍率は大きいほど良く見えるように思いますが、実際には、倍率が大きくなる程、手振れし易く、見づらくなります。博物館や美術館で利用する場合は、四倍から六倍程度がオススメです。
・明るさ
 明るさは、倍率とレンズ口径で決まります。同じレンズ口径の場合、倍率が上がる程、暗くなり、倍率が低い程、明るく鮮明に見えます。
 博物館では、明るさが九以上のレンズが推奨されています。
 私は、博物館用としては、
Kenko社製単眼鏡:ギャラリーEYE
最短焦点距離:十九センチ
倍率:四倍
口径:十二ミリ
明るさ:九
 屋外用としては、
MIZAR-TEC社製単眼鏡:SD-417SV
倍率:四倍
口径:十三ミリ
 を使っています。スライドさせると、超コンパクトになり、手のひらに包むと、単眼鏡を持っていることが分からないほど小さくなります。また、スライドさせてレンズを収納すると、レンズを保護できるので、取り扱いが楽になり重宝しています。どちらも国産です。

九 傘と雨具

 雨天に備えて、傘は必須です。私は背が高いので、大きめの折りたたみ傘を、いつもザックに入れています。また、旅先で、低山に登る時は、ゴアテックスのレインウエア上下を持っていくようにしています。超軽量のゴアテックスの雨具は、ウインドブレーカーとしても使えますので、一つそろえておくと便利です。

 旅の装備は、できるだけ軽量、コンパクトにすることが大切です。ちりも積もればなんとやら、道具の選び方次第で驚くほど軽く持ち易い荷物になりますので、いろいろ工夫してみてくださいね。
 これで準備万端、さあ、旅に出かけましょう!

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