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DAY 22 子どもと一緒にNZ 2024

(2024年の一年間、高校生の娘と小学生の息子、そして母である私の3人で「ニュージーランド暮らし」を決行します。このチャレンジの準備から現地での暮らし、帰国までの事実、そして気持ちをココに記録しておこうと思います。)

息子もがんばってる

朝、目が覚めると、「全てが無かったことになっていればいいのに」と思う。

そう言って、娘はまた大きな大きな岩を背負い、重い足取りで学校に行きました。

「お父さんが頑張って留学に送り出してくれたのに、行かないわけにいかない」

本当に真面目すぎる!!!
わたしの性格をほんの少しでも受け継いでいてくれたら・・・

車を降りてから、学校の門に向かうまでの間、いつも3回以上振り向く娘。
それの全部に笑顔と手を振って応えました。

そして今度はすぐにUターンし、息子を小学校へ。
パジャマのままの息子にバナナを与え、着替えさせ、なんとかリュックを背負わせ教室まで。

「今日もココにいて」

はいはい。そのつもりですよ。

Kennyという子のママがいつもあそこにいる。
という状況に慣れてきた子供たちが、少しずつ私にも話しかけてくれるように。

先生がたも、
「ガスはどうなった?Wi-Fi使えてる?」なんて話をしながら、私の冒険たっぷりの新生活を(面白がって)おしゃべり。

いえいえ、うちのことはいいですから、授業進めてください・・・

息子はまだまだ緊張した顔つき。
でも休み時間やMorning Teaの時間には昨日から同じ子と遊んでいることに気づきました。

もう少し、もう少し!がんばれ!

と思いながら、私は先生に手を振って、そーっと抜け出してきました。

先生という存在

さて。
ここからわたしのミッションが始まりました。

娘は「相談ごとがあるなら、自分で相談しなさい」と言われるのを恐れ、私がインターナショナル担当の先生に会いにいくことを断固拒否しました。

でも、それを聞いて少し嬉しい気持ちもあります。
そうやって自分を律する気持ちがあること。

そんな娘を裏切ることに、心が騒がないわけがない。
だけど、文句を言いに行くのではない、
どうにかしてくれとお願いしにいくわけでもない、

最近どうですかー!

と遊びに行くならいいよね??

ということで、心の中で娘に謝りながら、また高校にトンボ帰り。
昨晩のうちに「最近の学校の様子を知りたいので時間をくれませんか」とメールしておいたのです。

お久しぶりー!
とオフィスに入りハグをするなり、涙が出そうになりました。

前回、ここに来た時は、娘は不安を抱えながらももらったかわいい制服を試着して「楽しみになってきた!」と笑顔いっぱいでB&Bに帰ったんだった。

留学が決まってから半年以上、この先生とやりとりをしてきて、絶対的な信頼を寄せていました。

だから私は思い切って、今日ここに来られたんだと思います。

早速世間話から始まり、学校生活の話へ。

娘はどうやら楽しくやっているらしい。
いつも笑顔らしい。
友達もたくさんいるらしい。


・・・あれ?
全然ちがう。

なんとなく、少しずつ、話の流れはやはり止められませんでした。

家での様子を話すとき、私に嘘なんてつける芸当はありません。

レベルが高すぎること
本人が孤独を、そして限界を感じていること
体調的にもかなり心配な状況になってきていること
昨晩は泣いて泣いて立ってもいられなかったこと

全てを話しました。

できない、わからない、怖い、ひとりぼっち

それを伝え終わると、

何もかも本人の言っていることと正反対だ。と先生。

できる、わかっている、笑ってる、友達もいる

最初、「どちらを信じればいい?」なんて考えが頭に浮かんだけれど、大間違いでした。

全てのモノゴトには裏と表がありますね。

娘にとって恐怖だったものが、本当はすでに乗り越えた壁だった。

She CAN do it.
I KNOW she CAN do it.

だから何も心配はいらない。
彼女は絶対に乗り越えられる。

Be strong.
Let’s solve this problem in a different way as usual.

(強い気持ちでいなくちゃ)
(いつもとはちがう方法で解決してみようよ)


どうして分かったんだろう?
いつも環境を変えることで逃げてきたことを。


思い出しました。

昔、娘がピカピカの小学一年生になった時、隣の席の男の子にいじめられて辛い日々を過ごしました。
それをなんとかしてあげたくて、学校の先生に会いにいった私は、迂闊にも涙が出てきてしまいました。

楽しみで楽しみで、ようやく始まった新生活だったのに、まさかいじめられるなんて。
あまりに娘がかわいそうだったから。

あの時の先生はベテランの女性の先生で、弱っている私を見てひとこと言いました。

「お母さんが泣いてはダメです。大丈夫。あの子は大丈夫。お母さんが信じてあげなくてどうするんですか。

その言葉に救われ、その後に幾度となくちょっとしたいじめや不登校などを経験したときも、二人で乗り越えてきました。

きっと大丈夫。
あの子なら大丈夫。

信じてあげること。いつもいつもそれだけを大切にしてきたつもりだけど、私はまだまだ分かっていなかった。

本当にいじめや不運に巡り合ってしまった時は、環境を変えるのももちろん解決方法の一つだと思います。
それが逃げと言われたって、大事なものは大事。そうやって娘は中学校を辞めました。

だけど、今回はちがう。
苦しいのは理想と自分のギャップが激しいからだな。

こんな成長の機会を与えられる最適な環境は他にない。


先生はわかりやすい対応策を教えてくれました。

まずは小さなゴールが必要だね。

次の教室を見つけること
授業に出席できたこと
まずはそれだけで十分。

それができたら、次は
隣の席の子に名前を聞いてみる
先生に何か一つ質問してみる

すっかり私が学生になって、目に涙を浮かべながらメモをとっていました。

私が弱気になっていちゃいけない。
小学校の時も、中学校の時も、そして高校も、さまざまな壁にぶち当たった代わりに、娘は本当に良い先生に恵まれました。


この先生が近くで見ていてくれる限り、娘は留学生活を全うできるに違いない。
先生の人間性に惚れてこの学校に決めた私は、間違っていなかった。

娘も大丈夫なら、私も大丈夫。
私が大丈夫なら、娘も大丈夫。

ここでの生活でこれからもたくさん泣いて成長していく姿を間近で見られるなんて、私は本当にツイてる。
私にできることは、娘を信じること。それだけだ。


休み時間の鐘が鳴り、

ここに来たことは内緒にしておこうね!と先生とハグをして、急いで帰りました。

(ごめんね、娘よ。いつかこれを読む頃は懐かしい思い出になっているはず)

OP SHOP

帰り道、感動でボーッとしていたのか、またラウンドアバウトで出口を間違え、全く違う方向へ飛ばされました。
その時に思いがけず見たことのないOP SHOPを見つけました。

こちらではリサイクルショップのことをOP  SHOPというようです。
街のあちこちにあり、見つけるとついつい車を停めてしまいます。

今日の獲物は、暖かそうな毛布6ドルと、(娘用に)服新品37ドルが9ドル!
サイズが小さいからか?意外と良いものが手に入る確率が高いです。

服はかなり省いてきたけど、こんなに安く手に入るなんて知らなかった。
本当に便利!

うちにある大きな皮のソファ、少し素肌にはベトベトするのでカバーが欲しいと思っていました。
作ろうかなと思っていたけど、このお安さを見てしまったら買ってしまう。
大きなベッドカバーがたったの20ドルで売っていました。

そしてさあ帰ろうとまた運転を始めて5分くらい。

あっちにもこっちにもOP SHOP!
今日はなんだろう。
気分が晴れたので、散財しまくりなさい、ということ?(無理やり理由を作る)

駐車場を見つけてすぐに探検。
今回頭に浮かんだのは、娘の来週予定しているスポーツデー。

どうやらハウスに分かれて(ハリーポッターのように)スポーツを競い合うみたい。
その時に娘のハウスはカラーがイエローだという情報をさっき得たばかり。

その時に黄色いものを着てきてと言われるらしい・・・と風の噂に聞いていたものだから、まだ何も頼まれていないのに黄色い服コーナーを物色。

早速かわいい、娘が好きそうなものを発見!たったの8ドル。
もう買うしかない。

こうしてチリも積もって大金を払っているのだろうなぁ。
日本で質素に暮らしている夫に申し訳ない。

でも、今は娘を少しでもいいから励ましたい。元気づけたい。笑顔が見たい。

そしてあっという間にお迎えタイム。
今日もランチを食べる時間を逃してしまった。

最後の最後、重要な任務を思い出した!

アジアンスーパーを見つけること。
どこでもいいからGoogleマップで検索してたどり着いたストアは、なかなか良かった。今日は時間がなかったから、また今度ゆっくりこよう。と思っても同じところに行き着けない私。

ここで
・みりん
・料理酒
を買いました。

これらは普通のスーパーでも売っていますが。
少しこちらの方が安いみたい。

ガスが来てご飯を作れるようになったので、今日は娘の大好きな親子丼を作りたかったのです!

「だし」が必要なのに、この「だし」という単語をうっかりさっぱり思い出せない。
思い出したのは、「めんつゆ」。
きっとそれがあれば、近くにあるだろう。

お店の人はほとんどが中国人らしい。
おそばが置いてある近くで店員さんを捕まえて、

このおそばのパッケージに写っているこのスープ!
これありませんか?と聞いてみました。

すると、きっとこれじゃないか?
と紹介してくれたコーナーにあったのは、なぜか養命酒。

日本のおそばってどう思われているんだろう。
そして、かつて私は毎晩寝る前に養命酒を飲むことが生きがいだった時代があるのを悟られたのかもしれない。

(ここにアレがあるって覚えておこ。)

もう店員さんは頼りにならないと知ったので、また1からじっくりぜーーーんぶの棚を見直したら、ありました!
めんつゆの近くに「だし」が!

そして普通のスーパーでたまごと鶏肉を買い、無事親子丼をつくったのでした。


スーパーのお肉コーナーで「鶏もも肉」を英語でなんと言うのか調べたところ、
「Chikin Th・・・・・  と。
読み方がさっぱりわからないので、発音のボタンをポチッと押したところ、

!!!

大音量で

Chicken thigh!

と。

周りにいた人たちが一瞬ギョッとして、まゆげを下げて苦笑いの表情。
どういう印象を与えたんだろう?
もう私のようなおばさんになると、こう言う時日本語しか出てこない。

「あ、すいません!」

まぁ、謝るほどのことでもないのだけど。

日本で逆の立場だったら、と得意の想像力を使ってみる。

いつものスーパーのお肉コーナーで、突然大音量で

「とりもも肉!!!」というお姉さんの音(声)が聞こえたということか。

うーん。
大したことじゃないな。忘れよう。

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