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#11.3「DXの本質」 DXの目的語を探せ(デジタルシフトを実現する7つの変革)

DXは、デジタルテクノロジーで企業を変革するということです。
ここで、企業変革の何を変革するのでしょうか?デジタルシフトは様々な変革を実現します。特に今回のコロナショックは、そのデジタルシフトを加速させました。
また、逆もあり業務や働き方の変容からデジタル化が推進されたケースもあります。
変革とデジタル化は補完関係にあるのです。

デジタルシフトと変革の関係について考えてみます。デジタル化によってもたらされる企業変革は以下のようなものが考えられます。
(もちろん、もっと多くの変革はあると思いますが、大きく括るとこんな感じかな〜と…)

・クラウド変革(デジタル・シフトの一部)
・価値の変革
・顧客の変革
・人の変革
・ワーク変革
・組織変革
・経営管理の変革


今回はデジタル化がもたらす変革について考えてみます。それぞれの変革の詳細については、別途詳述します。

「クラウド変革」
不確実性が増大する社会環境におけるデジタルシフトの要です。
VUCA WORLDと呼ばれている不確実性の時代において、新型コロナウイルスの蔓延は、不確実であった潜在的な課題を顕在化し、多くの企業に対して、大きな影響を与えています。今後も更に不確実性や不確定の要素は増え、不安定で混沌とした社会環境は続いていくと考えられます。


さらに、社会はデジタル化していきます。そのデジタル化する社会にも対応していく必要があります。変化に対応するために俊敏性が求められます。
不安定な経済情勢、生産性の向上、ビジネスとしての柔軟性の向上が必須です。
また、デジタルシフトの必要性は「2025年の崖問題」や「情報の非対称性の逆転」「ディスラプターの出現」等の観点からもご理解頂けると思います。

さて、このような変化の激しい時代は、そのデジタル・シフトする基盤が柔軟でなければなりません。
それが、クラウド・シフト(LIFT & SHIFT)です。(クラウド・シフト(LIFT & SHIFT)については別途詳述します。)このクラウド・シフトについても、新型コロナウイルスのパンデミックが加速させていると考えられます。

「価値の変革」
資本主義の終焉か・・・。
金が余り、金融資産がコモディティ化していく時代になるかもしれません。新しい価値の誕生です。「モノからコトへ」「コトつきのモノへ」という価値が変遷しています。目に見えるモノやサービスだけでなく、無形資産を価値に変えて提供していくことも今後重要になってくると思います。

「顧客の変革」
ジョブズは「顧客は欲しいモノが分かっているわけではない」と言いました。デジタル化が進むにつれ、顧客接点が拡大します。顧客のタッチポイントの回数や範囲(SNS等の浸透)が広がります。そのなってくると点で捉えていた顧客接点が線になり、面になっていきます。こうしたデジタル化社会の中で、情報の非対称性が逆転し、ユーザーイノベーションが起こります。
このユーザーイノベーションを企業が未来を見据え、起こしていく必要が出てきます。

「人の変革」
ここでは人は重要な資産とし捉えるため、人財と表現します。テック系の企業はそれが本業なので、デジタル人財を採用し、育てることが当たり前ですが、そうでない企業において、デジタル人財を社内で育てることは非常に難しいです。DXを推進するような人財は、通常の企業にはなかなかきません。
そのようなデジタル人財を社内で育てようとしても中途半端になるだけです。そうなれば、そのような人財は他に居場所を求めるようになるでしょう。通常の企業は、そこに企業のコアバリューはないからです。しかし、企業変革人財は育てられるはずです。企業の価値(コアバリュー)をよく知り、デジタルテクノロジーと組み合わせることで、新たな価値を生み出せるという変革をドライブしていけるような企業変革人財です。
テクノロジーの知識やノウハウは都度プロフェッショナルに相談すれば良いのです。将来的にはデジタル分野はCVCまでいかないにしてもBPOして運用していった方が柔軟に対応でき、さらに社内でリソースを抱えるよりもコスト的にも効率化できるかもしれません。

「ワーク変革」
不確実性が増大する社会環境とNEW NORMALな社会に対応するワークシフトが進行しています。新型コロナウイルスは我々の働き方も大きく変えました。アフターコロナの時代も、元のような働き方には戻らないことも予想されます。今後もテレワークやリモートでの会議が日常になり、働き方も多様化してくることが容易に想像できます。
その働き方を支えるのもデジタル化の推進が必要です。ワーク変革がデジタルシフトを加速させているのです。働き方が変わり、クラウド化が進み、様々なデバイスから企業の重要な情報にアクセスすることになります。
Zoom等のリモート会議ツールの浸透や進化も後押しし、すると、セキュリティ問題が浮上する。そこで、一気に技術の採用が高まっているのテクノロジーが、ZTNA(Zero Trust Network Access)やLTNA(Lean Trust Network Access:無駄のないトラスト環境)やSASE(Secure Access Service Edge)という概念です。

およそ20年間、VPNによるシステムの境界線を防御するセキュリティから進歩してきませんでした。コロナショックが、我々の働き方を変え、このセキュリティ改革を推し進めたといっても過言ではありません。今後、セキュリティもネットワークもクラウドで、SASEモデルで構築するZTNAというアーキテクチャーが主流になってくると思います。



「組織変革」
不確実性が増大する社会環境へ対応する組織のケイパビリティを変革しなければなりません。新型コロナウイルスのパンデミックは、社会に大きな環境の変化をもたらしました。その社会の変化に対して柔軟に対応していかなければ、成長できないだけでなく、生き残っていくことすら難しくなります。
そこで、ダイナミック・ケイパビリティのような柔軟な組織の変容する能力が必要になります。

ダイナミック・ケイパビリティとは、「企業が環境の変化に対応し、そこにビジネスの機会を見出し、既存の資産・資源・知識・技術および通常能力(オーディナリティ・ケイパビリティ)を再構成・再配置・再編成する」の企業の能力でです。さらには、ダイナミック・ケイパビリティを実現するために、より強く、柔軟性の高く、エンパワーメントな組織にシフトしていく必要があります。
デジタルシフトを推進していくには、このような組織形態に変容しなることが重要だと考えています。小手先のデジタル化だけではDXの企業変革が成し遂げられないのです。

「経営管理の変革」
不確実性が増大する環境におけるビジネス・マネジメントの変革です。デジタルシフトし、企業を変革するにあ、ビジネスマネジメントのあり方も変える必要があります。デジタル化し、イノベーションを起こしていくには、「両利きの経営」の考え方が有効であると考えます。「知の深化」と「知の探索」をバランスよく実行し、継続的なイノベーションを創出する環境をつくるには「両利きの経営」のような考え方は重要ですが、ただ「知の深化」と「知の探索」をするだけでは意味がありません。そこで、この両利きの経営やイノベーションを実現し、デジタルシフトし、DXを推進していくために有効な経営マネジメント手法がゾーン・マネジメントであると考えています。このゾーンマネジメントは、DXを推進していく上で、非常に有用な経営管理手法です。DXを推進するためのアプローチとして、とてもしっくりきます。ゾーン・マネジメント(Zone Mαanagement)で管理することにより、両利きの経営の実践や、ダイナミック・ケイパビリティの運用も上手い具合に管理できるようになります。
今回のコロナショックのような危機的な環境下において、資源の分配をどこにどのように分配すべきを可視化して管理することが可能です。

DXは企業変革です。特に、コロナショックがもたらした不確実性が増大する時代において、企業変革を行っていく上で、経営のマネジメントも変える必要があります。その有効なマネジメント手法がゾーン・マネジメントという考え方です。

このダイナミックケイパビリティやゾーンマネジメントのような考え方はDXを推進する上で有効な考え方であり、フレームワークです。

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