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マインドフルネスストレス低減法体験記

マインドフルネスの実践は、初めて自転車に乗るように、補助輪のある自転車に保護者とともに乗りはじめ、じきに補助輪なくても自転車に乗れるように、安全にガイドを重ねることが大切だと思います。
マインドフルネスストレス低減法(以後MBSR)はそのためにもとても有効なプログラムだと考えています。
そして、自転車に乗ることも怖いというようなときは、もっと丁寧に、終わること、選ぶことの練習をゆっくりとかさねていきます。
ご自身に合ったタイミングで、ご自身に合った人や方法と学びをすすめてもらえたら嬉しいです。

この記事では、自分自身の体験も合わせて、マインドフルネスストレス低減法をふりかえっていきます。


そもそも、マインドフルネスストレス低減法(MBSR)とは

1980年ごろ、アメリカの病院ではじまった、ストレスをテーマにした2ヶ月をかけた講座です。マインドフルネスという、意図的に注意を向ける練習を通して、実践していく特徴があります。

この講座は、毎週8回の講座と、1日の練習そして、毎日1時間程度のセルフケアの時間を持つことが求められる、本気の講座です。
自分をケアしていくことに向き合う2ヶ月に申し込むぞ。その気持ちがはじまりになります。

大変そうです。でも、自分にやさしくする覚悟だと思って、高いけど申し込みました。
「自分にやさしくする覚悟」です。

覚悟ができたら、申し込みです。申し込むと事前面談の案内が来ます。先生によってはアンケートの場合もありました。これまでに私は2回別の先生に教わっていて、対応の違いがあることを経験しています。

事前面談

事前面談では、MBSRに参加するのに適した時期か、状態かを確認してもらえます。こころの病気の治療中や、大切な方を亡くされた直後など適さない時期がありますので、先生と丁寧にお話をしてください。

急ぐ必要はないのです。適切な時期に学ぶことが最も早道だったりします。

そして、初回を迎えます。

マインドフルネスってなに?というところからはじまって、じっくり食べ物を味わう練習、からだを丁寧にだどって感じていくボディスキャンを体験します。はじめての人たちの時間はどきどきしました。だけど、2時間半の時間をとおしてほっとできる時間になりました。

1週間目のおみやげは、ボディスキャンを毎日すること、そしてちょっとしたクイズがあります。からだを感じてクイズを考えてみる。そんなおみやげです。

2回目は

見ることを楽しむ、自分の考え方ついて検討する練習をします。ひとりひとり、見方考え方は違うんだなぁって、わかちあっていきます。
わたしは、絵を描いてきましたが、多くの人は意識的に見るということをしていないということに気づいたのは大きなできごとでした。

2週目のおみやげは、ボディスキャンを毎日すること、呼吸に注意を集める短い瞑想、そして、心地よいこと日記です。あえて嬉いことやほっとしたことなど、ここちよいことをテーマに日記を記していきます。

3回目は

からだを動かしながらゆっくりと体を感じていきます。うごきたいのかな、うごけるのかな、体の感じを感じながら、からだを動かしていきます。無理はしない、限界は超えないことを大切に扱っていきます。
先生によってはこの動きをヨガと呼びます。でもポーズができることを求めませんし、動かなくてもいいというガイドがあります。丁寧に動きながら何を感じているのかを大切にする練習なのです。

3週目のおみやげは、ボディスキャンと、からだを感じながら動かすこと。そして、心地悪いこと日記です。前の週と反対にあえて悲しいことや、きゅっとなったことなど、心地悪ことをテーマに記していきます。
毎日どちらもあるものですが、注意を向けると見えてくるものが変わってきます。

4回目は

ストレスの仕組みについて学びます。MBSRのメインテーマ、ストレスの仕組みについて学んで生活をふりかえっていきます。大変だと感じる仕組みがわかってくると、ほっとすることもあります。大変さには仕組みがあるものなのです。
はじめて、この話を聞いた時にはしっくりきませんでした。でもだんだんと、自分がとってきた行動が、自動的な反応だと気づくいいきっかけになったと思っています。

4週目のおみやげは、ボディスキャンと、からだを感じながら動かすこと。そして、少し長めの呼吸瞑想。そして、ストレスの仕組みを知って、生活で気づくことが増えてきますが、変えようとしない1週間を過ごします。

5回目は

中間地点のふりかえり、そして、ストレスの仕組みを知った上で、マインドフルネスはどのように役立つのか、反応から対応にかわっていけるのかについて、学んでいきます。
ああ、どうしてこうなってしまうんだろう。そういった繰り返しのパターンにも糸口がみえてくることもありました。

5週目のおみやげは、座って行う瞑想と、立ってからだを感じながら動かすこと。そして、困難なコミュニケーションについての日記をしるしていきます。もしかしたら、いつもと違う対応ができているかもしれません。

6回目は

マインドフルなコミュニケーションについて学んでいきます。ここまで学んできたことを、日常の中で活かすには、どのようにしていけるのか、学んでいきます。
ここでは、合気道をメタファーとしたワークが私の時にはありました。真正面から向かい合うだけがコミュニケーションではない。相手の力も使うことができる、可能性が広がった時間いなりました。

6週目のおみやげは、座って行う瞑想と、からだを感じながら動かすこと。そして、日常の中でどのような刺激を受け取っているのかについて、日記を記していきます。

6回目と7回目の間

1日の沈黙しながらの実践の日を過ごします。
最後には少し言葉を交わしますが、午前中から夕方まで、お昼の時間も話さず、味わう実践として過ごし、1日を沈黙の中で過ごします。
1日沈黙の中での実戦は最初は怖かったです。1日が終わって言葉が上手にでてこない。言葉はなかなか出てこなくていいんです。言葉にならない体験もあるということを、これを読んだ人には伝えたいなと思いました。

7回目は

そろそろ、終わりを意識して、終わったあと、どのように実践を継続していくのかについて、検討していきます。取り入れているもの、運動、食事、睡眠など、ライフスタイルについても検討していきます。
これを書いている今も、刺激的なものを求めている日常を確認します。日常を乗りこなすために必要なこともありますので、全てが穏やかになる必要もありませんが、日々見直していきたいと思います。

7週目のおみやげは、ガイド音源を使わないで、ボディスキャンや座る瞑想や、体を感じながら動くことを練習します。生活の中で何を受け取って、受け入れているのか。終わった後の計画などもしていくじかんになります。

8回目は

8週間のふりかえりです。学んだこと、気づいたこと、わかったこと、かわったことなど、この8週間に起きたこと、そして、今後についてわかちあっていきます。
終わりを感じると、先生や仲間がいることのありがたさを感じました。ここで出会った仲間はその後も継続して繋がっている人もいます。どうしてあの8週間だけなのに、何年もつながっているのか、それは、こころからの声をわかちあったからなのかもしれないと思っています。

8週目のおみやげは、仲間と先生と離れての実践です。はじめましてから、8週間共に過ごして、再びひとり。あらたな挑戦がはじまっていきます。

その後2年をかけて、MBSRの先生の学びをして、今は教えています。
2024年は4月から講座を開く予定です。
よろしかったら、いっしょに練習しましょう。


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