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国債を減らす方法2選!!

皆さんは、日本政府が1200兆円の債務残高を抱えているという話を聞いたことはありませんか?

これは、ホントです。

私の記事では、財務省や政権の批判をよくするのですが、その中で、国債(債務)を大量に抱えていても問題ない!ということ主張してきました。

しかし、私は債務を減らしてはいけないとは思っていませんし、債務を減らすというならばそれ自体には反対しません。

なぜなら、健全な財政の運営を行うこと自体は悪くないからです。
借金が少なくなり、資産をたくさん持っていれば、それは財政破綻の確率を下げることができるわけですから。

では、どうすれば、政府の借金を減らすことができるのでしょうか?


① プライマリーバランスの黒字化

1つ目の方法は、プライマリーバランスを黒字化させつことです。

プライマリーバランスとは、日本語では「基礎的財政収支」といい、これを黒字化させることで、借金を返していくと言う方法です。

政府の歳入と歳出

まず、政府の歳入についてみてみましょう。

歳入 = (税収 + 税外収入) + 国債

という式が成り立ちます。
税収は、そのまま税金による収入です。
税外収入とは、日本銀行からの納金などが主になります。
そして、国債はお金を借りたものです。

次に、政府の歳出を見てみましょう。

歳出 = 一般歳出 + 公債費

という式になります。
一般歳出(地方交付税交付金を含む)というのは、公共事業をしたり、国防や教育に使うお金です。
そして、公債費とは、借りたお金を返したりその利子を払うお金です。

ここで、歳出と歳入というのは必ず同じになります。
入ってきたお金は、必ず何らかの形で予算に組み入れられます。

そして、

(税収 + 税外収入) > 一般歳出

となっていると、プライマリーバランスを黒字化している状態と言います。

こうすれば、借りる量より返す量が多くなりますから、借金は減っていくことになります。

この方法がまずい理由

まず、プライマリーバランスを黒字化する方法を考えてみましょう。
① 経済成長で税収を増やす
② 増税する

このふたつが、思いつく方法かと思います。
では、①はできると思いますか?

おそらく、経済成長をさせようとすると、財政支出を増やすことになりますし、現在の日本は経済が停滞しているわけですから、経済成長でプライマリーバランスを黒字化させるのは難しいですよね。

では、②の方法しかありません。つまり、「増税」です。

当然だめです。

増税というのは、景気を抑え込むものです。
つまり、景気が良くなりすぎると困る、消費が過熱しすぎている。だから、増税するということになるのです。

重ねて言いますが、現在の日本はお世辞にも景気がいいとは言えません。

その日本で、増税してまで借金を返そうというのは、あまりにも愚策なのです。

では、もう1つの方法を見ていきましょう。

② インフレで実質値を減らす

2つ目の方法は、インフレを起こして、額面よりも、実質的な債務残高を減らしていく方法です。

インフレで借金が減るメカニズム

これは、例から見ていく方がわかりやすいでしょう。

現在、あなたの月収は30万円です。
家賃は10万円で、食費は3万円、水道代は3000円、…という状態です。

では、10年後、あなたの月収は相変わらず30万円です。
家賃は20万円、食費は6万円、水道代は6000円、…と言う状態です。

どう思いますか?
今も10年後も月収は30万円です。
しかし、生活にかかる費用は倍になっていますよね。
つまり、10年後にはモノの価値が倍になっている状態です。

この状態が、インフレが起こっている状態になるわけですが、上の例では、月収が実質半分になっているのがわかるでしょうか?
モノの価値が2倍になったということは、お金の価値が1/2になっているということですから。

同じことを、国債でもやるのです。

例えば、インフレ率2%が35年続いたとします。
すると、35年後の物価は$${1.02^{35}}$$ですから、約2になります。
インフレ率2%を35年間達成し続けることができれば、物価は2倍、お金の価値は半分になるということです。

この時、国債は一円も返していない状態で、現在の債務残高1000兆円は、35年後も債務残高1000兆円だとします。
しかし、お金の価値は半分になっていますので、35年後の1000兆円は現在の価値だと500兆円になります。

一円たりとも返していないのに、債務残高は半分まで減りましたよね。
つまり、半分返したのと同じであるということです。

私は、この方法を推奨しています。

なぜこの方法が適しているのか

考えるのは、現在の日本が、インフレ率を上げたい状態なのか、下げたい状態なのかと言うことです。

過去に、フィリップス曲線を用いて、インフレ率と失業率の関係性を説明したことがあります。

フィリップス曲線から分かるように、日本ではインフレ率が2%くらいになると、失業率は最低ラインまで下がります。
また、失業率が下がることにより賃上げや経済成長などにつながるため、マクロ経済政策では、失業率を下げることが第1の目標となります。

そのためには、現在の日本はインフレ率を上げる必要があります。

だから、インフレによって債務残高を減らす方法が適していると言えるのです。

まとめ

今回は、政府の債務残高を減らす方法を2つご紹介しました。
どちらの方法も、債務残高を減らすという目的の上では決してまちがえているとは思いません。
しかし、債務残高を減らすという目的だけではなく、経済に与える影響などもみながら、借金を返していく必要がありそうです。

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