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一生手元においておきたい絵本。大人が自分のために絵本を読むことの効能について【読書の記録】


昨夜は「バムケロ」シリーズが大好きな次男と一緒に、「バムとケロのにちようび」を読みました。

島田ゆかさんの細かく描き込まれた遊び心いっぱいな絵には、しかけが沢山隠されています。次男はそれを発見するのが大好き。暗唱できるほど読み込んでおり、私も一緒に読んでいてすごく楽しい絵本です。

でも、そういう子どもたちに愛される絵本とは違い、大人の方が熱心に愛してしまうような絵本があります。

そんな「大人のための絵本」を、実は学生の頃からコレクションしてきました。


絵本の素晴らしいところは、研ぎ澄まされたシンプルな文章と、美しい絵の組み合わせで、あっという間に異世界へ連れて行ってくれるところ。

さらに、絵本を読むという数分の短い時間の中で、生きる上で大切な深いメッセージを私たちに渡してくれます。

これは、小説にも映画にもできないことで、絵本の素晴らしい所だと思います。

というわけで、私は子どもたちに読むためではなく、純粋に自分のためだけに、アート作品のような気持ちで絵本を何冊か集めています。


今回は、私が一生ずっと手元に置いておきたいと思うような、大切な絵本を紹介したいなと思います。


『漂流物』


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デビッドウイズナ―作『漂流物』


まず表紙の洗練されたデザインとインパクトがすごいです。期待してページをめくっても、その期待は全くうらぎられません。

時空を超えてやってきた漂流物との出会いが、言葉は一切なく、緻密な絵でだけで描かれています。

デビットウイズナーは、”肝試し”のような絵本を描くのが上手い人だと思います。

「こんなことありえないけど、あったら一体どうなるの??」と、こわごわと覗いてみたくなるような世界を描く作家さん。

読んでいると、忘れていた子どもの頃の感覚が呼び覚まされるのが好きです。

下の息子もこの絵本が好きで、たまにセリフを付けて読んでほしいと頼まれます。セリフ付けバージョンは難しいけど、頑張って読んでいます。笑

他にも、大量のカエルが火曜日の夜に降ってくる様子を描いた「かようびのよる」なども持っていますが、これもおもしろいのでおすすめです。



『ルリユールおじさん』


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いせひでこ作『ルリユールおじさん』

何度読み返しても、深い感動で胸が熱くなります。

少し前に「大人のための絵本読書会」を開催していたことがあり「はたらく」をテーマに読書会をしたことがあります。その際に、参加者の方が教えてくれた本で、心から出会えてよかった本です。

この本は、製本の職人であるルリユールおじさんの仕事をテーマにした本です。

ルリユールとは、フランスで400年以上続いてきた製本の職人を指す言葉だそう。

ある女の子と、ルリユールおじさんとの特別な出会いから、語られる仕事への想いに胸がゆさぶられます。想いを手渡していくことの尊さというか、仕事の真髄として大切にしたいことが描かれているように思います。

これは子どもだと、もしかしたら伝わらないかもしれないな?と思う箇所もあるのですが(でもわかる子にはわかると思います)、大人は深く感動する、まさに「大人のための絵本」だと思います。

そして、”本”や”読むこと”を愛する全ての方に、おすすめな一冊だなと思います。

柔らかい水彩画も美しいです。


『おばあちゃんのはこぶね』


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ゴフスタイン作『おばあちゃんのはこぶね』


この絵本は、うちの息子達に試みに見せてみましたが、とくにポッカーーーーンという感じだったので(笑)、まさに「大人のための絵本」と言えるかも知れません。

20年くらい前に出会い、ずっと宝物にしている絵本です。

絵は表紙を見てもわかるように、シンプルにしてシンプル。

でも、とてつもなく愛らしい絵柄です。

そこに、これまたシンプルな言葉で、おばあちゃんが辿ってきた子ども時代からの人生が語られています。

その内容がまた平易な言葉で描かれているのに、奥深さが感じられ洗練されています。たぶん、私にはまだ理解しきれていない所がある気がするのも、手元に置いて何度でも読み返したくなる理由です。(何歳になったらわかるようになるかな?)

そして最後の2文が、ほんとうに美しくて大好きです。

最初から読んでこその最後の2文だと思うので、ここにはあえて書きませんが、気になった方はぜひ読んでみてくださいね。

ゴフスタインさんのファンなので、何冊かもっていますが、どれも本当に可愛くて愛らしいです。


『よあけ』

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ユリー・シュルヴィッツ作『よあけ』


この絵本の、静かな静かな世界観がとても好きです。

この絵本は、要約してしまえば、湖のそばで孫とおじいちゃんが野宿して、朝日をみるという、ただそれだけのストーリーです。


ですが、その物語の中に、自然の美しさと、自然の中での人間の営みというエッセンスがつまっていて、本当に美しい絵本です。

特に後半の絵の美しさには息をのみます。

湖のそばで過ごすのは私も好きで、朝日で湖の色が変わっていくのは格別だと思っていますが、それが見事に表現されていてすごいなと思います。

ずっと手元においておいて、たまに眺めたくなる大切な絵本です。


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他にも、ぜひ紹介したい本もありますが、今日はこの辺りで。

あなたがずっと大切にしている絵本はありますか。よかったら教えてください!



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