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息子の誕生日に気づいたこと

先日、息子の6回目の誕生日でした。

まだまだ日付やら日時やらカレンダーやらの概念を理解するのが難しい息子にとって、「自分が生まれた日」をまさに「この日がボクの誕生日なんだ!」と意識できた最初の年だったかもしれません。

幼稚園のシール帳の自分の誕生日にはずいぶん前から(おそらく4月はじめ)ピカピカのシールが貼ってありました。それに気づいた今年、数週間前から「その日」を意識するようになったのです。

寝る前にそっと幼稚園バッグからシール帳を取り出し、ピカピカシールまであと何日あるか、1、2、3、4と小さな声を出して数えていました。(誰にも見られないように)

ピカピカシールまであと数日となったある日、息子は部屋中を探索始めました。どこかにプレゼントが隠されていないか?ワクワクしながら、真剣に、探し始めたのです。

我が家では、誕生日とクリスマスだけ行われる恒例のゲームがあります。

1. プレゼントを用意します。チョコレート1個→お菓子詰め合わせ→100均で見つけたシールブックや髪飾りなど小さなプレゼント→スケッチブックなど大きめプレゼント→最後に本当の誕生日プレゼント。

2. クイズをつくります。「いつもハンカチが入っているところは?」という簡単なものから、「5+5は?その数だけお母さんの肩をたたいて」「まくらが3つ並んでいるところは」「お父さんの体のどこかにヒントが入っているよ」などなど。

3. 隠します。段階的に用意したプレゼントにそれぞれのクイズを書いた紙を貼り付け、家中のあちこちに隠します。庭やガレージの場合も。最終的に私たち家族の前で誕生日プレゼントが見つかる仕組みです。

まだ文字の読めない息子は中学生の姉と協力し、クイズに答えながら、ゲラゲラ笑いながら、大興奮でバタバタとあちこちを探し回ります。この瞬間は私にとっても、本当に楽しい幸せいっぱいの時間です。

こんな記念日がいつか思い出になって、子どもたちの記憶に残るのだろうなぁと思うと、毎回サボりたい気持ちを抑えて、せっせと準備するのでした。

ついこないだまで「ダッコ」と言っていたはずなのに、最近めっきり言わなくなったことに気づきました。幼稚園ではダッコなんてしたら恥ずかしがって怒られます。ああ、やっぱりもっとダッコしておけば良かった。娘の時にも思ったのに、またしても忘れて貴重な時間を意識せずにいたのです。人間て、とことん忘れるのが得意な動物なんだな。(わたしだけか?)


ここ数ヶ月、文字を書くことから遠ざかっていました。仕事はぼちぼち、読書や絵を描くことに集中していたのですが、この歳になってようやく気付いたのは、「マルチタスクが苦手」なこと。まあ、妻であり母であり仕事もし、自分の時間も欲しいとなると、何もかも同時進行になるのは当たり前のことですが、自分の機嫌がどんな時に悪くなり、どんな時に安定しているのか。そんなことを客観的に見られるようになった自分は、まだまだ成長中。

私にとってここに日々のことを綴ることは、頭をスッキリとさせる瞑想みたいなものと位置付けていますが、それができていなかったこの数ヶ月の気持ちや行動を考えると、はっきり言って右往左往し過ぎて何も進んでいなかった。たくさんの迷いと不安と整理できない気持ちが溜まったまま、時間に押し流されていました。

誕生日のゲームを準備しながら、その都度前回の自分と今の自分を比べます。「いつかの誕生日は、準備不足でなんだか可哀想だったな」とか「あの時はギリギリまで仕事していて、飾り付けが間に合わなかったな」とか(中途半端で後悔ばかり)。

準備を順調に進められた今年、誕生日の前の晩に息子の寝顔を見ながら「5歳の息子に会えるのは今日が最後」と思うとなんだか涙が出てきました。日々のタスクに右往左往しているくらいなら、しっかり子どもの成長を感じ、しっかりその時その時に楽しい思い出を作っていこう。効率よくこなすことも大切かもしれないけれど、全てを欲張らず、もっとも優先すべきことをじっくり考え一つ一つ自分のペースでこなしていけばいい、と気付かされた息子6歳の誕生日なのでした。

きっとこれまでも気づいたことは何度もあります。でもやはり、私という人間はすぐに忘れてしまうのだな。ピカピカシールまでの日数をこっそり数える息子の小さな後ろ姿、忘れないように写真を撮っておけば良かった。

いつも元気いっぱいで熱はほとんど出さない、好奇心旺盛だけど、ちょっと怖がり。子どもらしく泣いたり笑ったり怒ったりスネたり、無邪気で素直で、イタズラばかりで、きたなくて、うるさくて、すばしっこくて、ケガばかり。野菜は食べないし、片付けも苦手だし、体当たりの愛情表現は強すぎて痛いので怒られてばかり。

そんな子に育ってくれて、ありがとう。




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