見出し画像

不確かな光 《詩》

「不確かな光」

曖昧な欲望の濃淡が
壁から剥がれ落ちるのを見ていた


僕は電話をかける事をやめた 

彼女から電話が来る事も無かった


その透明な断層に音は無く

ただ風が吹いていた


僕等の時間の中に答えは無かった

完璧な眠りに似た 
沈黙が街を包み込み


僕は後ろを振り向かなかった

一度も振り向かなかった


月に薄っすらとかかった雲

過去と現在 

僕は不確かな朝の光を待っていた

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?