見出し画像

スウェーデンでのマダニ事件

かれこれ二ヶ月ほど前の7月のお話ですが、夫の実家があるスウェーデンへ帰省してきました。酷暑の日本を離れられると喜んでいたのですが、向こうもなかなかに暑かったです。34℃とか。

今までも何度か夏のスウェーデンを訪れたことはありますが、こんなに暑い!と感じたのは今回が初めてです。歴史的なことだとか。

向こうではどんな風に過ごしていたかというと、大体田舎の方にいたので本を読むとか昼寝するくらいでとくにやることもなく、たまに義母に頼まれて、みんなで(のはずが頑張っていたのは私と義母だけじゃね?って途中で怒りがこみ上げた)庭のリンゴ拾いをするくらい。落ちたままにしておくと、イノシシが来て荒らすからだそうです。夫の実家は森の中にあるので、鹿とか鶴とか狐とか、色んな動物が出没します。

緑に囲まれて、物音一つしないような森の家の中にいるのはとても気持ちよく、日本での煩わしいことなど全部忘れてここで暮らしたいなあ、なんて思ったりしましたが、田舎暮らしならではの苦労もあります。今回の場合は雨が降らない日が続いたため水不足らしく、トイレやシャワーが満足に使えない、などなど。水をうまく節約しないといけないため、料理や皿洗いは手伝わなくていいと言われました。慣れてない人間がやると、うっかり色々やりますものね。申し訳ないような、微妙な気分でしたが。

あと今回は非常に気持ち悪い何かの幼虫を目撃しました。多分蝶々系のものだと思いますが、すごく奇抜な感じ。それを義母に言いましたら、何十年もここに住んでるけどそんなの見たことないそうで、これも温暖化の影響で生態系が変わりつつあるということなのかも知れません。

それから今回の最大の事件は、子供が「マダニ」に刺されたことです。しかも頭。髪で隠れて見えないのにどうやって気づいたかというと、夫が息子の頭をグルーミングしていて、です(笑)髪の間に指を通して可愛がって?いたのかな?それで気づいた。私はそんなことしないので、たまたまでも気がついてくれて本当に良かったです。夜中の8時くらいだったのですが、義母に急いで伝えると、なれた様子でピンセットとエタノールを持ち出し抜こうとしてくれましたが、案の定マダニの体はブチッと半分に切れてそれ以上は抜けてくれない。

今すぐ病院につれていきたい、このままじゃ死んじゃう‼と訴えましたが、こんなことで病院に行く人はスウェーデンではいない、とのこと。義母もしょっちゅう刺されているけど大丈夫よ、と。いやいや、でもこちらは日本生まれ、日本育ちの子供。免疫力だって弱いはずだし。病院に行けないなら明日すぐに日本に帰る‼‼と半狂乱になって訴えましたら、感染症に詳しい、知り合いのお医者さんに連絡をとってくれて、詳しい対処法と注意点を夫に聞いてもらい、結局はそのお医者さんの指示に従いましたが、生きた心地がしませんでした。

だって、マダニと言ったら日本では命に関わることですよね。日本だったら即刻救急行きですが、どうやら夏のスウェーデンではよくあることらしく、予防接種もしたりはするらしいですが、基本自力で対処して様子を見るらしいです。恐るべしスウェーデン。

どうやらマダニ自体が日本や中国のものに比べてウイルスを持っている危険性が少ない、ということらしいのですが、本当に肝を冷やしました。夏のスウェーデンはもう無理。都会ならば、公園とかで茂みに近づかない限り大丈夫かと思いますが。

しかし、「このままじゃ死んじゃう‼」と訴えた時、英語なんてろくに分からんだろうと思っていた息子が恐怖に慄いた顔で号泣したので、自分の余裕のなさ、ほんとヒドイなってガッカリしました(T_T)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?