肩関節中間位の作り方
肩の治療の第一歩は、中間位を作ることです。中間位は単なる空間的な数値ではなく、肩甲骨の向きに対して設定する必要があります。
中間位は上下・前後の軟部組織の聴力がすべき均一になるため、基準として機能します。
今回は、肩中間位の作り方を、肩甲骨のアライメント評価と上腕骨の配列の仕方の2つに分けて解説します。
♦︎肩甲骨アライメントの確認方法
中間位を作るにあたり確認すべき肩甲骨のアライメントは、向きと傾きの2つです。それぞれ具体的な方法を解説します。
肩甲骨の向き
肩甲骨の向きは、関節窩の向きを反映しており、関節窩の向きを知ることは水平内転と外転の中間を作る指標となります。関節窩の向きは体表からは直接はわかりにくいですが、肩甲棘の向きを関節窩の向きと規定することができます。
肩甲棘を触診する際には、指の骨を平行に配置し、均一な圧をかけることが重要です。このように意識することで、肩甲棘の向きをより正確に評価することができ、それによって関節窩の向きを推測することができます。
肩甲骨の傾き
肩甲骨の傾きは、回旋の中間位を確認する際の重要な指標です。傾きを判断するためには、肩峰後角と烏口突起を結ぶ線に注目し、その線が平行であるかどうかを確認します。しかし、烏口突起の触診は一般的に難しく、感触がつかみにくい部位です。
烏口突起を強く押しすぎると、患者さんに痛みを引き起こす可能性があります。そのため、烏口突起を評価する際には、押す力を増やすのではなく、接触面を工夫することで応力を適切にコントロールすることが重要です。このアプローチにより、痛みを引き起こさずに烏口突起の正確な評価を行うことができます。
♦︎上腕を配列させる方法
次の論点は上腕骨です。上腕骨は、先に確認した肩甲骨のアライメントに合わせて配置されます。上腕の配列を矢状面、水平面、前額面に分けてそれぞれ確認していきます。
肩甲骨面に上腕を合わせる(矢状面)
肩甲骨面に合わせるために、上腕の向きを調整し、適切なアライメントを確保します。上肢を操作する際には、上肢のバランスを取る努力を怠らず、セラピストの姿勢が崩れないように注意を払うことが重要です。
内外旋中間位(水平面)
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