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キャラクターの表情【小説の書き方】

 昨日はコソッとある事をつぶやきました。登場人物の雰囲気を原作の雰囲気とはずいぶんと変えているのに驚いたのです。実はあの本は前にも立ち読みした事があったので、違っているのは知ってはいました。今回は「奴隷ラムシル」を連載版に書き換えているので、ヒントが得られるかと思い、「駱駝商人」のところをよく見たのでした。

 もちろん、あのやり方が悪いというつもりはありません。本の中の主張がその変更により、より伝わるのであれば良いと考えます。そのやり方もアリです。

 そして、私はちょっと考えます。何をかと言いますと、「なぜコミック版はあのような表現方法を採用したのか」です。

 多くの場合、人が激高する場面はとても印象的です。強い口調、大きな声、目が吊り上がり鼻の穴が大きくなり口も大きく開けていて歯が見えるあの表情は印象に残ります。これは昔の漫画やアニメ、子供向け番組ではそう多くはありませんでした。ウルトラマンや仮面ライダーは猫と同じで無表情です。星飛雄馬や矢吹ジョーが怒った顔は記憶にありません。時代とともに表現力として発達した分野なのかもしれませんね。

 怒るばかりでなく、登場人物が考える時の表情もかなり印象に残るようになっています。笑うのもそうでしょう。

 これがもし原作の印象を忠実に伝える作風になっていたとしたら、確かに物足りないと感じてしまうかもしれません。駱駝商人ダバシル(コミックでは発音が違っていたかもしれません)は原作ではもっとひょうひょうとしていて、「俺はいろいろ経験しちまっていろいろわかっちゃったんだよ」的な人ですし、主人公はもっとちゃらくて子ネズミっぽいガキなのです。それとシラという部族長の第一婦人はもっと落ち着いた大人の女性です。どう考えても現代的ではありません。

 私はその「バビロン」の駱駝商人を頭の中にインプットして「ラムシル」を書いていますのでコミック版のような瞬間的にインパクトの強い登場人物の表情は全く想定しませんでした。

 そうしたわけで、コミック版のページをめくって、現代のキャラクター主義のようなものを垣間見たわけす。ついでに他の最近Twitterやインスタグラムでよく表紙を見かける作家さんの本もちょっとだけ捲ってみましたが、こちらは画像がありませんからその代わりにセリフが多いようでした。結局のところ、当分、私は現代の表現には追い付けそうにないなと感じたわけです。


 そうして今、「奴隷ラムシル」の連載版は1/4程度まで書いていてまだまだ先は長いです。これから引っ越しをしなくてはならず、銀行やら役所やら行くところが山ほどありますのでもしかすると9月中に書き終える事ができないかもしれません。今回の引っ越しは普通の引っ越しではなくて「大」引っ越しで、しかも行先で定住できるかどうかも怪しいのです。どうなる事やら・・・です。でも、「奴隷ラムシル 連載版」は絶対に完成させるぞ!とは考えています。



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