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#ビジネスにちょっとだけ役立つかもしれないこと  『センメルヴェイス反射』

センメルヴェイス反射(Semmelweis reflex)は、通説にそぐわない新事実を拒絶する傾向、常識から説明できない事実を受け入れがたい傾向のことを指す。

センメルヴェイスとは「センメルヴェイス・イグナーツ」という医師の名前に由来するものです。

センメルヴェイス・イグナーツの功績は、医療の世界で感染防御の話がされるとき、必ずと言っていいほどセンメルヴェイス・イグナーツが登場します。
彼は「感染防御の父」と呼ばれています。彼の功績は、手洗いを行うことで感染リスクが低下することを提唱したことにあります。

現在のコロナ禍において、推奨されている手洗いはここからです。

医師であるセンメルヴェイスは出産した母親が産褥熱という病気にかかり死亡する現象を観察して、分娩をする担当医師の汚れた手が原因ではないかと考えました。
そして、分娩する医師の手を消毒する事で産褥熱による死亡が激減しました。
この大発見を上司らに報告しましたが、誰もそれ受け入れようとしませんでした。
これを受け入れれば、長年、医師が素手で大勢の母子を殺してきたということになってしまいます。
その予防法として医師のカルキを使用した手洗いを提唱するものの存命中はその方法論が理解されず大きな排斥を受け不遇な人生のまま生涯を終えた史実に由来します。

これが、「センメルヴェイス反射」です。

この気の毒なセンメルヴェイスの名を取って「少数意見を拒否する事をセンメルヴェイス反射」と呼ぶようになりました。

ちなみに、ここでのでカルキが、次亜塩素酸カルシウムです。
昨年の今頃にアルコール消毒液が品薄になり、この仲間である次亜塩素酸水が話題になりましたね。

さてさて、DXを実現するための技術について様々なものが存在します。
しかし、どこの企業もこのような新しい技術に投資をしているのかというとそうでもない訳です。

その技術が少数だったりすると特にそうです。

逆に大した効果が発揮できない技術に対して、多くの企業が実践したりすることで投資をしたりもします。

なぜか?
それが「センメルヴェイス反射」が関係していると思えてなりません。

また、自分たち(企業)の信念やブランドに固執するあまり、顧客のニーズとのズレが生じることもあると思います。

人の考えや思考は自由です。

それを外部環境、顧客ニーズに照らし合せ、アイデアを磨き、行動していくことが重要です。

多勢の意見が正しいとは限らないのです。

過去の通説やセオリーが正しいとは限らないのです。

なにに目を向けるかが重要だと思います。

通説や常説に捉われず、多数派の意見に流されず、正しいと思う事をキチンと伝えることが重要であるとともに、多数派意見の人も少数派の意見をキチンと評価すべきです。

ものごとの本質をバイアスなしに評価することですね。

検討の土台にもあげずにいることは、イノベーションの目を摘んでいるのかもしれません。

おしまい



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