シェア
晴牧アヤ
2024年4月30日 17:25
「ねぇ、君、そこ危ないですよ!!」 その声で、目が覚めた。 私は何故か踏切の真ん中に立っていた。辺りは真っ暗。周りにはその声をかけてくれた人と、あと猫ぐらいしかおらず、しんと静まり返っている。幸い電車はまだ来てないようだけど、私はどうやらそんなところで呆けていたらしい。 とりあえずここにいるのも危ないので、声が聞こえた方に向かう。声をかけてくれたのは小柄な女の子で、少々幼い雰囲気があった
2024年4月29日 13:06
「お花見をしよう!」 私の隣を歩く友人、梅朱ルアが唐突に叫ぶ。相変わらず突拍子もない提案をする彼女だが、一応続きを聞いてみる。「で、なんで急に?」「だって、桜が満開なの見ちゃったから!」「ああ、まあ確かに咲いてるな……」 3月の終わり。一年を締め括って、また新たな一年が始まろうという頃。それを出迎えるように、桜も咲く頃だ。 しかし私、桜葉マキは花見をする気にはなっていなかった。そ