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機材、高い、ツライ・・・【前編】

ここ10年くらいで機材の値段が一気に上がった印象があります。このことについて、私なりに考えていることを記していきたいと思います。


高騰する機材価格

私が自転車競技(トライアスロン)を始めた1997年、初めて父親に買ってもらったキャノンデールCAD3は、SHIMANO105の完成車で約20万円でした。

拾い画像のキャノンデールCAD3

それでも充分な性能があったように思いますし、1999年に参加したアジアジュニア選手権では、カザフスタンの変速機がSTIじゃなく、ダブルレバー(ダウンチューブのところについてる羽みたいなレバー)の選手に負けて、やっぱり機材じゃないな・・・なんて言ったものです。
※その選手は後に、オリンピックでトップ10に入りました。

カーボンが当たり前になった現代

今では信じられないかも知れませんが、当時のカーボンはまだ柔らかいフレームしか作れておらず、トライアスロンでも長距離(アイアンマンディスタンス)の選手くらいしか乗っていませんでした。

ロードレーサーなんて、ほぼ全員アルミフレーム、中にはクロモリやチタンフレームの選手もいましたが、カーボンフレームは少なかったと思います。

それが、カーボン素材の進化や成型技術の進歩によって、アルミよりも硬いフレームが台頭し、今ではアルミフレームはお金がない人や、初心者用という感じの位置付けになっている感じがします。

入門車でもカーボンが増えてきましたから、その点でも価格は高くなっていますし、自転車に限らず世の中の多くの物がインフレ(コスト高)によって大きく価格が上がっていますので、それは仕方ないかも知れませんが、これでは裕福な家庭以外続けるのは困難になっていくばかりだと思います。

機材厨が増えた

それに輪を掛けて、今はネットで情報がどんどん飛び交いますから、この機材が良いに決まってる!負けたのは機材のせいだ!あの機材さえあれば・・・、というような人が異常に多い印象です。

我々の時代もそんな選手は中にいましたが、結局は脚!という思想がもっと強かったし、安い機材で速い=カッコ良い!という価値観もまだありました。

あと余談ですが、プロになれば与えられた機材に乗るしかありませんので、気にしても仕方ないというのも本音としてはありましたね。

現役の最後に乗っていたフレームは、スペシャライズドであったのは間違いないんですが、フレームがなんという名前だったかは知りません。

フラッグシップモデルのコスパ

ジュニア選手の保護者の方々も、子供にはなんとか良い結果を出して欲しい!だからここは奮発して!ってやりがちですし、気持ちはよく分かります。

ですが、どんどん身体が大きくなってサイズアウトしてしまうのに、そんなことをしていたら、いくらお金があっても足りないです。経済的な理由で自転車を辞めてしまうのは、業界全体にとって損失が大きいと思うので、敢えて言いますが、フラッグシップモデル(最上位モデル)のコスパは最悪だと思っています。

SHIMANO製のコンポは、上位から、デュラエース>アルテグラ>105>ティアグラ、という感じでラインナップされていますが、105以上であればレース機材としては充分対応できると思います。

私の感覚ですが、デュラエースのパフォーマンスが100としたら、アルテグラは95くらい、105で85くらいのパフォーマンスは発揮すると考えています。

価格差で言うと、105からアルテグラが約1.5倍くらい?かと思います。で、アルテグラからデュラエースとなると、約2倍弱・・・。105からデュラエースにするために、約3倍・・・

世の中の全ての物に言えますが、最高の機材は僅かな差を追求するためにかなりのコストを掛けて研究開発を行います。SHIMANOさんが悪い訳ではなく、世の中では当たり前のことだと思うんです。

ジュニア選手は3日練習したら・・・

中学生くらいまでは105、高校生になっていよいよ勝負だ!ってところでアルテグラくらいで良いのでは?というのが私の考えです。息子の自転車もデュラエースで組んだことは1度もありません。前述の通りです。

トラックが専門ですが、1年生のインターハイロード以外、春の選抜、インターハイではロードレースでも常にトップ10をギリギリ死守してきました(本当にギリギリですが)。フレームも2世代前のスペシャライズドSL6ですが、私としては、これでも充分過ぎると思っています。

この機材で凄い!と言われたりしますが、凄くないと思います。きっと上の機材使っても絶対結果は変わりませんからwww

多少気持ちの問題はあるかも知れませんが、ジュニア期の選手は1つグレード落とした機材でも、3日練習したらそれを埋めれるくらいの成長力があります!

保護者の方々の意識もそうですが、ジュニアの皆さんもこのインフレが続く時代、長く競技を続けさせてもらうためにも、機材の差を自分の頑張りで埋めるんだ!という気概は要ると思いますし、そんな選手でなければ絶対に残れません。

って気が付いたらまた長くなってきましたね。この続きは次回に持ち越します!本日も、ありがとうございました<(_ _)>


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