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年末年始の神事にまつわるいろいろ

年の瀬はどちら様も忙しいと思いますが、心新たに、来る年を迎える準備から次の年は始まっています。

神事に関わる年末年始のことがらに関してまとめてみました。

○お正月は歳神様をお祀りする神事です

年末から年始にかけてのいろいろな行事や準備は、年の初めに家々を訪れ、家族に幸せを授けてくださる神さまをお迎えし、祀るためのものです。

大晦日には氏神さまを訪れ、1年の罪穢れを落としていただく大祓えの神事があります。ある意味では初詣より重要です。

○門松・注連縄飾り・鏡餅
 この三つはお正月に欠かせないものですが、門松と注連縄は清浄を示す目印です。門松は一般的には松ですが、地方によっては他の常緑樹を用いるところもあります。神さまは緑豊かな常緑樹に宿られると信じられています。

神棚がないご家庭もおありかと思いますが、飾り棚の上に市販の正月飾りでもいいと思います、お飾りください。あらたまる事が大事です。

注連縄(しめなわ)のごぼう〆は、太い方が右側です。注連縄は農家で使う普通の細縄でも結構です。紙垂(しで)は神社へ行くとわけてくださいます。30日までに準備をしてしまいましょう。31日の一夜飾りは必ず避けてください。注連縄は神札を新しくする前に取り替えます。

鏡餅は、歳神様が宿るよりしろです。飾り方はいろいろです、その地方地方で独特の型があります。古に蛇をご神体とする氏族が、神の形を現したということを聞いたことがあります。人頭蛇体の形は宇賀神・弁天様をお祭りしているところでよく見かけます。鏡餅は、くれぐれも丁寧に扱ってください。

○お神札のまつり方
 神棚の宮形はさまざまですが、三体並べておさめることが出来る三社造りと重ねてお祀りする一社造りに大別できます。

三社造りは、中央に神宮大麻(天照皇大神宮)・向かって右に氏神さま・左にその他の崇敬する神社のご神札です。

一社造りの場合は、手前から順に、神宮大麻・氏神さま・崇敬社のじゅんにかさねます。神宮大麻が一番前になります。

神棚がない場合は、ご自分の目の高さより少し上の位置に、清浄な場所を選び定めてお祀りします。最近はホームセンターへ行きますと、いろいろ工夫された宮形が並んでいます。マンションにお住まいの方でもお祀り出来るものがあります。自分にぴったりのものがありますから探してお祀りしてください。

宝くじやロト愛好家の方から金運神社のご神札と一緒にお祀りしたいのだがというご相談をいただきました時、この方法でお探しいただきましたら、紙一枚でも飾れるものが見つかったとお礼のお便りをいただきました。宮形にしなくてもお札立てもありますので、ぜひ一度お近くの氏神神社さんをお訪ねください。
 
○元旦・初詣
 一年の始まりは家族そろっての挨拶から始まります。もちろん神棚やご仏壇にお参りしてください。

ご自分の住む町や村にはそこで暮らす人、氏子をお守りしてくださる氏神様がお祀りされています。そこへお参りするのが初詣です。その後、崇敬社や明けの方(その年の恵方)にある神社を参拝します。新年ののっけからお願い事をするよりも、新しい年を迎えられた感謝をする、ご自分の抱負を誓うことをお勧めします。結果が違います。

○七草粥
 1月7日、この日の朝、春の七草を入れた七草粥をいただきます。七草粥を食べると邪気が祓われ、万病がのぞかれると伝えられています。春の七草はスーパーなどでも買い求めることが出来ます。ご家族の皆様でお試しください。神社でも七草粥を作って振舞うところもあります。恵まれた、心温かいスタートが切れるはずです。

○鏡開き
 鏡餅をお汁粉やお吸い物に入れていただく行事です。1月11日に行うところが最も多いようです。神様の宿る鏡餅を手か小槌で割って召し上がってください。決して刃物を使ってはいけません。

○小正月
 どんど焼きです。サイトー焼き、左義長などという地方も有ります。1月15日前後です。お正月飾り、昨年の注連縄、書初めなどを神社や田んぼなどに持ち寄ってする、お炊き上げの行事です。このときダルマを火の中に投げ込む人がいます。人の顔が描かれていることをお忘れなく。神さまの使い捨てですね。どんど焼きの煙は神さまの旅立ちの印です。

○お札納め
 古い神札やお守りは感謝の気持ちをこめて、それぞれの神社に納めます。神札やお守りを授かった神社が遠方の場合などやむをえない場合は、近くの氏神様の古神札納所へお預けして、丁寧にお願いしてください。

さて、正月行事は、地方地方によってもっといろいろあるでしょう。昨日今日始まった事ではありません。長い時間をかけて培われた、しかも、日本国中で行われている、年の初めの大切なスタートの意味を持つことに気づかれることです。

去年一年何かにつけてよくなかった人、禍や災難に合われた方、お話を伺った中で振り返ってみますと年の初めに「欠け」がある方がほとんどでした。このことは何を意味するのでしょうか。ただのイベントだと考えている方、くれぐれもご注意ください。

特に厄年の方は、厄よけや方災よけ、お引越しや、出店の計画がある方で、方位にお気がかりのある方は、方位(かた)避けを受けられることをお勧めします。お近くの神社で受け付けているはずです。


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