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バタイユを下敷きにした小説の下書き終了

 下のリンクの記事からちょうど1か月かかって下書きを終わりにしました。たった5万字の短編に1か月とは長すぎです。しかも下書きです。これから仕上げと校正があるのでもう少しかかるでしょう。それにkdpにアップするなら表紙も必要ですし。それともnoteで有料にした方が良いのだろうか? どうなのでしょう?

 全体の構成は以下のような感じです。(極度に簡単に)

1)原初
 ここは古事記、日本書紀の「国産み」を少し改変して短い文を載せました。男と女が出会い、儀式的な手順で初めて性交渉をするという事が書かれています。それは本編の最も簡単な要約のようなものになります。ストーリー主義ではないのでそれによるネタバレは心配しません。

2)出会い
 ここは今まで下書きで公開していませんでした。ここで難しいのは、私がバタイユの「目玉の話」意識していますので「ミルク皿にお尻」のインパクトに勝てるものにできるかどうかでしたが、比べてどうかに関してはちょっと自信はありません。ただ、普通でない出会いにはしています。

3)危険なエピソード
 ここも下書きで公開しませんでしたが、出会ってそう経たないうちに主人公が危険な目に遭うエピソードを入れています。これは、主人公の決意がそれだけ強い事を示します。以下、ちょっとだけ載せておきます。(いつものように誤字脱字、言い回しは未校正です。)

 その瞬間、あのヘッドライトが再度点灯して僕と彼女を照らし出した。ヘッドライトの下で、逃げられないとわかった。

(中略)

「ねえ、待って、乱暴なことはしないで。だってさ、・・・私、あんた達とやるの嫌じゃないんだから。楽しもうよ。」

彼女は慌てもせずにゆっくりとした口調でそう言った。

「そうか、そりゃ良かった。それじゃあ行こうぜ。乗んな。」

「でもね、私、普通にやるのはダメなの。ベッドに寝てやるなんてさ、家庭の主婦みたいでカッコ悪いじゃない。そんなクソみたいなセックスじゃイケるわけないわ。だから、あんた達、ここでしようよ。」

彼女はそう言って路面に膝をつき、片方の膝を前に出した。そうして片手を陰毛に当てると、人差し指と中指で広げて赤い割れ目を男達に見せた。もう片方の手はその男のズボンの前のところに置き、未だ中でとぐろを巻いているペニスをがっしりと掴んだ。男達は面白いと言って服を脱ぎ始めた。びしょ濡れの上着とシャツを脱いで丸めてから車の後席のドアを開けて放り込んだ。ベルトを緩めてジッパーを下ろし、ジーンズの前を広く開けて爆発したような陰毛とペニスをむき出しにした。ペニスは勃起し始めていた。男達は顔を見合わせてにやりと笑った。彼女は一人の男に近付いて行ってペニスを見下ろした。男のそれは次に彼女がする何かを期待してか、いきなりグイと上を向いた。それを見た彼女はペニスの先端に人差し指を置いて滑らせた。ペニスはピクリとしてさらに極限まで上を向いた。彼女はまた言った。

「これじゃダメよ。ジッパーがお尻に当たって痛くなるし、奥まで入らないわ。」

彼女は、もう一人の男の方へ向きを変えて近付き、ジーンズのファスナーの下のところに手を入れて奥に隠れている睾丸を握った 。

「それに私、ここも大好きなんだから。」

男達は競うようにしてジーンズを脱ぎ始めた。(後略)

4)修行
 ここからはスピリチュアルに関係する話が入ってきます。純粋性を求めて儀式的な性交渉を成立させるためです。けれども、主人公が何かを得るのがスピリチュアルからなのか、それとも違うものからなのかという問題はあります。最初に出て来るエピソードは例の「バスの中で」のところです。

 このバスでのエピソードは私の実体験を脚色して書いていますから、読んで驚いてください。ただし18禁です。

5)キーになる少女の登場
 修行とは別のところでお話のキーになる少女が登場します。この少女は娼婦をしていますが、いくつかの言葉を残して最後にいなくなってしまいます。少女は特に何らかの知識を持ってはいませんが「世の中ってこんなふうになっているよね」と言いますが、主人公にはその意味が全くわからないのです。

6)スピリチュアル
 上記の少女と対抗する形でスピリチュアルの知識がいくつも語られます。最初は主人公は知識を受ける側で聴いているのですが、次第に主人公が理解して語る口調に微妙に変えていっています。この部分はスピリチュアルを否定するために挿入されているのではありません。否定しているのはスピリチュアルの周辺に群がるある種の人たちの方です。これは私の実体験に基づいた記述になっています。

7)抜け出た人
 上記のスピリチュアルの周辺に群がる人たちから抜け出た登場人物が登場します。その登場人物のおかげで主人公の行う儀式の基ができていきます。

 ただ、ここに出て来る登場人物は理想的な人物には見えません。

8)挫折
 主人公は修行から帰ってからモラトリアムに入ります。これも誰にも普通に起こり得る事なので修行をしなくても、自己啓発でも、学校を卒業した場合にでもあるはずです。結局、自分の事は自分で決めなくてはなりません。ただ、主人公は寸でのところでこの程度で良いと妥協しませんでした。その事は下の記事には書かれていません。

9)登場人物、女性
 主人公はある女性に出会います。この女性の登場は、これ以前に出た別の登場人物が別の現れ方のようなものです。より現実的な人として登場しているというわけです。以前の登場人物とは誰? すぐにわかると思いますから言いません。

10)実行
 いよいよ実行です。実行の方法は、実はこの企画を考えた時からあるアイデアです。バタイユの「目玉の話」の中に出て来る自転車で精神病院から帰宅するゴシック調の印象的なシーンが基になっています。実は体験談を募集していましたが、結局誰もいなかったようです。残念。

 ここまでです。ですから、1)の中身が概要になっていて、2)以降がそれを展開した形の構成になっています。

 最後に、何故このお話を書いているかですが、バタイユの場合は、バタイユの思想背景を知らないと解釈できないものになっていました。作品だけ読んで背景がわかればたぶん天才です。私のような凡人には無理です。ですから私のお話は予備知識無しでもそれが想像できるようにしています。なぜなら、私自身がバタイユのように有名人ではないからです。(←ココ、笑うとこ。一応)

 それでどのような事を書いているかを説明しておきます。主人公は真面目に勉強している2人の大学生としています。なぜ勉強しているかと言えば、これはもう普通に卒業後の仕事のためです。私たちの生活、というか人生の中ではそれが普通ですし、最も簡単に自らの経済を成り立たせ易い方法です。それと対比させているのが、性行為です。そちらはただ情動の赴くままに行われる行為で、終わればそこまでで、将来のどうこうとは違います。そこである問いが出てきます。「どちらのやり方が人間らしいですか?」と。主人公が誕生日に処女と童貞を終わらそう。一番純粋なやり方で、と考えます。純粋とはいったい、何だったのでしょうか? 主人公が自分以外に見た純粋で美しい行為は何だったでしょうか? そんなふうな事をこのお話の中で書いています。

 そうそう、1つ重要な注釈があります。このお話は2人の主人公のうちの男の側の一人称で語られます。女の側はありません。男側からの見方に統一してあって、女の方はただ男の共感として書かれています。

 これから仕上げに入るつもりですが、また途中経過は報告します。疑問や質問があればコメントください。

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