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引きこもり脱却への小さな第一歩

僕は対人恐怖が強くて、2017年に通信制高校を卒業後、しばらく自室にこもりがちの生活が続いていた。
そんな状況を変えるきっかけの1つになった本があるから紹介しようと思う。

『小さな習慣』
スティーヴン・ガイズ 著 / 田口未和 訳
ダイヤモンド社

表紙がかわいい。
ギラギラした自己啓発本は苦手だけど、これは好き。

「1日1回腕立て伏せ」「1日1ページ読書」みたいに、小さすぎて簡単にできそうな行動を毎日繰り返す。
次第に慣れてくると抵抗感が減って、退屈に感じてきて、自然ともっとやりたくなるよ、という内容。

僕は外出する恐怖を克服したかったから、「1日1回玄関まで行って靴を履く」ことにしてみた。
そこから次のステップに移るまで時間はかからなかった。
玄関のドアを開けてみたいと思うようになった。
怖くて心臓はバクバクするし、取っ手を握る手に汗がにじむ。
だけど勇気を出して、半開きにした扉の隙間から外の景色を眺めてみた。

最初は恐る恐るチラッと覗くのが限界だった。
それでも何日かやっていると抵抗が薄れていく。
達成感も味わえて、なんだか心が満たされる。
もう少し先に進めそうな気がしたから、今度は玄関から一歩だけ外に出てみた。
道行く人の姿が目に入ると、慌てて室内に戻ってしまった。
人に見られたら、と思うとやっぱり怖い。
でも、ほんの一瞬だったけど外に出られたのが嬉しかった。

それからも玄関に向かうことを何日も繰り返していると、
気がつけば自宅前の歩道まで来られるようになっていた。
次は一番近い信号のところまで行ってみよう。
それができたら、今度はもうひとつ向こうの信号まで。
そうやって出て行ける距離が徐々に広がっていった。

今では自分で食事の買い出しにも行ける。
少し頑張れば電車に乗って隣町くらいなら行けた。
人目もあまり気にならなくなってきたと思う。
だけど、まだ満足に社会復帰できたわけじゃない。
毎日余裕で外出できるようになったわけじゃなくて、外に出られない日は今でもある。
克服しなくちゃいけないことは、他にもまだまだたくさん残っている。
これからも、その日にできる精一杯をコツコツ積み重ねていけば、
今日できないことでも、いつかはできるようになっているのかな。
そんなふうに思うと、未来の自分にちょこっとだけ希望が持てる気がする。


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