幻のプロ野球選手 ―なぜ大友一朗は戦死したのか―
初めてそのこと、大友一朗の戦死を筆者が知ったのがいつのことだったか、今となっては思い出せないが、あるいはそのきっかけは、小川勝の『幻の東京カッブス』だったかもしれない。小川は毎日新聞の記者で、第二次大戦後間もない時期にプロ野球への加盟を申請し認められなかった幻の球団「東京カッブス」と、その球団代表であり戦前のプロ野球にイーグルスというチームで理事として参加していた河野安通志とを通して、戦前戦後の職業野球の状況を自身の取材も交えて記した書である。この本の87ページには、次のよう